大友花恋、豊田裕大、本田響矢が出演したドラマ「正しい恋の始めかた」が1月1日にテレビ朝日系でオンエア(※一部地域を除く)され、動画配信サービス・TELASA(テラサ)では「ほろあま?ほろにが?デート編」が12月31日より配信されている。ナムスのマンガを原作とした本シリーズは、完璧主義だけど恋愛偏差値は低い主人公・尾崎真心と、ポーカーフェイスでぶっきらぼうな先輩・清水瑛太、王子様のように優しい先輩・桜井優馬が織りなすトライアングルキャンパスラブストーリーだ。
映画ナタリーでは本シリーズの放送・配信を記念して、真心役の大友、瑛太役の豊田、優馬役の本田にインタビューを実施。ドラマの魅力や撮影現場のエピソード、理想のデートプランについて語ってもらった。
取材・文 / 前田かおり撮影 / 清水純一
どこまでキュンというニュアンスを乗せていくか(大友)
──「正しい恋の始めかた」の原作は韓国の縦スクロール電子コミックWebtoon(ウェブトゥーン)で掲載され、日本国内でも大変な話題を集めています。皆さん原作をご覧になっているそうですが、どんな印象を受けて、それを撮影にどう生かしたのか教えてください。
大友花恋 原作を読む前に簡単にあらすじを伺っていたので、キュンキュンする話なんだろうなと思いながら読み始めたんです。でも、実際に読み進めてみるとキュンだけではなくて、サークルに対する思いや大学生活、先輩後輩の関係などそれぞれの人間模様が丁寧に描かれていて、とても素敵だなと思いました。ドラマでも、そんな原作の魅力をお見せすることができたらいいなと思いながら、撮影に臨んでいました。
豊田裕大 心理的な描写がしっかりと繊細に描かれていました。読んでいて満足感がとても高いものだったので、それを僕たちが忠実に演じながらも、日本のドラマだから僕たちの味を出せたらいいなと思って撮影に挑みました。
本田響矢 韓国ならではの絵のタッチやストーリーの進み方がとても好みでした。男の僕でも、瑛太と優馬の言動にキュンキュンさせられますね。今回のドラマは地上波版とTELASA版があって、それぞれ1時間で時系列も同じだし、物語の進むスピード感が限られています。だから、できる限りキャラクターの個性や瑛太との関係性をわかってもらうためには、瑛太と一番最初に絡むシーンを大事にしないといけないなと思って撮影に臨みました。
──大友さんは真心、豊田さんは瑛太、本田さんは優馬をどういうキャラクターと捉えて演じましたか?
大友 真心は、恋愛の始め方がわからない女の子で。瑛太と優馬それぞれに対する思いもあるし、そこにどこまでキュンというニュアンスを乗せていくか。そのキュンは尊敬のキュンなのか、恋愛のキュンなのか。その都度、監督と相談しながら真心を作っていきました。今ここでときめいたら、もう恋が始まってしまうかもしれないとか。でも、このタイミングで2人に対してこういう思いがないと、このあとのシーンに続かないなとか。絶妙な感情のバランスが難しかったです。監督がたくさん話を聞いてくださったので、少しでも近づけていたらうれしいです。
豊田 瑛太は、一見クールなんですが、実は感情表現が不器用なキャラクターなんです。そんな瑛太が真心と触れ合っていく中で、彼女に感化されて感情がどんどん出てくるようになっていく。個人的にラブコメが初めてだったので、どうやって恋に落ちるのかものすごく悩みました。特に告白のシーンは注目して観ていただけるとうれしいです。
大友 豊田さんはモデルもされてるし、普段からクールな方なのに、告白のシーンになると「恥ずかしい」と言って、人のいないところに走って行ってしまうんです(笑)。そのギャップには驚きました。
豊田 “むずがゆい”って言葉があるじゃないですか。まさにあれで(笑)。それに引き換え、2人はさらっとこなしている印象でしたね。
本田 いやいや、そんなことないよ(笑)。優馬は基本スマートなので、そのまんま演じていた感じです。それに恋に落ちるところに関しては、優馬は冒頭の3分から5分で恋に落ちていた。ただ、真心に関して、彼女がまっすぐ生きている姿を見て優馬はキュンとする。彼女を落としにいこうとか考えてないんです。でも結果、落としにいってるから、なんか“無意識あざと男子”みたいな(笑)。
大友 “無意識あざと男子”って何?(笑) 確かに優馬先輩は、明確に近づいたり触れたりする訳ではないんですよね。話し方で真心を魅了していた印象があります。「お疲れ様」とか「ありがとう」とか、「~なんだよ」という言い方が優馬先輩そのもので。その落ち着きというか余裕のある雰囲気に真心は惹かれていくんだとお芝居をしながら思っていました。
豊田 それに本田くんは目から星粒飛ばすんですよ。
大友 そうそう、あの星粒がすごいんです(笑)。
──目から星粒を飛ばすんですか?
