「銀魂」小栗旬×菅田将暉インタビュー|あの頃も今も“鼻をほじっている”ということ 空知英秋&福田雄一のコメントも

この「銀魂」でしかできないことがたくさんある(菅田)

──映画ナタリーで「銀魂」の新しい画像や映像を出すたびにものすごい反響があるんですが、制作時からこれほどの現象になると予想していましたか?

小栗 話題の映画にはなるだろうなと思ってましたけどね。福田監督が実際に「絶対行ける!」って言いながら作っていたので、情報が出れば出るほど盛り上がってくれるんじゃないかなと感じていました。

菅田将暉

菅田 「銀魂」ってアニメも大人気じゃないですか。それこそ僕はド世代なので、生アフレコ会行きたいなっていうくらい大好きでしたし。その作品に関わらせていただけるなんて、こんなに光栄なことはないと思いつつ、この「銀魂」でしかできないことがたくさんあるなって考えて、もうずっとニヤニヤしてました。

──原作がそれだけ人気な分、実写化にあたって特に注意しなければならなかった点があれば教えてください。

小栗 うーんそうだなあ。でもそれを言い始めちゃうとできないことも多い作品だから、あんまりそういうのは気にしなかったかな。

菅田 エリーくらいじゃないですか?

小栗 そうだね(笑)。

──完全CGの定春に対して、エリザベスは着ぐるみですよね。

「銀魂」より。

菅田 そのあたりの福田さんの判断がすごいですよね。天人の表現もすごく秀逸だなと思って。あそこを凝りだすとすごく面倒くさいんですよ。でも、いろんな格好をした人たちがただ徘徊してるっていうだけでもう世界観を提示できて、お客さんも「ああ、そう観ればいいんだね!」って作品のテンションを理解できる。なのに背景とかのCGは超カッコいいから説得力もあるんですよね。

──福田さんは、役作りに関してお二人に細かく注文しなかったとおっしゃっていました。みんな原作が好きだから、自然と原作のキャラに寄っていったと伺いましたが。

「銀魂」より。

小栗 寄せられるところは寄せていこうと思ってました。

菅田 僕もそうですね。福田さんはもともと信頼してますけど、今回改めて信頼できるなと思ったことがあるんです。現場で新しいキャストのクランクイン前日に、福田さんは毎回「大丈夫かなあ? 明日、不安なんだよ」って泣き言を言うんですよ。「別にいいや」みたいな感覚じゃなく、キャラクターを大事にしているっていう真摯な緊張感がひしひしと伝わってきたので、大丈夫だなって感じましたね。

監督が「小栗くん歌ってくれる? 俺作詞するから」って(小栗)

──監督から要求された無茶振りはありますか?

小栗 ……僕、歌を歌ってるんですよ。

一同 (笑)

菅田 あれもう、本当に面白かったなあ(笑)。ちょうど僕のアフレコの前に収録するって聞いて行ったんですけど、めっちゃ笑ったもん。「ちょっと菅田くん聴いて」って言われて……何この歌!?って(笑)。

小栗 銀ちゃんの歌なんですよ。天人はびこる江戸の中で1人……っていう内容ですから。しかも福田さんから歌詞を渡されたの、録る前日ですからね。

「銀魂」メイキングカット

──もとの予定には、歌自体なかったんですね。

小栗 なかったですね。現場で「俺が歌ったら面白いんじゃない?」とか話していたら、福田さんが本当に「小栗くん歌ってくれる? 俺作詞するから」って言うんですよ。

菅田 あと、劇中で小栗さんが過去に出演した作品のセルフパロディをやってる部分があるんです。福田さんがグループLINEで「あれ言ってほしいんだけど」って送ってきて。それに対して小栗さんが「なるほど」って真面目に返してるのが超面白かったです(笑)。だいたい小栗さんそんな言い方してねえし!と思って(笑)。モノマネによってみんなの中で勝手に広がっていったイメージを、本人がパロディしたらやっぱり一番面白いですよね。それを提案する福田さんも、それを快く受け入れる小栗さんも、本当にすごい。俺はそのとき家で1人、こんなに面白い映画ないな、と確信してましたから。

「銀魂」メイキングカット

──普段からグループLINEでアイデアを出し合っていたんですか?

小栗 万事屋と監督でやってるグループなんですけど、アイデアを出し合うというよりは、おいしそうなものを食べてるみんなの写真が送られてくる場ですね。

菅田 軍艦からこぼれているイクラと、俺!みたいな写真が(笑)。福田さんは基本的にマメな方なんで、特報映像ができたときとか、「現場で神楽(橋本環奈)がいっぱい食べてるよ」ってときに報告してくれるんです。

小栗 そうそう。何かあると基本送ってくれるよね。

「銀魂」
2017年7月14日(金)より全国ロードショー
「銀魂」公式サイト
ストーリー

宇宙から襲来した天人(あまんと)が台頭する江戸・かぶき町。万事屋を営む坂田銀時は、従業員の志村新八や居候の怪力少女・神楽と、いつものようにダラダラ過ごしていた。そんなある日、銀時のかつての盟友である攘夷志士・桂小太郎が、辻斬りの凶刃に倒れ行方不明になってしまう。同時に、攘夷戦争時代に銀時や桂とともに戦った高杉晋助が、戦闘集団・鬼兵隊を復活させ、幕府転覆へ動き出し……。

スタッフ

監督・脚本:福田雄一
原作:空知英秋「銀魂」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
主題歌:UVERworld「DECIDED」

キャスト

坂田銀時:小栗旬
志村新八:菅田将暉
神楽:橋本環奈
土方十四郎:柳楽優弥
岡田似蔵:新井浩文
沖田総悟:吉沢亮
村田鉄子:早見あかり
平賀源外:ムロツヨシ
志村妙:長澤まさみ
桂小太郎:岡田将生
武市変平太:佐藤二朗
来島また子:菜々緒
村田鉄矢:安田顕
近藤勲:中村勘九郎
高杉晋助:堂本剛

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小栗旬(オグリシュン)
1982年生まれ、東京都出身。1998年、ドラマ「GTO」で初めてのレギュラー出演。2007年に主演した三池崇史監督作「クローズZERO」での演技が高く評価され、エランドール賞新人賞、第17回日本映画批評家大賞主演男優賞などを獲得。2010年には「シュアリー・サムデイ」で劇場監督デビューも果たした。近年の出演作に「キツツキと雨」「宇宙兄弟」「ルパン三世」「信長協奏曲」「ミュージアム」など。舞台でも活躍し、蜷川幸雄をはじめ多くの演出家の作品に参加している。2017年には出演作「君の膵臓をたべたい」の公開も7月28日に控えるほか、福田雄一演出の舞台「ヤングフランケンシュタイン」でミュージカルに初挑戦する。
菅田将暉(スダマサキ)
1993年2月21日生まれ、大阪府出身。2009年に特撮ドラマ「仮面ライダーW」でデビュー。2013年に「共喰い」で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、翌2014年には「そこのみにて光輝く」で第24回日本映画批評家大賞助演男優賞などに輝いた。ほか主な出演作に「男子高校生の日常」「ディストラクション・ベイビーズ」「明烏 あけがらす」「帝一の國」がある。「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「あゝ、荒野」「火花」など、公開待機作も多数。