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コレサワ「元彼女のみなさまへ」ジャケ写

コレサワ 元彼女のみなさまへ

Z世代の心をつかむコレサワ流の“感謝”ラブソング

文 / 酒匂里奈

今や楽曲のヒットを意識するうえで避けては通れないものとなっているTikTok。キャッチーなメロディを詰め込んだり、キュートなコレオグラフを考案したりと、“TikTokバズ”を狙って楽曲を制作するアーティストも少なくはないだろう。そんな中で最近のTikTokをにぎわせている楽曲が、9月4日に配信リリースされた「元彼女のみなさまへ」だ。Billboard JAPANが集計する、TikTokにおける楽曲の人気を測る「TikTok Weekly Top 20」では、9月25日、10月2日公開のチャートで2週続けて首位を飾った。

この曲はなぜTikTokでバズったのか。それはダンスや弾き語りとの親和性もさることながら、いわゆるZ世代の心をつかむ魅力があることが挙げられる。コレサワが作る楽曲には難解な言葉や複雑な表現は登場しない。深く考えずとも、瞬間的にまっすぐ胸に届くような歌詞やメロディで構成されているのだ。

こと恋愛の歌になると、じめっとした湿度の高い曲が最近は増えているが、そういった“多湿さ”に対して食傷気味のZ世代も多いように見受けられる。一方で「元彼女のみなさまへ」が放つメッセージはカラッと明るい。「だから全てに感謝していたいの あの子にも あいつにも」という歌詞から感じ取れる、コレサワのポジティビティ。アレンジャー石崎光の手によるカントリー調の軽快なサウンドも、明るい質感を助長させるのに一役買っている。

こういった光が差すようなメロディや歌詞から、この曲で描かれているのは元彼女への湾曲的なマウントではなく、文字通りの感謝なのだと感じ取ることができる。余談だが、最近筆者が視聴したドラマに、亡くなってしまった元彼女の幻影が拭えない“今カノ”が登場した。紆余曲折ありカップルは破局してしまったが、その“今カノ”にこの曲を聴いてほしい。元彼氏も元彼女も、現彼氏も現彼女も「幸せに過ごしてください」。

コレサワ「元彼女のみなさまへ」ミュージックビデオ

コレサワ「元彼女のみなさまへ」
2024年9月4日(水)配信開始 / 日本コロムビア
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作詞・作曲:コレサワ

コレサワ(コレサワ)

コレサワ

大阪府出身のシンガーソングライター。中毒性のある声、ポップなメロディ、日常の風景を独自の視点で切り取った歌詞で話題を集める。メディアには顔出しをせず、「れ子ちゃん」と言われるクマのキャラクターがビジュアルを担当する。2017年に1stアルバム「コレカラー」でメジャーデビュー。近年は楽曲提供でもその才能を発揮し、2024年1月に超ときめき♡宣伝部に書き下ろした「最上級にかわいいの!」はTikTokを中心に大きく注目された。9月に配信リリースされた自身の楽曲「元彼女のみなさまへ」もまた、TikTokでのバズをきっかけにヒットを記録している。11月から行われるツアー「コレサワ ワンマンショー 2024 コレシアター05」のチケットが完売したため、12月19日に東京・人見記念講堂でツアーの追加公演を実施する。