映画ナタリー Power Push - DISH//×「ゴースト・イン・ザ・シェル」

攻殻機動隊の世界に初ダイブ! DISH//が虜になった“すぐそこにある近未来”

少佐から頼られているバトーさんはカッコいい(龍二)

──ほかの皆さんはどのキャラクターに魅力を感じましたか?

「ゴースト・イン・ザ・シェル」より、ピルウ・アスベック演じるバトー。

昌暉 俺はバトーとトグサです。公安9課のメンバーがそれぞれ狙われるシーンがあるじゃないですか。バトーだけ返り討ちにするシーンが映ってなかったんですよ。俺の勝手な想像なんですけど、バトーは強いから、えげつない殺し方をしたんだろうなって。でも映画では、バトーが犬をなでて銃を手にしたところだけ映して終わってるんです。そこがいい。

──観客の想像にゆだねる演出ですね。

昌暉 あと、トグサも同じように敵に囲まれるんですが、相手を倒したあとにすごく安心した顔をしてて。トグサって、9課のメンバーの中で唯一義体化してないから、みんながサイボーグと化したこの世界で狙われるのが怖いのかなって。

匠海 僕は人間味のあるキャラが好きなんですけど、クゼにはすごく感情移入できましたね。強さも弱さもある彼の葛藤や、自分がむげに扱われたことへの怒りが伝わってきて、最後まで憎めなかった。

小林龍二

龍二 僕はやっぱりバトーさん。少佐から頼られていて、唯一そばに寄り添っている存在ですよね。ああ、それだけ信頼できる人なんだろうな。カッコいいなって思いました。

大智 僕もバトーが好きです! とにかく強くて、男が見ていて憧れるような存在でした。

──公安9課のメンバーは結束力が強く、苦悩を抱えた少佐を陰ながら支えている雰囲気がありました。DISH//の皆さんは誰かがつまずきそうなとき、互いにサポートすることはありますか?

匠海 ライブ中は助け合ってる感じありますね。誰か1人がちょっと落ちてるなって思ったらアイコンタクトを取ったり。僕はずっと歌ってるんで、その勢いで盛り上げたりもします。

──そういったメンバーの不調には気付くものなんですか?

左から矢部昌暉、泉大智、北村匠海、小林龍二、橘柊生。

一同 気付きますねえ。

匠海 みんなが「最高だったね」っていう日もあれば、みんなの心が折れるときもある。ライブが終わったあとの感想が全員違うこともあります。でも、誰かが落ちているときでも、別の誰かが前向きに引っ張っていくことで、成功につながるんですよね。

──ファンから見えないところで、そんなことが繰り広げられていたんですね。

テクノロジーが進歩した今だからこそ考えさせられる内容(昌暉)

──「攻殻機動隊」の話に戻ると、原作マンガは1989年に生まれて、そこから押井守さんや神山健治さんによってアニメが制作されました。海外の映画監督にも影響を与えていて、例えば「マトリックス」は「攻殻機動隊」にインスパイアされて作られたんです。

一同 へえー!

──「攻殻」に惚れ込んだスティーヴン・スピルバーグが実写映画化権を取得したのが2009年。そして今年、ようやく実写版が完成したんですよ。

矢部昌暉

昌暉 でも、実写化されたのが今の時代でよかったのかもしれませんね。原作が発表された1989年って、まだネットとかマシンが発展してなかっただろうから、その頃に実写化されても、単に「面白い映画だね」で終わってたかもしれない。テクノロジーが進歩した今だからこそ考えさせられる内容なので、いいタイミングだったなと。

龍二 劇中で描かれていることに現実味があるもんね。不思議と。

匠海 昔は空想でしかなかったけど、今ではSiriとか、身の回りに人工知能があるから、リアルに想像できちゃう。男の子は絶対に好きだと思うな、こういう話は。

「ゴースト・イン・ザ・シェル」より。

──この作品では、ほぼ全身サイボーグの少佐が、本当の自分とは何かを追い求める姿が描かれていますが、皆さんは「死んだら自分はどうなるんだろう?」とか、肉体を離れたところで自分の存在意義を考えることってあります?

柊生 ありますね。輪廻転生したらどうなるんだろう?とか。俺、来世まで今の記憶を忘れない自信ある。絶対、覚えてる気しかしない!

──ちなみに今、前世の記憶は……?

