タイの俳優・アーティスト、Krist Perawat(ピーラワット・シェーンポーティラット)のアジアツアー日本公演「Krist Solo Concert Asia Tour 2023 in JAPAN」が、神奈川と大阪で先頃行われた。TELASAでは、その神奈川・夜公演の模様が独占配信中。7月14日からはKristのインタビュー映像が配信される。
映画ナタリーでは、日本公演のため来日したKristにインタビュー。「夢にも思っていなかった」というコンサートの開催が決まったときの心境や、神奈川公演での思い出深い場面、さらに「SOTUS」シリーズをはじめとする出演作の魅力を語ってもらった。
取材・文 / 羽田健治通訳 / Sijutha Navawongse文 / 秋葉萌実(作品紹介)
撮影 / 梁瀬玉実コンサート写真撮影 / Kyoka UEMIZOヘアメイク / 大森裕行(VANITES)
夢にも思っていなかった
──日本でコンサートが開催されると決まったときの心境から聞かせてもらえますか?
話を聞いた瞬間は本当に信じられなかったです。そもそもタイでソロコンサートができるだけでもうれしいのに、まさか日本でもできて、しかもアジアツアーを日本から始められるなんてとてもうれしかったですね! 日本(の神奈川と大阪)で4回の公演を行えることも、夢にも思っていなかった。いい機会をいただいたので、一生懸命やろうと思いました。
──これまでも日本でファンミーティングは行っていますが、コンサートは気持ちが違いましたか?
ファンミーティングとコンサートでは全然違いますね。まずファンミーティングは、僕もファンの皆さんもお互いに会いに来るという感じ。リラックスして、フレンドリーにおしゃべりやゲームなどを楽しむのですが、コンサートは僕のいろいろな才能を見ていただける機会になります。僕は、アーティスト(俳優)だけではなく、歌やドラマ、楽器演奏などもできるので、ファンの皆さんにもっと僕のことを知ってもらえると思います。
──だからコンサートは、Kristさんのドラムソロからスタートしたんですね。
その通りです。ファンの方は、僕がドラムをたたけるのを知っていると思います。でも、なかなか見せる場がなかったので、今回のライブでお見せできてとてもよかったですし、うれしかったです。
──日本の公演にあたって、特に楽しみにしていたことはありますか?
和太鼓です! 和太鼓はタイにもあって、たたいたことがありますし、幼い頃にゲームセンターで太鼓のゲームをやっていました(笑)。でも、ステージで実際のパフォーマンスとして皆さんの前でたたくのは今回が初めてです。今回のコンサートでは、ゲームのようにステージ上でたたいてみました。
──ドラム、和太鼓、そしてギターとたくさんの楽器を演奏していましたね。練習は大変だったのではないでしょうか?
本当にたくさんの練習をしてきました。和太鼓は、バンドのみんなも一緒にたたくパフォーマンスがあったので、1人での練習だけでなく、みんなとの練習もあったんです。しかも、太鼓の種類もたくさんありましたし。あと、ドラムも最近はあまりたたいていなかったので、今回のショーのために練習しました。
ファンの皆さんが歌ってくれて、胸がいっぱいになった
──日本のコンサートで、特に思い出深い場面はどこですか?
一番印象に残っているのは、(神奈川公演の)1週間前くらいにリリースした新曲「CALL ME」ですね。「一緒に歌いましょう」と伝えると、本当にファンの皆さんが歌ってくださったんですよ! 実は、リリースから時間が経ってないので、まだ歌えないんじゃないかと思っていたんです(笑)。だから、本当に感動して胸がいっぱいになりました。
──昨年のファンミーティングは、新型コロナウイルス感染症対策でファンの皆さんが声を出せませんでしたよね。
ファンミーティングのときは、実はいろいろ準備していたんですけれども、残念ながらコロナ禍で制限がたくさんあったので、ファンの皆さんとは少し距離があった気がしました。僕自身、準備してきたものも思い切って出せなかったんです。今回のソロコンサートは、僕が何をやっても反応がすごくよかったですし、ファンと一緒にやり取りができた。僕が質問してもちゃんと答えてくれるし、楽しんでくれている雰囲気を感じました。
──何度もステージから降りて、ファンの皆さんとハイタッチをしたりと、とても距離が近かったですね。
日本の皆さんにも、タイと同じように感じてほしくて。僕がタイでコンサートを行うときは、ファンの皆さんが集まっている真ん中に立って、一緒に写真を撮ったり、触れ合ったりしているんです。今回の日本の公演でも、同じことをやりたいと思っていました。
──コンサートでは質問コーナーがありました。そこで、「楽曲制作を依頼したい日本人アーティストは?」という問いに、「X JAPAN」と答えていましたね。彼らのどんなところに惹かれますか?
