「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」特集|新たなキャプテン・アメリカの誕生を巡る物語──毎週更新!マーベルドラマ最新話を語り尽くす座談会連載

久保茂昭×ふくだみゆき×SYO 座談会
第2話(3月26日配信)

※3月26日の生配信イベントより

「HiGH&LOW」のアクションへの影響とは?“ハロプロ=アベンジャーズ説”も!

「キャプテン・アメリカ」シリーズのアクションに感銘を受けました(久保)

SYO 本日は、マーベル好き映画監督である、「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭監督と「100日間生きたワニ」のふくだみゆき監督にお集まりいただきました! MCは私映画ライターのSYOが務めさせていただきます。それでは、先ほど配信された第2話をご覧になったばかりのお二人に、本作の魅力や感想を存分に語っていただこうと思います。まずは自己紹介と、せっかくですのでマーベルの“推しキャラ”も教えていただければ幸いです!

左からSYO、久保茂昭、ふくだみゆき。

久保茂昭 「HiGH&LOW THE WORST」の試写会に「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のTシャツを着て行ったら、みんなから白い目で見られた久保茂昭です。僕の推しキャラは生き方、佇まい、ガジェット、そしてアクションが最高なキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースです! よろしくお願いします!

ふくだみゆき 私はこの自粛期間にマーベル作品を好きになったので、まだファン歴が1年弱の新参者なんです。でもマーベルファンになって本当に人生が豊かになったと思っています。私の推しキャラは久保監督と同じなのですが、キャプテン・アメリカです。そして2推しがファルコンです。どうぞよろしくお願いします!

SYO キャプテン・アメリカのどんなところがお好きなんですか?

ふくだ なんと言っても少年の心のような優しさと正義感の強さ。スティーブ・ロジャースのメンタルがあってこそのキャプテン・アメリカだと思っているので。

久保 しかも、なんでも跳ね返すすごい盾を持ってるじゃない? なのに物語の悲しい性は全部受け止めるという、そこがヤバいんですよね。

ふくだ わかります。敵に盾を使うなって言われたら使わないという正直さ。いやあ、ほんとにいい男ですよね……。

SYO さっそくお話も盛り上がってまいりましたが(笑)、まずは3月19日に配信された第1話の感想から伺っていきたいと思います。

久保 空中アクションから始まって、政治が絡んでいく物語やサムとバッキーの葛藤などが描かれていたので、やっと「キャプテン・アメリカ」シリーズが戻ってきた! 最高です! ありがとうございます!みたいな感じでした(笑)。「キャプテン・アメリカ」好きとしては感動しましたね。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

ふくだ 私は「ワンダヴィジョン」も観ていたんですが、あちらはドラマならではの仕掛けがあったじゃないですか。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は、映画のようなドラマというか。今まで私たちが知らなかったファルコンやバッキーの背景を、映画よりも尺を使ってしっかり見せてくれる。しかも第1話では2人が出会わなかったので、その焦らされ具合といったワクワク感がありました。

SYO 第2話を観ずにはいられないですよね。久保監督にお聞きしたいのですが、「HiGH&LOW」シリーズにマーベル作品が与えた影響などもあるんですか?

久保 僕がマーベルにどっぷりハマったのは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」からなんです。あの作品でルッソ兄弟(アンソニー・ルッソとジョー・ルッソ)が参加してから、アクションがガラっと変わったんですね。彼らのやり方では、ストーリーやキャラクターにアクションが紐付いて展開していく。アクションにそれぞれの性格がどんどん生きていくんです。それにものすごく感銘を受けました。それで「HiGH&LOW」のときも「ウィンター・ソルジャー」と「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のアクションをつないだものをアクション監督に見せたんです。

SYO なるほど。「HiGH&LOW」シリーズのアクションにもがっつりと生かされているんですね。ふくだ監督は「ワンダヴィジョン」をご覧になっていたということですが、いかがでしたか?

ふくだ マーベル初心者ということもあって、「ワンダヴィジョン」で「この次どうなるの?」という気持ちを初めてリアルタイムで体感したので、次の展開をみんなと一緒に考えるのがすごく楽しかったです!

SYO 「ワンダヴィジョン」が初めての“焦らされ”だったんですね。

2人ともいい大人なのに子供っぽくて、すごくチャーミング(ふくだ)

SYO では、第2話の感想を伺っていきましょう。お二人には、「最新話のシビれたポイント!」をフリップで発表していただければと思います。

久保茂昭

久保 僕は「トレーラーアクション」ですね! やっぱり「キャプテン・アメリカ」シリーズがやっと始まった!という感じがしました。第2話ではまだサムとバッキーがでこぼこな感じというか、個人では強いけどお互いを生かし切れてない部分がありました。逆に敵は統率が取れていましたし、2代目キャプテン・アメリカのアクションにも彼の性格が出ていましたよね。

SYO 今、スタッフさんからカンペで「『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』のアクションみたいでした」という感想が来ましたが……。

