「どすこい!すけひら」の宮脇亮が監督を務めた「ヤウンペを探せ!」が11月20日に公開。池内博之、宮川大輔、松尾諭、池田鉄洋が共演した本作は、かつて映画制作に青春を燃やしていた映画研究会メンバー4人が、自主映画のヒロインだったミサトの「今一番欲しいもの」だという“ヤウンペ”探しに奮闘するコメディ。しかし“ヤウンペ”の正体にまったく心当たりのない4人は、各々見当違いの迷走を始めてしまう。
本作の公開を記念し、映画ナタリーでは宮川、松尾、池田の鼎談を実施。アップテンポな笑いに満ちた本作の感想や、現場でのお互いの様子が和気あいあいと語られたほか、もう1人の映研メンバーを演じた池内の珍エピソードが多数飛び出した。
取材・文 / 佐藤希 撮影 / 入江達也
「自分のシーンが観られないベスト3」に入る作品(松尾)
──キャストの皆さんは本作をご覧になっていかがでしたか?
松尾諭 面白かったです。でも、自分が出てるシーンは「キャー!」ってなっちゃうから、観られないですね……。「自分のシーンが観られないベスト3」に入る作品です。
宮川大輔 松尾ファンからしたらこれは貴重ですよ!
池田鉄洋 (笑)
松尾 みんなで撮ったシーンは自分もいるからわかりますけど、各々1人のシーンは初めて観たので、みんなの個性が出ていて面白かったですね。あと、できあがりを観て「ちゃんとメッセージ性があるんだ」と感じました。
宮川 うん、僕も脚本読んだとき「なんやねんこれ!」と思ったもん。
松尾 ちょっと!(笑)
宮川 テレビでの俺やん!っていうシーンもあったし。いろんなことを思いながら現場に行って、池鉄(池田)さんと松尾さんに話したら「そんなんもう関係ないんじゃないですか?」と言われて、僕は楽になりましたね。もう「やったろう!」って。
松尾 うん、だって僕も「細かく考えたらいかん!」と思いましたもん。
一同 (笑)
こんな役者見たことない(宮川)
──映研メンバーを演じられた皆さんは同世代の方ばかりなので、現場はかなり和気あいあいとしていたのかなと思いましたが、実際はいかがでしたか?
松尾 現場はとても楽しかったですね!
池田 そうだね。
宮川 待ち時間がまったく苦じゃなかったです。みんながそれぞれ面白い人たちですし、見てると笑っちゃうんですよ。松尾くんなんて、本番ギリギリなのにカレーラーメン作り始めて、一番おいしいときに本番で呼ばれちゃって。隅っこでズルズルー!って食べて、真剣なシーンを撮ってOKが出たら、すぐ戻ってまたズルズルー!って。こんな役者見たことないもん。
松尾 違うんですよ、それは! 花粉がすごかったんです。
──花粉?
松尾 ロケ地の花粉がすごかったから、もうすっごく鼻がむずむずしちゃって。だから温かいものを食べて鼻の通りをよくしようと思ったんですよ。僕はプロとしてカレーラーメンを食べたんです。
宮川 (食い気味に)嘘つけ! お茶とかでええやん、そんなん。
松尾 いや、固形物をズルズルー!と流し込んだほうがいいと思ったんですよ。
宮川 嘘やん(笑)。こんなこともいちいち面白かったです。こういうことがいっぱいあったし、池鉄さんも面白かったですよね。
池田 いいよ、そんなこと言わなくて!(笑)
松尾 池鉄さんがいるシーンは毎回雨になるんですよ!
──確かに、池田さん演じるタロウが暮らしているテントでのシーンはずっと雨でしたよね。
池田 テントを張っていたところが、ダイヤモンド富士が見られる場所だったみたいなんですよ。晴れたらすっごくきれいらしいんですけど、1回も見てないです。
松尾 雨か花粉しか降ってなかったよね。
池田 花粉は関係ないよ! 自分が雨男だっていう自覚はあったんですけど、こんなに雨降る?ってぐらい降りましたね。この映画で沖縄国際映画祭に行ったときも、ものすごい雨だったし。
松尾 そうだった!(笑)
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「嘘でしょ、めっちゃピュア!」(宮川)