本田 いつも相手の目を見て、ニコッとすれば出ます。コツはなるべく瞬きしないで。そうしたら星粒が出ます!
「ありがとう」「ごめんね」という優しい言葉をプレゼントしてくださる方(大友)
──撮影している中で楽しかった思い出はありますか?
大友 3人でごはんを食べに行くシーンがあるのですが、その撮影中、待っている間にみんなでたくさん話ができたので、とても楽しかったです。
豊田 そうだね。みんな同じ歳なので、気を使わないで、取りとめのない話ができましたね。
大友 好きな食べ物の話とか、よく聴く音楽の話とか。同世代なので通ってきたものや見てきたものが同じで。
本田 そうだね。
大友 「そのキャラクター、小さい頃見てたー!」という話で盛り上がりました。
豊田 それと、大友さんが待ち時間になぞなぞを出してくれて。現場では大友さんが会話の中心になって、みんなを引っ張ってくれた感じですよね。
大友 同世代の作品に参加させていただくことはありましたが、ここまで同い歳がそろうことはあまりなくて。とても心強かったです。
──皆さん本当に仲がいいという雰囲気が伝わってきます。登場するキャラクターと似ているなと思う方はいらっしゃいますか?
大友 本田さんは本当に優馬先輩に近いと思います。優馬先輩は周りのことをよく見ているからこそ、自分の正直な気持ちを言わなかったり、悩んでいる姿を人に見せなかったりするんです。本田さん自身も撮影中に、私のちょっとした変化に気が付いて声をかけてくださって。周りのことをよく見ていて、気遣ってくださるような方なので「優馬先輩だ……」と感動しました。豊田さんも瑛太先輩そのものです。瑛太先輩はクールに見えるけれど、心の中はいつも動いていて、かわいらしい部分もたくさんある人だと思うんです。豊田さんに初めてお会いしたときは、全身真っ黒な格好で、静かに前だけを見ていて。無口な方なのかな……と思っていたら、実際はとても気さくで、「ありがとう」「ごめんね」という優しい言葉をプレゼントしてくださる方だったので、ギャップも感じました。瑛太そのままだなと思いましたね。
豊田 大友さんも真心そのものですよ。初日から「私、朝早いのは得意だけど、夜は10時ぐらいに寝ちゃうんだよね」って。なんか真心っぽいなと思いました。メモ帳を黒くすることが好きだって話していて、「何書くの?」と尋ねたら、終わったことも書いちゃうって言うんです。予定を書くんじゃなくて、スケジュール帳に事後報告する。そういうところが真心だなって思いました。
本田 本当にこの2人、お芝居していないときもこのまんまなんですよ。言い合いしてるんです。それを僕は温かい目で見ていました(笑)。
大友 確かに。待っている間もくだらないことで言い合いしてたよね(笑)。性格もですが、見た目も原作を忠実に再現されていて。真心で言うと、髪の毛の動きがマンガと同じで、いつも内側にくるんと巻いています。毛先が頬に少し重なる感じもしっかり計算されていました。
本田 僕はタートルネックを着ることが多かったですね。僕自身もタートルネック好きなので、衣装を着ていて楽しかったです。
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ニコニコして目を見て話してくれる人、好きです!(本田)