久保 ありがとうございます。「END OF SKY」の中盤ではカーアクションがあるんです。本当はトレーラーアクションをやりたかったんですが、トレーラーがけっこう高かったので……(笑)。ですが「ウィンター・ソルジャー」で学んだキャラクターとアクションの関係性を生かして、今の形になりました。

SYO そうだったんですね! 今おっしゃっていたトレーラーで戦うシーンでは、2人の関係性の練度がまだまだなんだということが反映されていて、今後が楽しみになりました。

久保 そうですね。物語もすごく面白いんですが、アクションがどう変化していくのかも楽しみになる第2話でした。

ふくだみゆき

ふくだ 私がシビれたのは「2代目キャプテン・アメリカの人となり」です! 第1話のラストではちょっと嫌いになってしまったんですが、第2話で彼は彼なりにキャプテン・アメリカの盾の重さに悩んでいる描写があって、もしかしたらいいやつなのかも?と。しっかり制作陣に踊らされてしまいました(笑)。

SYO 確かに、重圧を感じながらもヒーローが必要とされている以上、自分がやらなきゃいけないという葛藤がありましたね。視聴者から「新キャップって敵なの?」という質問も来ましたが、どう思われますか?

久保 彼は今後どっちにでも転べますよね。改心するのか、悪いほうに行っちゃうのか。個人的には、敵になるんじゃないかなと。ただ敵になりそうなところをサムとバッキーが助けたり、新しいヒドラ誕生のきっかけになっても面白いなと思います。

SYO いわゆる闇落ち的な展開もあるかもしれないですね。

ふくだ 私としてはファルコンが2推しなので、まだファルコンに盾を継いでほしい気持ちがあるんですよ。なので、どうにかして2代目を引きずりおろせないかなと……(笑)。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

SYO ファルコンが盾を寄贈したはずなのに、勝手に使われとる!という冒頭でしたもんね。あとは、サムとバッキーのイチャイチャも見どころでした。見つめ合いなさいと言われたら、まばたきしたら負けというにらめっこが始まっていましたし。

久保 あそこは最高でした! 会話の中のユーモアもいいですよね。キャラクターを愛しちゃうというか。

ふくだ 2人ともいい大人なのに子供っぽくて、すごくチャーミングに描かれてますよね。106歳のバッキーに言っていいのかわかりませんが……(笑)。

SYO (サノスによる“指パッチン”の)5年後の描き方がめちゃくちゃうまいと思いませんか? 指パッチンがあったことを肯定する敵組織の言い分に説得力がありましたよね。今作は“官と民”の戦いでもあって、“官”を背負っているのが2代目キャプテン・アメリカで、“民”を代表するのが敵組織。そのちょうど中間にファルコンとウィンター・ソルジャーがいるのが構造的にすごく面白いなと思ったんです。そういったマーベル作品のリアリティの面はどうですか?

久保 「ウィンター・ソルジャー」のときも味方だと思っていた警察や政治、社会が敵になるのか?という部分が描かれていました。「シビル・ウォー」のソコヴィア協定もそうですし、世の中にヒーローが存在すると仮定したときのリアリティがすごいですよね。その面白さは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でも組み込まれている感じがしました。

勝手に自分だけのLDHアベンジャーズを作ったりします(久保)

SYO ここで「SYOさんは誰推しですか?」と視聴者の方からコメントをいただきました。僕はバッキー推しなんですよ。彼の悲劇性があるところが好きですね。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

久保 バッキーって作品を追うごとにかっこよくなっていきますよね。

ふくだ 「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」では陽気な性格でしたけど、どんどん渋くなっていきますよね。今作でセラピーを受けているところとかは、いろんなものを背負ってきたんだというのがわかって、あの陽気なバッキーがこんなふうに……という切なさもありますよね。

久保 それは思いました。ナンパとかしてたのに、戻れない感じが切ない。

SYO あ、「ふくだ監督はハロプロ(ハロー!プロジェクト)に匹敵するほどの熱中ぶりが伝わってきます!」というコメントもありました。

ふくだ ありがとうございます(笑)。私はハロプロのアイドルもすごく好きなんですが、アベンジャーズもハロプロだなと思っているんです。

SYO おお!

ふくだ 「アベンジャーズ」シリーズって歳月を掛けて人間関係が見えてくるじゃないですか。アイドルもそうで、「この子とこの子は最初不仲だったけど、今はすごく信頼し合っているじゃん」という人間関係の萌えみたいなものがあるんです。

左から久保茂昭、ふくだみゆき。

久保 じゃあハロプロで自分だけのアベンジャーズも考えたりするの?

ふくだ スキルが高いJuice=Juiceというグループがいるんですけど、彼女たちは「ハロプロのアベンジャーズ」って言われてたりするんですよ。個々でもスキルがあって面白いのに、合わさったら確固たる絆があるというのがアベンジャーズにも重なって、すごく観ていて楽しいんです(笑)。

SYO またスタッフさんから「『HiGH&LOW』のアベンジャーズは?」という質問が来ましたが、久保監督はいかがですか?

