映画ナタリー Power Push - 「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」

先輩からのアドバイスは「自分が世界で一番カッコいいと思え」

──それぞれの役が決まってから、準備したことはありますか?

左から岸洋佑、岐洲匠、山崎大輝。

岐洲 僕は子供の頃から、戦隊ヒーローや仮面ライダーが大好きだったんです。高校生までずっと観ていたので、決まる前から心の準備はしていました。

大久保 おおー。

榊原 すごいね。

岐洲 決まってからは……過去の戦隊ヒーローや仮面ライダー作品を改めて観直しましたね。

──演じるうえで、特に意識した歴代ヒーローはいます?

岐洲 「仮面ライダーフォーゼ」の如月弦太朗には「宇宙キター!」っていう決めセリフがあって、僕の「よっしゃラッキー!」と似てるんじゃないかなと思って。使うタイミングとか、万能な感じが。だから特に「フォーゼ」をよく観て、福士蒼汰さんが演じる弦太朗を参考にしました。

岸洋佑

 僕は、まずスティンガーになるために低い声の練習をしました。あと「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイブルー役の山田裕貴くんと、「フォーゼ」の仮面ライダーメテオ役の吉沢亮くん。この2人の演技をすごく研究してます。それは撮影が始まった今も続けてますね。

──先日、Twitterに吉沢さんとのツーショットをアップされていましたよね。

 そうなんです、亮とは高校の同級生で、すっごく仲いいんです! そのときにアドバイスももらったんですよ、「自分が世界で一番カッコいいと思ってたほうがいいよ」って。サラッと言うので、本当にカッコいいなと思いましたね。まだ僕は、自分が一番カッコいいと完璧には思えてないんですけど……努力してます!

山崎 僕はいざ自分がヒーローになるっていうと、足りてない部分が多いなと感じたんです。自分がヒーローにふさわしい人間にならないとなと思って、まず日々の生活から意識を変えていこうとしましたね。いろいろなものを今までより優しい目で見るようにしようとか。……もともと優しい目で見てなかったわけじゃないんですけど(笑)。

左から大久保桜子、榊原徹士。

大久保 私自身はあんまり明るくない子だったんですが、ハミィを演じるときは明るいJKを意識してます。そのために、明るくておっちょこちょいな役をよく演じている女優さんや、その方の作品を観ました。例えば綾瀬はるかさんのドラマ「ホタルノヒカリ」や「ハッピーフライト」とか。ああいう、コミカルな感じの女の子がハミィのイメージなんです。

榊原 僕は、みんなと出会うまではすごく体を鍛えていたんです。でもみんながあまりにも細かったので、見た目のバランスを取るために筋トレの仕方を調整しました。あとは、スパーダはイタリア語を使うキャラなので、基本的にいつでも携帯で単語を調べられるようにしています。Safariを開いた瞬間にはいつもイタリア語のページが出てくるようになってる。どこかで使えるかな?っていう単語は台本にも書いておくんです。テストのときに小さい声で言ってみて、それが使ってもらえることもあります。

僕らは常に万全の態勢でいなければと、スタッフの姿勢から学んだ

──「キュウレンジャー」がデビュー作となる岐洲さんと大久保さんのほか、シンガーソングライターの岸さん、主に舞台やミュージカルに出演されていた山崎さん、新選組リアンのメンバーだった榊原さんと、皆さんこれまでの活動はさまざまですよね。特撮の現場に入って一番驚いたことはなんですか?

岐洲 初めてのことばかりでしたね。仮面ライダーと戦隊の現場では、戦隊のほうが撮影がハードだっていうのは聞いていたんです。でもそれを身をもって体験すると……こんなにすごいんだ、と。

一同 あははは。

岐洲 貴重な経験だな、と思っています。

──ハードだというのは、監督の指導が厳しいということですか?

岐洲 カメラマンの方が……。

一同 (爆笑)

岐洲匠

岐洲 今でこそ、ラッキーは画面いっぱいに動こうと思って演技しているんですけど、初めの頃は緊張しすぎて1歩も動けなくて。ガッツポーズの手も伸ばしたあとにすぐ引っ込めてしまっていたので、厳しくも、多くのことを教えていただきました。今観ると最初のほうは撮り直したい気持ちもあるんですけど、それも含めて勉強になりました。

 僕はシンガーソングライターとしてずっと活動してきたので、今回が初めてのお芝居だったんです。まず、1つのシーンをいろんな角度から撮るってことを知らなかったので、素直に驚きました。あとは、音楽の場合はまず自分で0から1を作って、1から100にしていく作業なんですけど、ドラマの場合はまず監督たちが1を作ってくれている。僕らは決まっているセリフに対してアプローチを考えてきて、監督とディスカッションしながら完成させていくっていう作業なんです。それがすごく刺激的でした。これまでは歌手活動の中でも、誰かが作った曲のカバーはやりたくないと考えていたんですけど、そういうのも楽しいんじゃないか?と思えるような心の変化につながりました。

