ハルナ卒業に対するそれぞれの思い
──そんな中、11月1日にハルナさんがグループからの卒業を発表されました。改めて、どんな思いから卒業を決められたのでしょうか?
ハルナ 9月で25歳になったんですけど、自分の人生を長く見てもっといろんなことにチャレンジしてみたいと思ったんです。前にアパレルのお仕事をしていたこともあって、モデルにも興味が湧いてきて。3歳からずっとダンスを続けてきて、アイドル活動は24emotionsが2回目なんですけど、個人的にはやり切ったというか、自分のアイドル人生において悔いがないなと。もっとステージに立ちたいという気持ちはあるけど、それよりも新しいことにチャレンジしてみたい気持ちのほうが強くなりました。事務所と契約更新をするタイミングでグループを離れる相談をさせていただいて、メンバーみんなにも了承を得て、卒業することになりました。
──ナーバスになって辞めたいと思ったという先ほどの話とは、また違う気持ちですか?
ハルナ はい。つらくて辞めたいと思ったわけではないですね。今の自分はアイドルという職業しか見えていないけど、世の中にはいろんな職業がある。人前に出ることが好きだから、それはアイドルを辞めても続けたいと思っているし、とにかく何事にもチャレンジしてみたいという好奇心です。
──ハルナさんから卒業の話を聞いて、皆さんはどう思われましたか?
スエカ スエカはめっちゃ引き留めていて。「本当に辞めないで」と言っていたんですけど、卒業の理由をしっかり聞いて、それを話すハルナちゃんの顔を見て、最終的には応援することにしました。メンバーではなくなるけど、今後一生会えないわけじゃないから。とにかく1人の友達として応援したいです。今は大きな決断をしたハルナちゃんには心からがんばってほしいなと思います。
ユラ ユラも卒業の話を聞いたときは、スエカちゃんと同じで「辞めないで!」と言っていたけど、ハルナちゃんの人生はユラが判断することじゃないから。前に、ユラがハルナちゃんにお手紙を書いたんです。1周年のタイミングで。
ハルナ うんうん。
ユラ それまでハルナちゃんは「弱音を吐かない」と言っていたんですけど、(目に涙を浮かべて)1回だけボソっと……。
ハルナ えー! 今日はそういう涙の回?
ユラ ハルナちゃんが「リーダーを辞めたい」と言ったことがあって。
ハルナ あー、泣きわめいた日ですかね?(笑)
ユラ (涙を拭きながら)「どうしたの? 話聞くよ」と言ったら「なんでもない、なんでもない」って答えてて。それが印象に残っていたんです。ユラたちのことをいつも優先して考えてくれて、背中も押してくれているけど、ハルナちゃんはつらい思いをこんなに隠していたんだって。ハルナちゃんは自分の弱音を押し殺して、24emotionsのリーダーを務めてくれていた。だから、今まで背中を押してくれた分、倍の倍の倍の恩返しをしたいんです。どうやって恩返しをするのかはわからないけど、ハルナちゃんのこれからの人生を、ハルナちゃんがおばあちゃんになっても、死んじゃうまで……。
ハルナ ははは、けっこう壮大だね。
ユラ それくらい応援したいなって思いました。すごく悲しくて寂しいけど、ユラはハルナちゃんのことを死ぬまで応援したいです。
クルミ 私も卒業の話を聞いたときは、とにかく寂しい気持ちが大きかったです。私はグループに入る前からハルナちゃんと知り合いだったんですけど、私が不安を抱えているときに表でも裏でも支えてくれていて。だからこそ、彼女が卒業という決断をしたことを尊重したいと思えたし、納得できるだけの材料を彼女が日々の活動で見せてくれていた。前のメンバーが脱退したときは「怒りや悲しみでいっぱいです」と口にしたんですけど、ハルナちゃんにはそういった感情がまったくなくて。むしろ、ここまで一緒に活動してくれたありがたさ、感謝、喜びのほうが大きかった。彼女の決意の固さも知っているので、そこは素直に受け止めて全力で応援したいなと思うし、残された時間を最大限に輝かせていきたいなと思います。
サクラ ハルナちゃんが辞める決断をすることは、前からうすうす予想していて。彼女の口から「卒業する」と聞いたときも驚かなかったし、引き留める言葉も私は言いませんでした。ただ……ほかのメンバーとは違って、私はハルナちゃんに対してどこか壁があったんですよ。最近になってそれがなくなったんですけど、同い年だし2人とも「このグループがアイドルを続けるラストチャンスだ」と決めていたんですよね。私はライバルとして意識していた反面、同い年の女の子としては仲よくしたくて。初めてこのグループに入ったときから、一番気が合いそうだなと思っていました。でも、どこか恥ずかしさもあったし、パフォーマンスのことを考えると親しい友達になりすぎてもいけない気がして。
──それで壁を作っていたと。
サクラ いざ「辞める」と聞いたとき、本当に大切な存在だったのに、これまでちゃんと会話をしたことがなかったなと思って。それを本当に後悔していました。ハルナちゃんがリーダーを辞めたいと思っていたときも何かできることがあったかもしれないし、もっと近付けたんだろうなって。最近は1本1本のライブをやっていく中で「こうやって一緒にステージに立てる機会ももうなくなるんだ」と思って……(言葉を詰まらせて涙を流す)。
ハルナ・ユラ・クルミ・スエカ ここで涙!
