見取り図×佐久間宣行 座談会
第4話(4月9日配信)
※4月11日の生配信イベントより
それぞれの正義がぶつかり合う重厚なテーマ、お笑い界のアベンジャーズも明らかに?
佐久間さんは東京のテレビ界のサノス(リリー)
佐久間宣行 今回は第4話について、僕ら3人で語っていこうと思います! 俺、見取り図は初めて会うからうれしいよ。何回か企画でスケジュールを聞いてることはあったけど、都合が合わなくて。「ゴッドタン」とか「あちこちオードリー」とか。
リリー ええー!
盛山晋太郎 出させてくださいよ!
佐久間 だってほら、(活動拠点が)大阪半分で東京半分だから。でも見取り図はここから東京にグイグイ進出して来るんでしょ? どっちのタイプで行くの? しっかり保険を残すダイアンタイプで行くのか、ちゃんとレギュラー番組を整理してくる千鳥タイプで行くのか。
盛山 何を言うてはるんですか! その2択の心理テストみたいなやつなんなんですか!?
佐久間 ダイアンが東京に出てくるときのキャッチフレーズで「レギュラーを残して来ました」ってたくさん言っちゃったから、東京の人たちがそのシステムを知っちゃったのよ。“ダイアンシステム”はどうやら半身らしいっていう。
見取り図 ははははは!(笑)
佐久間 さて、僕はもともとマーベルの最新作は毎回チェックしているので「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」も観ていたんだけど、見取り図の2人もマーベル好きなの?
リリー 僕のほうがちょっと詳しいんですけど、普通に観てる感じでめっちゃ詳しいわけではないです。
盛山 いやもう、マーベル大好きですよ僕は! 知らないことはないくらい好きです。
佐久間 芸人が最初に保険を掛けるパターンの言い方だ(笑)。僕はもともとアメコミがある程度好きで、映画もマーベルのいろんなシリーズを観てたんですけど、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の1作目「アイアンマン」を観てから「これはとんでもないものが始まるんじゃないの?」と思って。もう10年以上、本当に楽しませてもらって感謝ですね。
盛山 アメコミもチェックしてはったんですか?
佐久間 アメコミはマニアってほどではなかったけど、逆にMCUの先が知りたくてどんどん読むようになった。でも「ワンダヴィジョン」とかを観てたら、こんなにすごい展開になるんだったら何も知らないで観たほうがいいなと思っちゃった。
盛山 展開を知らずに映像で観たいと。
リリー でも佐久間さんなんて、僕らのイメージですけど、東京のテレビ界のサノスですよ。
佐久間 サノス!?(笑) 違うでしょ!
リリー 芸人を半分消せますから、指パッチンで。
盛山 佐久間さんの一言でなんとでもなるでしょうね。
マーベルめちゃめちゃ観てるっちゅうねん(盛山)
佐久間 視聴者の方からコメント欄に「好きなヒーローは?」という質問が来ました。僕はヒーローじゃないけど、一番好きなキャラクターはロキです。ロキみたいなかわいげのある悪役ってあまりいないじゃないですか。ヒーローの中で言うと、アイアンマンとスパイダーマンの関係性が好きなので、あの2人ですね。
リリー 師弟関係がありますもんね。僕もダントツでアイアンマンが好きです。金持ちでヒーローなのに人間くさくて失敗もしたりするから、一番感情移入します。盛山さんは?
盛山 僕もアイアンマンです。やっぱり……人間くさいところがある。
リリー いやいや、一緒やん!
佐久間 でも「ワンダヴィジョン」を観て、今後のワンダはヴィランになっちゃうのか、どっちに行くのかなというのもあって。ワンダもすごく楽しみです。
リリー 「ワンダヴィジョン」観たらワンダが一番強いんちゃうかなと思いますよね! あのバーッて魔法がありますから(ワンダのポーズをまねしながら)。
盛山 そうそう。あのバーッてね(リリーをまねする盛山)。
リリー さっきから俺の動きとまったく一緒じゃない! え? 知ってます?
盛山 知ってるって! マーベルめちゃめちゃ観てるっちゅうねん。俺だけ台本ギュッと握ってるけど。
佐久間 お守りのように(笑)。
盛山 コメントに来てますけど「どのマーベル作品から観たらいいのかわからない」という方もいる。だから僕が代弁者ですよ!
リリー 正直何からでもいいですよね。
佐久間 僕は順番に観たけど、まず「アベンジャーズ」の1作目から観て、気になったヒーローの話を観るのもいいかも知れない。個人的に一番面白いと思うのは、ファルコンとウィンター・ソルジャーが初登場する「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」です。そのあとに「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」を観たら、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」に至るだいたいの流れはわかりますよね。
盛山 あれを観たらだいたいわかりますもんね。
佐久間 じゃあ観てこいよ、お前!(笑)
リリー もうバレてる!(笑)
トリッキーな展開と深いテーマを組み込んでる(佐久間)
佐久間 ここからは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第3話までの過去エピソードについて話していきたいんですが、どうでした?