僕がまだ幼い頃、X JAPANがタイでもブームになったんです。X JAPANの皆さんは伝説的な存在だし、特にYOSHIKIさんは、僕にとってアイドルの1人。僕も彼のように、いろんな楽器ができるアーティストになりたい。僕だけじゃなくて、いろんなアーティストのアイドル的存在ではないかなと思います。本当にもう偉大な方々です。たくさんのインスピレーションも受けました。僕はロック音楽が好きなので、X JAPANさんとコラボできたらなあと思っています。
──Kristさんは、「キーボードも弾けるようになりたい」とおっしゃっていました。確かにYOSHIKIさんはピアノもドラムもできる方です。キーボードを習得することで、彼に一歩近付きそうですね。
まだまだ遠い存在です(笑)。ドラムとギターは得意ですが、キーボードはまだ練習中です。
──コンサート中に、何度も「ただの音楽が好きな俳優だった自分が、今、日本でコンサートをしているのが信じられない」とおっしゃっていました。今後歌手としては、どのように活動を続けていきたいですか?
自信を持って「歌手」と言うのはちょっと照れるというか、まだ言い切れないというか。ただ、僕は楽器を演奏するのがとても好きなので、歌手というよりも、楽器もできるアーティストになれたらと思います。また、新しい曲をファンの皆さんのためにいろいろ作っていきたいです。
──ちなみに、「アメリカでもコンサートがしたい」とも話していましたね。
まだ具体的な予定があるわけではなくて、本当に憧れです。以前、ジャスティン・ビーバーさんが路上ライブをやっていたんですが、それに憧れていて。僕もアコースティックギター1本で路上ライブをやるのが夢の1つで、いつかやってみたいなと思っています。でも、まだ予定は全然ないです(笑)。
まだまだ長い道なので、いろんな役に挑戦したい
──TELASAでは、神奈川の公演が配信されます。残念ながらコンサートに来れなかった方も観られるチャンスですね。
さまざまな事情があって来られない方々がいたのを、理解しています。そんな皆さん、配信があるので悲しまないでください。配信を観られた方は、SNSでコメントしてもらえるとうれしいです。ぜひ感想を聞かせてください。コンサートに来られなくても、興味を持って配信を観ていただけるだけで本当に光栄です。
──コンサートに参加した方も、配信を何度も観直して楽しめるいい機会になりそうです。次は俳優としてのお話を伺わせてください。Kristさんはこれまでにさまざまなジャンルの作品に出てきました。今後挑戦してみたいジャンルはありますか?
いろんな役を演じてきましたが、確かに役柄がかぶっていないことが多いですね。これからやってみたいのはアクションやSFもの。アクションだと、スパイや警察官など、銃を使った本格的なアクションシーンに挑戦してみたいです。アーティストのKristと俳優のKristはまったく違います。アーティストの僕は、自分のそのままをみんなに見せるのですが、俳優の僕は“誰か”を演じ切る必要がある。その気持ちを抱きながら、俳優業に取り組んでいるので、いつも新鮮な気持ちを感じています。これからもまだまだ長い道なので、いろんな役に挑戦したいと思っています。
──TELASAでは、Kristさんの出演作がいくつも配信されています。その中で、いくつかの作品の見どころを聞かせていただけますか。まず「Love Beyond Frontier」はどのような作品でしょうか。
このドラマは、僕が幼い頃にタイで人気だったドラマのリメイク作です。GOLF&MIKEさんが出演していました。ドラマの見どころは、離ればなれになった親子、三角関係……さまざまなストーリーが、旅をしながら展開されていく点です。ほかのドラマにはない内容なので、ぜひ観てほしいです。
──「Who Are You」はどんなドラマですか?
このドラマもリメイクもので、もともとは韓国の有名な作品です。学園ドラマで、いじめや友達間の問題など、さまざまな展開が描かれています。観ていると気持ちが入り込みすぎてしまうくらいに、いい作品だと思います。
──「I'm Tee, Me Too/アイム・ティー、ミー・トゥー」はいかがでしょうか?
ロマンティックコメディですね。名前に“Tee”が入る6人が同じ屋根の下で暮らすっていう、その設定を聞くだけでも面白くありませんか?(笑) 本当に面白いので観てください。
──ちなみにKristさんは、ご自身が出演された過去の作品を観直すことはありますか?