ハルナ 話している途中から泣く気がしてた!
サクラ ただただ悲しい気持ちが大きくて。だけど、ハルナちゃんが「同じグループではなくなるけど、友達になれるのがうれしい」と言ってくれたこともすごくうれしかったです。私の中でこんなにもハルナちゃんの存在が大きくなっていたんだと感じました。自分の願いとしては、ハルナちゃんはステージで輝く人だから表現することはやめないでほしい。24emotionsで一緒に活動することはできなくなるけど、彼女の活動をずっと応援したいです。同じグループとして活動できたことは、私の誇りです。
──ハルナさんの卒業を受けて、24emotionsの今後について会議をされたそうですね。
クルミ グループの今後について話し合う前に「そもそもグループを続けるのか?」という話から始まりまして。24emotionsを解散して各々がソロの道に進むか、新しいグループを組むのかという話も出ました。解散に対してメンバー全員が反対していたわけでもなく、どの道を選ぶのかすごく迷ったんですけど、24emotionsでしかできないこと、このグループ独自の世界観や音楽を4人になっても届けたいという思いがあって活動を続ける話をしています。そして今後4人で活動していくためにも、今の5人の時間を大切にしようという話になりました。
この“5人の24emotions”を形に残したい
──もともとは7月にリリースを予定していた2ndアルバムですが、サクラさんの活動休止やメンバーの脱退もあり発売延期となりました。そして再びリリースに向けて動き出したタイミングでハルナさんの卒業が決まり、一時は発売中止の話も浮上したそうですね。
クルミ はい。でも、この“5人の24emotions”を形に残したいし、ほかのグループにはない私たち独自のサウンドとパフォーマンスを作り上げようと心がけて日々ステージに立っていて。この5人でしか作れない音楽を届けるためにも、ハルナちゃんがいる今、24emotionsの集大成をテーマに2ndアルバムを出そうと決めました。
──全曲に思い入れがあると思いますが、その中でも特にお気に入りの1曲を教えてください。
クルミ 私は「Brave girls」がお気に入りです。今までいろんな楽曲を歌ってきて、どれも私たちに当てはまる歌詞だなと感じていたんですけど、その中でも「Brave girls」に一番勇気付けられます。しんどい状況に対する「それでもやるんだ」という前向きな歌詞がたくさんちりばめられていて。自分のパートに「NEVER SAY NEVER絶対に叶えたいの」というフレーズがあるんですけど、歌ってるときに「自分が叶えたい夢ってなんだったろう?」と思い返しますし、そのあとにサクラちゃんが歌う「悔しさも抱きしめて未来へ」にも気持ちが入る。「新しくなった24emotionsを見せるぞ」という強い気持ちが込み上げてきます。初めてリハーサルをしたときの初々しい気持ちが湧き上がってくるし、曲中にメンバーの名前も入っているし、これからも自分を奮い立たせる歌だと思います。
スエカ 自分も「Brave girls」がお気に入りです。私がグループに入って最初に披露した楽曲でもあるし、シンプルに曲として好きですね。特に、ハルナちゃんの「涙溢れても輝くためにここにいる」というフレーズを聴くと、ライブ中でも泣きそうになるんですよ。というか、その前後の歌詞が全部ヤバくて! 自分のことを奮い立たせられるし、しっかりと自分の軸を持ってステージに立てているような感覚になれて大好きです。
サクラ 私の一番のお気に入りは「Shiny」です。「ここが私たちの今輝くところなんだ」というフレーズに、どん底だった自分に光を当ててもらえた感覚になったんです。あとから「『Shiny』という曲名なんだよ」とプロデューサーの(鮫島)巧さんがおっしゃったときに「それ、いいじゃん!」って。
一同 ハハハハ。
サクラ いや、本当にそう思って! ライブでは明るく踊ってみんなでノリノリなパフォーマンスをするんですけど、私の中ではまるでバラードを歌っているみたいにエモい気持ちになるんです。暗闇の中に光をくれるような曲なので、私にとってはすごく大事な曲です。
ユラ ユラも「Shiny」が一番好きです。「いつも気づけば落ち込んでなかなか高まらない自尊心」というフレーズが、ほかのメンバーもそうだろうし、ユラ自身にも当てはまるなと思って。「あきらめたくないからここにいるんだよな」と思える歌詞で、「Shiny」を歌っているときはメンバー1人ひとりがキラキラしてる感じがします。
