足立佳奈|信じてもらえるから新しい一歩を踏み出せる 挑戦に満ちた2019年を振り返る

Sori Sawadaとの初タッグで得た刺激

──3カ月連続リリースの第1弾となる新曲「話がある」が配信リリースされましたね。この曲はシンガーソングライターとしても活動されているSori Sawadaさんが作曲・アレンジを手がけられています。

足立佳奈

Sawadaさんとは今回初めてご一緒させてもらったんですけど、いろいろな面ですごく熱心に対応してくださったのがうれしかったです。こちらからの要望に対して、夜中でもすぐに「じゃ手直しします」と言ってくださったり。特にイントロの部分に関しては、ギリギリまで迷って。結果、けっこう大きく変えていただいたんですよ。

──足立さんの中のどんなイメージを伝えて手直ししてもらったんですか?

最初にいただいたものはすごく壮大な雰囲気があったんですよ。でも今回は日常の中のストーリーを描いた曲にしたかったので、聴いてくださる方の心にスッと入ってきて、すぐ歌詞の世界にたどり着くようなものにしたかったんです。なので短めなイントロになりました。

──歌詞は足立さんとSawadaさんの共作になっていますね。

Sawadaさんと相談しつつ、自分なりのストーリーを書きました。メロディに対しての言葉のハマりに関しても、細かくやり取りしながらアドバイスしていただきましたね。タイトルについても、「話があるよ」と迷ったんですけど、より引っ掛かりがあるように「話がある」にしました。

──成就しない恋を描いたストーリーがとにかく切ないですよね。

そうですね。最初は希望があるような雰囲気なんですけど、曲が進むにつれて“振られちゃった”ようなニュアンスが出てきて、最終的には自分でしっかりピリオドを打って未来に向けて進んでいくことを決めるストーリーになっています。私はいつも曲を作るときに2番の歌詞でより深みを出すように意識するんですけど、今回もそこはすごく考えたところですね。Sawadaさんの書いてくださった素敵な言葉の力を借りつつ、ちゃんと私らしい歌詞になったかなあとは思います。

足立佳奈

──歌のレコーディングはいかがでしたか?

この曲、けっこうシンプルに聴こえますけど、実際に歌ってみるとものすごく難しいんですよ! 音楽の知識が豊富なSawadaさんから生まれたメロディは、私の中にはない音符の動き方だったりもしたので、ホントに苦戦しました。歌うのに迷ったときはSawadaさんにピアノで音を拾ってもらって確認したりもして。「なるほど。もう1回お願いします!」みたいな感じで、何度も歌わせていただきましたね。

──本当に素敵なメロですよね。今までの足立さんの曲にはなかったタイプだし。

ホントにそうですよね! 最初にもらったSawadaさんの仮歌を聴いた瞬間に、「めちゃくちゃいい!」と思いました。聴けば聴くほどカラダにスッと入ってくるメロディだし、歌詞の言葉もすごくよく聞こえてくるし。バラードのラブソングとしては本当に今までの自分にはなかったタイプだと思うので、すごく気に入ってますね。

──先ほど冷静さを保って歌うことを心掛けるようになったとお話ししてくれましたが、この曲はかなり感情がしっかりにじみ出た歌になっていますよね。

そうですね。もちろん冷静さは意識しつつも、サビではグッと力を込めて、顔をしわくちゃにしながら思いを声に乗せたところはありました。主人公にしっかりなりきって。この曲は基本的に相手には伝えられない思いを歌っている感じなんですけど、サビ前のブレイクのところだけは、あたかも好きな相手が隣にいるような感覚で歌っているんです。なので、そこだけはそっとささやいているような声を出すようにして、曲の中にメリハリが付くように意識しました。

足立佳奈

──最近はいろいろなクリエイターの方と共作する機会も多いですけど、今回もまたいいコラボレーションになりましたね。

はい。現場ではSawadaさんの好きな音楽やマンガ、映画のお話を少しさせていただくこともできて。いい歌詞、いい曲を生み出す方は、そういうインプットをしっかりされているんだなあと思いましたね。私はまだそういうインプットがなかなかできていないので、がんばらなきゃと思いました。

──この曲がライブでどう歌われるかもすごく興味がありますね。生で聴くとまた違った印象になりそう。

あー、確かにそうですね。レコーディングでは歌詞のストーリーをしっかり届けるように歌うことに集中しましたけど、ライブで歌うのもすごく楽しみです。よりいい雰囲気、より切ない雰囲気がきっと漂うことになると思います。絶対に漂わせます!(笑)