ファンの皆さんが過去の作品を観てくださって、SNSに感想を投稿してくれるのを見ることはありましたが、今日この話をしたので、僕も出演作をもう一回観ないといけないなと思っています(笑)。
──では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
まずは、感謝の気持ちでいっぱいです。日本のファンの皆さんは、なかなか会える機会がないのにずっと僕を応援してくれている。もう10年くらいファンでいてくださる方もいらっしゃると思います。まず僕のことを知ってもらうきっかけになった作品は、「SOTUS/ソータス」シリーズだと思います。この作品をきっかけに、僕は日本での知名度が高くなりました。このシリーズを観てファンになってくださった方に本当に感謝しています。今年は「Be My Favorite」と「The Jungle」という2つの新作ドラマがあります。「Be My Favorite」は、僕にとっては7、8年ぶりのYシリーズ(BLドラマシリーズ)になるので緊張しましたが、がんばりましたので、皆さん楽しみにしていてください。「The Jungle」は若者の恋愛ストーリーです。これもとても面白いドラマになっていますので観てください。改めて、日本のファンの皆さんには心から感謝しています。俳優だけではなく、アーティストとしてもこれからたくさん新しい音楽を出しますので、それも楽しみにしていただきながら応援よろしくお願いします。
プロフィール
Krist Perawat(ピーラワット・シェーンポーティラット)
1995年10月18日生まれ、タイ・バンコク出身。主演を務めたドラマ「SOTUS:The Series」をきっかけにタイ国内外で大きな注目を集め、以降「Our Skyy」「Love Beyond Frontier」「Who Are You」「I'm Tee, Me Too/アイム・ティー、ミー・トゥー」など多くの作品に出演してきた。俳優としての活動に加えて、ミュージシャンとしても活躍。2023年4月には新曲「CALL ME」をリリースした。
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「SOTUS S The Series」【見放題配信中】
KristとSingtoが主演を務めたドラマ「SOTUS:The Series」の続編。前作から2年後、大学3年生になったコングポップは新入生を指導する制度“SOTUS”のリーダーになり、大学を卒業した恋人・アーティットは社会人として働いていた。人生の岐路に立った2人が変化していく環境の中で、未来を選択するさまがつづられる。
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「Love Beyond Frontier」【見放題配信中】
KristがNamtan、New、Janeと共演した青春ドラマ。生き別れの母を探すため香港からタイを訪れたワンは、空港でウィンとプルにぶつかり、カバンを取り違えてしまう。その後、ワンは唯一の手がかりを頼りに母が住んでいたはずの家に行くが、そこに母はおらず、パットという女性が暮らしていた。途方に暮れるワンは、パットの協力によってウィンとプルに再会。4人はルームシェアを始めて互いに支え合うが、次第にそれぞれの思いが交差し、恋心が芽生えていく。
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「Who Are You」【見放題配信中】
韓国ドラマ「恋するジェネレーション」をもとにした青春ミステリー。いじめを受けて人生に絶望し、自殺を図った主人公・マインドは、目を覚ますと自分と瓜二つの顔を持つミーンになっていた。そして失った記憶とともに、徐々にある真実が明らかになっていく……。Kristは心優しい幼なじみ役で出演。同作は優れた映像コンテンツを表彰するアジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード2020のベストドラマシリーズにノミネートされた。
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「I'm Tee, Me Too/アイム・ティー、ミー・トゥー」【見放題配信中】
ワケあり男子6人の共同生活を描くハートフルコメディ。母を亡くした大学生のワーティーは、思い出が詰まった家を守るため「Tee(ティー)という愛称の男性のみ応募可」という条件で居住者を募集する。そして入居したのは性格が異なる5人の“Tee”で、それぞれが恐怖症を抱えていた。タイを代表する俳優ペア4組の中からKristとSingto、「Theory of Love/セオリー・オブ・ラブ」のOffとGun、「Dark Blue Kiss ~僕のキスは君だけに~」のTayとNewがメインキャストを務めた。
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TELASA(テラサ)
TELASA(テラサ)は、テレビ朝日の人気番組をはじめとする、ドラマ、バラエティ、アニメ、特撮、スポーツ番組に加え、国内外の映画、ドキュメンタリーなど、新作やオリジナルを含む、豊富なラインナップを視聴できる動画配信サービス。スマホやPCはもちろん、テレビの大画面でも視聴可能。月額料金は税込618円~。なお初回登録時、30日間無料でおためし視聴できるキャンペーンをナタリー限定で現在実施中。