柊生 まあ、今はないですけどね。こっから次に行ったときは、たぶんあるなっていう自信です(笑)。

匠海 僕も死んだらどうなるんだろう?とか、自分らしさとか、めちゃめちゃ考えるので、少佐の葛藤には共感します。少佐は最初、ロボットらしく硬いイメージなんですけど、だんだん柔らかく、人間らしくなっていく。それがこの映画の見どころだと思います。

──大智さんもそういうことは考えますか?

泉大智

大智 あのー、僕、哲学が好きなんですよ。

昌暉 ……えっ!?

大智 (ざわつくメンバーに向かって)本当に!

──皆さん、びっくりされてます(笑)。

大智 びっくりすると思うんですけど、僕、哲学が大好物で。

龍二 大好物って(笑)。

大智 死んだらどうなるとか、どうやって生まれたとか、そういうことを考えるのが好きなんです。あと将来ロボットが世界を支配する、とかよく言うじゃないですか。そういうのも本当にあるのかな?とか考えると、楽しみでもあるし、逆に嫌だなとも思う。映画を観ていて、リアルにこんな世界になったら怖いなと思いましたね。

この世界観がすべてを包み込んでくれます!(匠海)

──最後に、攻殻機動隊シリーズに初めて触れる人や、DISH//の皆さんと同世代の方に向けて、この作品のオススメポイントを教えてください。

柊生 マンガやアニメが実写化されると聞くと、ファンの人は「大丈夫なの?」って不安な気持ちになると思うんです。けど、観てがっかりするような作品じゃないし、想像よりもっと上のものが観れる。原作にこだわっている方も、まずは1回観てほしいです。逆に、原作を全然知らなくても楽しめるし、観たあとに気になったら原作やアニメに触れて、もう1度実写版を観るのもいいと思います。

龍二 ストーリーもわかりやすいですし、キャラクターの個性がすごく強い作品なんで、きっと皆さん好きなキャラが見つかるんじゃないかなと。それぞれのお気に入りを探すつもりで観てほしいですね。

大智 普通にアクションとしても楽しめるし、人工知能などにまつわる哲学的なストーリーを味わえるところもオススメです。

北村匠海

昌暉 脳だけは人間で体はロボット、という主人公のキャラクター設定が魅力だと思います。スカーレット・ヨハンソンの演技には思わず引き込まれてしまうので、ぜひ注目してほしい。

匠海 アクションがすごいので深く考えずに楽しむこともできるし、カンヌ映画祭の出品作ばりの深さもあわせ持った作品。映画の観方って人それぞれだと思うんですけど、いろんなタイプの人にフィットする1本だなと思います。この世界観がすべてを包み込んでくれるので、誰もが面白いと感じられるはずです!

「ゴースト・イン・ザ・シェル」特集
映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」2017年4月7日全国公開
映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」
ストーリー

電脳技術が発達し、人々が義体(サイボーグ)化を選ぶようになった近未来。脳以外は全身義体の“少佐”が率いるエリート捜査部隊は、ハンカ・ロボティックス社の推し進めるサイバーテクノロジーを狙うテロ組織と対峙する。上司の荒巻大輔や片腕的存在のバトーと協力し、捜査を進めていく少佐。やがて事件は少佐の脳にわずかに残された過去の記憶へとつながり、彼女の存在を揺るがす事態に発展していく。

スタッフ / キャスト

監督:ルパート・サンダース

原作:士郎正宗「攻殻機動隊」

出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、ジュリエット・ビノシュ、マイケル・ピット、ピルウ・アスベック、桃井かおりほか

DISH//(ディッシュ)

楽器を演奏しながら歌って踊る5人組ダンスロックバンド。2011年12月に北村匠海、矢部昌暉、小林龍二、橘柊生の4人で結成され、2012年6月に1stシングル「It's alright!」でCDデビュー。2013年6月にシングル「I Can Hear」でソニー・ミュージックレコーズよりメジャーデビューを果たす。2015年から2017年にかけて毎年元日に東京・日本武道館で単独ライブを行い、2017年の公演にて元カスタマイZの泉大智が加入した。ニューシングル「JK//」が配信中。ドラマ「釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助」の主題歌「I'm FISH//」が6月7日にリリースされる。各メンバーは俳優としても活躍しており、「ディストラクション・ベイビーズ」やドラマ「仰げば尊し」などに出演した北村は、7月28日に「君の膵臓をたべたい」、秋に「恋と嘘」の公開を控えている。また橘はラジオ番組「Nutty Radio Show THE魂」の火曜日の放送に、小林はtvk「関内デビル」にレギュラー出演中。

DISH//「JK//」
DISH// ニューシングル「JK//」2017年3月29日発売 / Sony Music Records
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