榊原徹士

榊原 僕が一番びっくりしたのは、岐洲っちが言ったようにスタッフさんが厳しいっていうことですね。ディスカッションの中で怒る人もいるし、「なんだよ!」って大声を出す人もいるんですけど、みんなそれだけ戦隊が好きなんだな、本気なんだなってことをひしひしと感じましたね。

 うんうん。

榊原 1つのシーンに全員がどれだけこだわって、僕らがそのカメラの前に立っているか。洋佑の言葉で言うと、僕らが0から1を作るんじゃなくて、スタッフさんが用意してくれた20や30の上に僕らの芝居が乗る。僕らの振り幅やコンディションが、最終的に100点を出せるか、もしくは100点を超えられるかに関わってくる。だから僕らは常に万全の態勢でやらないといけないんだなって、スタッフさんの姿勢から教わりました。

山崎 僕が特に驚いたのは、変身前と変身後のすり合わせですかね。僕がこれまで特撮を観ていたときは、本当にただ視聴者として「すごいカッコいい! 面白い!」って楽しんでいただけで、いったいどういうふうにつなげてるのか考えたこともなかったんです。変身シーンは、変身前と変身後がまったく同じ形になるように撮らないといけないわけじゃないですか。「重心を前、もうちょっと右」と指示が飛ぶんですが、そんなに細かいところまで合わせるんだ!って驚愕しましたね。

大久保桜子

大久保 私はまず、特撮の現場はこんなに朝早いんだ!ってびっくりしました。

 素直でいいね!

榊原 かわいい。

大久保 歴代の戦隊やライダーの方々も、こんなに朝早くからがんばって、カメラの前で笑ってたんだって思うと驚きました。あと、一度スーツアクターの方のマスクをかぶらせていただいたことがあるんですけど、本当に視界が悪いんですよ。スーツアクターさんはそんな中で、助走もなしでバク転したり、2階から1階へくるくる回りながら飛び降りたり。合成じゃなかったんだ!って知って、すごく感動しました。

「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」2017年3月25日(土)全国公開

「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」
ストーリー

突如、超巨大浮遊要塞が地球に飛来。その総攻撃により、世界の大都市が壊滅状態に陥ってしまう。仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢たち、そしてシシレッド / ラッキーら宇宙戦隊キュウレンジャーが迎え撃つも、謎の敵を前にまったく歯が立たない。そこに現れたのは、消滅したはずの仮面ライダーレーザー / 九条貴利矢。さらに歴代の仮面ライダー、スーパー戦隊たちが次々と姿を現す。そこで、敵を倒すカギは「ヒーローたちが新たな力を手にすること」だとわかり……。

スタッフ / キャスト

原作:石森章太郎、八手三郎
脚本:米村正二
監督:金田治
主題歌:MONKEY MAJIK「ray of light」

出演者:飯島寛騎、瀬戸利樹、松本享恭、松田るか、小野塚勇人、甲斐翔真、岩永徹也(声)、岐洲匠、岸洋佑、山崎大輝、大久保桜子、榊原徹士、立石晴香、丸山敦史、小田井涼平、松本寛也、松本岳、大西利空、博多華丸、ダイアモンド☆ユカイほか

仮面ライダーエグゼイドも登場!
オリジナルドラマ「仮面戦隊ゴライダー」
auビデオパスにて3月25日(土)より配信!

初回登録30日間無料で映画・ドラマ・アニメも見放題。
「仮面ライダーエグゼイド」最新話の見逃し配信も。

岐洲匠(キズタクミ)

1997年4月13日生まれ、愛知県出身。第27回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で明色美顔ボーイ賞を受賞した。「宇宙戦隊キュウレンジャー」のラッキー / シシレッド役で、ドラマ初出演にして初主演を果たした。

岸洋佑(キシヨウスケ)

1993年、7月2日生まれ、神奈川県出身。2009年に日本テレビ系列「歌スタ!!」のオーディションを受け、最終審査で番組に出演する。以降、シンガーソングライター、そして俳優として活動中。

山崎大輝(ヤマザキタイキ)

1995年10月3日生まれ、静岡県出身。第23回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞。2012年にミュージカル「忍たま乱太郎」第3弾にて久々知兵助役を務める。2017年には「宇宙戦隊キュウレンジャー」のメインキャストを務めつつ、「2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージ TRI! SCHOOL REVOLUTION! Ver.BLACK」にも参加した。

大久保桜子(オオクボサクラコ)

1998年7月20日生まれ、千葉県出身。「宇宙戦隊キュウレンジャー」でドラマ初出演を果たした。同作メインキャストの中で最年少。ヒューマンタイプで唯一の女性キャラ・ハミィ / カメレオングリーン役を務めている。

榊原徹士(サカキバラテツジ)

1989年12月6日生まれ、愛知県出身。男子大学生5人組のアイドルユニット・新選組リアンの元メンバー。2010年のドラマ「新撰組 PEACE MAKER」で俳優としてデビューした。出演映画に「オー!ファーザー」などがある。


2017年3月31日更新