舞台は1950年、ミズーリ州カンザスシティ。この町では、移民の歴史とともに裏社会の実権を握る組織もユダヤ系、アイルランド系、イタリア系と変遷してきた。そして、対立する組織間の平和を保つために、組織のボスが互いの息子を交換して育てる習わしがあった。1949年、ロイ・キャノン(クリス・ロック)率いる黒人犯罪組織が台頭すると、伝統に則って、先に地域を牛耳っていたドナテロ・ファッダ率いるイタリア系マフィアと息子を交換する。1950年、表面的には平和が保たれていたものの、彼らは一触即発の状態にあった。その矢先、ドナテロが大けがを負ってしまい、病床に。ファッダファミリーの長男ジョスト(ジェイソン・シュワルツマン)が父ドナテロに代わって、采配を振るい始めるも……。
主要人物は25人!壮大なスケールにキャストも自信のぞかせる
シリーズ最終作となる本作はキャスト数がシリーズ最多で、主要人物は25人にのぼる。カンザスシティのギャング抗争を中心にした物語で、その出来事が白人の父と黒人の母を持つ少女エセルリダ・スマトニー(イマイリ・クラッチフィールド)の目を通して描かれるのがミソ。主人公である黒人犯罪組織のボス、ロイ・キャノンを演じるクリス・ロックは「ロイという男は、アメリカンドリームはともかく、金が武器になると知っていた」と役柄を説明するとともに、「シリーズ最高の出来だ。壮大なスケールで描いている」と作品の仕上がりに絶対の自信を見せる。また敵対するイタリア系マフィアのジョスト・ファッダを演じたジェイソン・シュワルツマンは「『FARGO/ファーゴ』の過去3シーズンすべて足したスケールに等しい」と熱く語っている。
シーズン1
舞台は2006年のミネソタ州ベミジー。保険セールスマンのレスター(マーティン・フリーマン)は高校時代のいじめっ子サムにからまれけがをしたために病院へ。待合室で見知らぬ男ローン(ビリー・ボブ・ソーントン)に話したことが、サム殺しを依頼したことになってしまう。ローンはプロの殺し屋だったのだ。その後、日頃から憎んでいた妻を衝動的に殺したレスター。ローンに後始末を頼むが、ローンは運悪く居合わせた警察署長をも殺してしまう。あとを引き継いだ副署長のモリー(アリソン・トルマン)は次々と起きる殺人事件にレスターとローンの関与を疑い始めるが……。
シーズン2
舞台は1979年、ノースダコタ州ファーゴやその近隣州。シーズン1に登場した警察副署長モリーの父ルー・ソルヴァーソンが若かりし姿で登場する。ファーゴ一帯を牛耳るギャング、ゲアハルト家の三男ライが判事を殺害し、その直後に美容師ペギー(キルスティン・ダンスト)の車に轢かれてしまう。ペギーは夫エド(ジェシー・プレモンス)とともに、ライの死体を隠すことに。警察官ルー(パトリック・ウィルソン)は、義父で保安官のハンク(テッド・ダンソン)と判事殺人事件を捜査する。一方で、ライの行方をゲアハルト家の長男ドッド(ジェフリー・ドノヴァン)が追っていた。