ハルナ 私も「Shiny」が大好きなんですけど、2人が話してくれたので「24summer」について話しますね。この曲を聴くと、今年の夏を思い出すんですよね。「全部夏のせいにしちゃえ」という歌詞があるんですけど、悲しかったこともつらかったことも「全部夏のせいにしちゃおう」と実際に思っていました。この曲を聴いてくださる方たちも、それぞれの夏を思い出してもらえると思います。あと「Shiny」のことで付け足したいんですけど、最後にハルナが「今が私の生きる意味だ」というパートを担当していて。いつも「本当にそうだな」と思いながら歌っています。自分の生きる意味ってなんだろうって、「Shiny」を聴いているとすごく考えさせられるし、何かに悩んでいる人はこの曲を聴いてくれたら「よし、がんばろう!」とパワーをもらえると思います。
よりストイックな戦闘モードへ
──5人体制で過ごせるのは、12月30日に横浜みなとみらいブロンテで開催されるハルナさんの卒業ライブまであとわずかとなりました。それまでどのような日々を送っていきたいですか?
ハルナ 5人で活動できる時間を大切にしつつ、ライブに来てくださるファンの方に感謝の気持ちを込めながらパフォーマンスをしていくつもりです。あとは、自分がグループに貢献できることを全力でやって、24emotionsの知名度を伸ばすための活動も続けるし、精一杯がんばりたいです。
──現在はクルミさんがリーダーを引き継がれたそうですね。
クルミ はい。正直に言うと、ハルナちゃんのようにリーダーが務まるのかどうか不安ですし、24emotionsのメンバーはみんなすごく個性が強いので、グループをどうまとめるのかは模索しながら考えないといけない。まだリーダーになった実感が湧かないですけど、ハルナちゃんの背中を追いかけつつ、自分らしい新しいリーダー像を作っていきたいと思います。最初は迷惑をかけると思いますが、みんなに頼りつつ頼ってもらえるようなリーダーを目指したいです。
──来年からは4人の新体制になりますが、そこに向けての課題はありますか?
サクラ ハルナちゃんはハルナちゃんの道を生きるんだから、私たちも私たちの道を生きなきゃいけない。「ハルナちゃんが抜けてパワーダウンしたね」と思われるのはすごく悔しいので、これまで以上に歌もダンスもレベルを高めていかないといけない。大きいステージに立つことや、もっと売れることを目標としているので、そこもシビアに考えないといけなくて。来年は結成して2年になるし、一刻も早く結果を出したいです。そのために楽曲もビジュアルも、すべてをレベルアップさせたい。本当にあとがないですし、売れる以外に何も考えなくなったので、よりストイックな戦闘モードで挑みたいと思います。
──では、最後に締めのひと言をお願いします。
クルミ 私たちの楽曲「Join The Joy」の歌詞にある、「目まぐるしく変わる景色 どこまでも続く 上げて落ちる 人生ジェットコースター」というフレーズが本当に私たちに当てはまっていて。目まぐるしいスピードで活動をする中で、みんなと家族以上の時間を過ごしてきて……(涙を流しながら)こんなに人生で大切な存在に出会えたことが幸せだし、奇跡だし、改めて24emotionsは最高のグループだなと思いました。
公演情報
アメイズド・ハルナ卒業公演 24emotions -Amazed Graduation Party-
2024年12月30日(月)横浜みなとみらいブロンテ
[第1部]OPEN 13:00 / START 14:00
[第2部]OPEN 18:00 / START 19:00
※12月31日に行われるアメイズド・ハルナ卒業式チケットが付属する「AMAZED VIPチケット」も発売中。
プロフィール
24emotions(トゥエンティーフォーエモーションズ)
一流アーティストのプロデュースからマネジメントまでを手がけてきた鮫島巧がプロデュースする5人組ガールズアイドルグループ。2023年3月にステージデビューし、6月に1stアルバム「Time 2 Shine 4 Us」を配信リリースした。8月に東京・WWW Xで初のワンマンライブ、2024年8月に東京・harevutaiで2ndワンマンライブを開催。11月に2ndアルバム「24/7」を配信リリースした。