リリー けっこう予想外の点がありませんでした? 僕は「アベンジャーズ/エンドゲーム」でサムが盾を受け取ったから、すぐに彼がキャプテン・アメリカになるんかなって思ったんですよ。
佐久間 俺もそう思った! 正統派のバディアクションなのかなと思ってたら、けっこうトリッキーな展開になっていくし、しかもテーマが深いよね。
リリー あと始まりからアクションシーンがすごいっすよね。映像だけでめちゃくちゃおもろかった。
盛山 ドラマレベルのアクションじゃなかったです! 僕、あれやれって言われたら無理ですもん。
佐久間 第1話の最初10分とんでもないよね! しかもあんなにかっこいいアクションのあと、ファルコンが銀行からお金を借りられないというアメリカ社会のドラマになっていく。すごく難しいことをやってるよね。
リリー 確かに。サムとバッキーが2人でいるときにサムだけが職質を受けるじゃないですか。僕らはあんまりわかんないですけど、アメリカだったらそういうこともあるんだろうなって。あとは、それぞれの登場人物に正義がある。誰も悪くしようと思ってやってないけど、全員が正しいことをやろうとした結果、ぶつかり合ってしまうというか。
佐久間 そう! 今作は全員に正義があって戦ってるから、現実の世界みたいだよね。アクションもすごいうえに、「アベンジャーズ」シリーズをずっと観ている人も楽しめて、さらにもう1歩進んだ社会ドラマも組み込んでる。だから本当にマーベルは野心的だと思う。今までは映画さえ追っかけてれば付いて行けてたんだけど、こんな深いところまで描かれてキャラクターも活躍するなら、いよいよドラマも観ないと!
盛山 (リリーと佐久間の会話に入れず)なんで俺真ん中におんねん!
2代目キャプテン・アメリカはアメリカの自己批判でもある(佐久間)
佐久間 ここから第4話の“シビれたポイント”を発表したいと思いますが、まずは僕から。
リリー サノスの見解を。
佐久間 やめろよ本当に!(笑) 僕は「凡人の苦悩」。2代目キャプテン・アメリカのことですね。初代はもう、好かれていて善人で完璧じゃん。でも、2代目は尊敬されないとか、アベンジャーズの一員じゃないとかで悩んでて。しかも、彼も本当に悪いやつじゃなくて勲章も持ってる。なのに俺はヒーローではないってところで苦悩して、最後に心の暴走が止まらなくなって決断を下すというのが、すごく「わかるわー!」という。
リリー 僕思ったんですけど、今までのヒーローってイケイケやったじゃないですか。でも、実はサムも普通の人なんですよね。そこに共通点があって面白い!
佐久間 そうそうそう。サムは別に超人ではないからね。
盛山 2代目のジョン(・ウォーカー)は、言い方悪いですけど、どんどん嫌なやつになってきてるんちゃうかなって。途中、むちゃくちゃいらんことしたときあったでしょ? なんでお前、今入ってくんねん!みたいな。だから第4話まで観た僕からしたら、今のキャプテン・アメリカはわりと悪です。
佐久間 うん。自分の中の正義が暴走することがどう世の中に映るのか、というところまで描いてるじゃないですか。これって実際のアメリカがやっていることにちょっと近いかもしれないという、アメリカの自己批判でもあるなと思うのよ。
盛山 佐久間さんすごい。大人の見方よ。
正義の象徴だったシールドの意味がガラっと変わる(リリー)
リリー 僕は「シールドの意味」です。今までは正義の象徴でしたけど、第4話ではその意味がガラっと変わっていきますよね。だから次回どうなるのか楽しみです。
佐久間 本当だよね。あと2話で収集つくのかな?
リリー 次、あらぽん。
盛山 誰があらぽんやねん! 俺ANZEN漫才のあらぽんちゃうで! えー、僕は「シールドの意味」。
リリー いや俺の見たよな? このフリップ書いてるときなんかチラチラ見てるなって思ってたよ!
盛山 やっぱりあのー、マーベルを知らない方もキャプテン・アメリカの盾って見たことあると思うんですよ。それがねえ、正義のシンボルだったんですけど、難しいことになっていくんですよね……。
佐久間 なぞるんじゃなくてリリーより薄くなった!(笑) 逆に言うと、盛山くらいなんも知らなくても「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」はめちゃくちゃ面白かったってことでしょ?
盛山 そうなんです! 佐久間さんありがとうございます! お前があらぽんっていらんこと言うから動揺して言うこと飛んだわ!
佐久間 そうだ、あとジモかっこよくね? 「シビル・ウォー」で出てきたときは真面目な陰キャタイプの悪役だと思ってたの。でも今回めちゃくちゃはっちゃけてて、これは人気出るなって思ったら、今インターネットで世界的に人気が爆発してるんでしょ? 第3話でジモが踊るダサいダンスにみんなハマってるらしいよ。
盛山 おとんが踊ってるくらいのダンスでしたね。
佐久間 そうそう、おとんがリビングで踊るダンス(笑)。でも、あれだけ人気があったらジモがメインの映画も出てくるかもしれないね。さっきリリーの言った通り、ジモはジモでヒーローが憎いという自分の正義を持っているから。
盛山 サムとバッキーとジモが3人で行動するのもいいですよね。
リリー 仲良くないのがまたいいよね。ずっと口喧嘩してて。
佐久間 だいたいバッキーって洗脳されてたから、こんなにしゃべるキャラだとは思わなかった。だから彼の過去の清算っていうのもテーマの1つとして入っているのかもしれない。
見取り図は願望込みでアイアンマン(盛山)
佐久間 続いて、それぞれ第5話に期待することを発表したいと思います。盛山から行かない?
盛山 僕はさっきも名前が出ましたが「ジモ」です。
リリー 待ってください! また見られました(同じく「ジモ」と書いたフリップを見せながら)。僕の予想ですけど、ジモがまたバッキーを洗脳するとか、ヴィランに回る可能性もあるなと思うんですよ。だからジモがキーパーソンなんじゃないかなと。
盛山 あいつ洗脳できるん? やんちゃやな!
佐久間 僕は「キャプテン・アメリカとは?」です。この話って、サムが自分はキャプテン・アメリカに適任じゃないと盾を寄贈してしまったところから始まり、2代目キャプテン・アメリカは重圧に苦悩した結果、暴走してる。ということは、キャプテン・アメリカに必要なものって本当に強さなのか?という問いにそれぞれが答えを出すと思うし、その中でサムが「俺はキャプテン・アメリカになれるのか」というテーマを決着させてくれるんじゃないかと思います。
リリー サムがシールドを得るかもしれないけど、そこをマーベルさんは裏切ってくるかもしれませんね。
佐久間 ここで「お笑い界アベンジャーズを今結成するとしたら?」という質問が来ています。
盛山 めちゃくちゃいますよね! ダウンタウンさんから始まって。
佐久間 あそこまでいくとさ、アベンジャーズとはまた別じゃない?
リリー アベンジャーズをまとめる(ニック・)フューリーとかになっちゃいますよね。
佐久間 見取り図はどのポジション?
盛山 えーじゃあ………サノス(笑)。
リリー サノス!? 悪いほうやん! アベンジャーズちゃうやん!
盛山 じゃあ、願望込みでセンターのアイアンマンとかでいたいよね。
佐久間 今のM-1世代ってことなら霜降り明星もいるんじゃない?
盛山 霜降りはマジでやばい。ほんまのこといったら霜降りがアイアンマン。
佐久間 霜降りがアイアンマンだとしたら、それと対を成す正義を持っているキャプテン・アメリカは誰なの? 霜降りと対立してもいいくらいの格。
リリー 誰やろ? シンクタンクさんは入ってくるんですかね。
盛山 大阪のシンクタンクさん、マーベルの生配信で名前出すな! ヒーローや思われるやろ。
佐久間 第5話か第6話に出てくるヒーローだと思われる(笑)。
盛山 まあでも、みんながお笑いのアベンジャーズになれるようにがんばりたいね。あ、コメントではかまいたちさんとかが多いですね。
もう1回観ようと思いました(盛山)
佐久間 改めて第1話から第4話まで観ましたけども、リリーと僕は特にただ好きで観てるだけだからね!
リリー そうなんです。ただの楽しい会。
佐久間 今飲みにもいけないじゃん。だからマーベル好きと話もできなくて、今日は本当に楽しかった!
盛山 僕は第4話まで観させてもらいましたけど、さらにもう1回観ようと思いました。正直わからなかったところも多かったので、今日話したことを踏まえて観たら楽しみ方が変わってくるんちゃうかなと。
リリー この作品は正直、マニアの方はめっちゃ楽しいかもしれない。
盛山 マーベルマニアはたまらない作品ですね。ぜひ皆さん観てほしいです!
佐久間 次回の第5話も楽しみですね!
(構成:山里夏生)
- 見取り図(ミトリズ)
- 吉本興業所属、2007年に結成された盛山晋太郎(1986年1月9日生まれ、大阪府出身。山羊座のO型)とリリー(1984年6月2日生まれ、岡山県出身。双子座のO型)によるお笑いコンビ。NSC大阪校29期生。現在、TBS「ラヴィット」や「ろくでなしミトリズ」(大阪チャンネル/GAORA)にレギュラー出演している。2018年12月に生放送された「オールザッツ漫才」の若手バトルで優勝し、2019年1月には第4回上方漫才協会大賞を受賞。「M-1グランプリ」では、2018年から3年連続でファイナリストに選ばれた。
- 佐久間宣行(サクマノブユキ)
- 1975年、福島県生まれ。テレビプロデューサー。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ウレロ☆未確認少女」「青春高校3年C組」など多くの番組を手がける。2013年に「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE」で映画監督デビュー。2019年からラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。2021年3月末にテレビ東京を退社し、以降フリーランスとして同局の番組に携わっている。現在プロデューサーを務めるテレビドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」が放送中。
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2021年4月23日更新