久保 「HiGH&LOW」自体がアベンジャーズみたいな感じだと思っています。よく内輪でごはんに行ったときとかに、勝手に自分だけのLDHアベンジャーズを作ったりはしますね(笑)。

マーベルのおかげで私の人生ずっと楽しみがある!(ふくだ)

SYO 続いては第3話への期待を語っていただければと思います。

久保 ポスターにも姿がありますが、シャロン・カーターの登場の仕方が気になります。「シビル・ウォー」で彼女はキャプテンとチューしてますよね。そのときのサムとバッキーの表情が本当に愛おしくて。僕としてはシャロンが出てきたらまた2人のあの表情が観られるのかなという期待と、彼女が何を背負って生きてきたのかというのも楽しみですね。

ふくだ 第3話というか今後に期待することですが「サムとバッキーのコンビ感」です! 不仲な2人がタッグを組むってみんな大好物じゃないですか。このあと2人がどう信頼関係を築いていくのかがすごく楽しみです。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

SYO これまでの「アベンジャーズ」シリーズでは、キャプテン・アメリカとアイアンマンの互いに認め合っているけどずれている感じがよかったですもんね。アクションの面では、第1話でスカイアクション、第2話でトレーラーアクションが出てきましたが、今後どういうアクションが観たいですか?

久保 船のアクションが出てくるんじゃないかな。水中とかでサムが飛べなくなった場合のアクションや、彼らがうまくいかないシチュエーションでのアクションというのも観てみたいですね。

ふくだ 自分は「アベンジャーズ」シリーズで初めてアクションがメインとして入っている映画を観たくらいの新参者なのですが、久保監督のお話を聞いて「いろいろと考えられているんだ! だから面白いんだ!」というのを改めて感じました。

SYO まだまだお話を伺いたいところなのですが、残念ながらそろそろエンディングのお時間となりました。本日はいかがでしたか?

久保 今日は語らせてもらってありがとうございます! 事務所にもマーベルグッズがあふれているくらいのファンなのでこんな機会が自分に回ってくるとは思わなかったです。試写会に「インフィニティ・ウォー」のTシャツを着て行ってよかったなと(笑)。今後のマーベル作品には、どんどん期待を超えて、興奮させてほしいというシンプルな気持ちでいます! これからも監督という立場を忘れて楽しみたいですね。

ふくだ 私の周りにはマーベルの話をできる人があまりいなかったので、こんなに引かずに話を聞いてくれるのがうれしかったです(笑)。この先も待機作がたくさんあるので、本当にこのタイミングでマーベル作品を好きになってよかったなと。「マーベルのおかげで私の人生ずっと楽しみがあるやん!」と思っています。これからも作品が続いていってほしいなと思います!

(構成 / 山里夏生)

久保茂昭(クボシゲアキ)
1973年9月25日生まれ、東京都出身。代表作は「HiGH&LOW」シリーズや「小説の神様 君としか描けない物語」など。EXILE、安室奈美恵、DREAMS COME TRUEなどのMVも手がけている。
ふくだみゆき
1987年10月13日生まれ、群馬県出身。代表作は「こんぷれっくす×コンプレックス」「耳かきランデブー」など。5月28日には上田慎一郎と共同監督した「100日間生きたワニ」が公開される。
SYO(ショウ)
映画、ドラマ、アニメ、マンガ、音楽などのジャンルで執筆するライター。装苑、sweet、BRUTUS、GQ JAPANなどの雑誌のほか、多くのWeb媒体にも寄稿している。Yahoo!公式コメンテーターとしても活動中。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」はディズニー公式動画配信サービス・ディズニープラスだけの独占配信!

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

©2021 Marvel

ディズニープラスは、ディズニーがグローバルで展開する定額制公式動画配信サービス。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの名作・話題作が、いつでもどこでも見放題で楽しめる(一部個別課金あり)。さらに、ここでしか見られないオリジナル作品も続々と登場。「ディズニープラス」と「ディズニーDXアプリ」が楽しめるサービスは、dアカウントを使って加入可能だ。月額税込770円※①で、はじめてなら初月無料※②で利用できる。なおテレビ※③、スマホ、タブレット、PCなどのデバイスで最大5台まで登録が可能。同時視聴は4台までとなる。

  • ※① 契約日・解約日にかかわらず、毎月1日~末日までの1カ月分の料金が発生。別途通信料その他サービスによっては別料金が発生する。
  • ※② 31日以内に解約する場合、月額利用料は不要。ディズニーデラックスで初月無料適用したことがある場合は対象外となる。
  • ※③ 視聴には専用機器が必要。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」キャンペーン

期間:開催中〜2021年4月25日(日)毎週金曜 12:00〜日曜 23:59

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」を観て、マーベル・スタジオ公式Twitterアカウントで毎週発表されるトークテーマに沿ってツイートしよう。RTでキャンペーンを広めたユーザーの中から、抽選でQUOカードが贈られる。さらにハッシュタグ「#ファルコンウィンターソルジャー」「#ヒーローを語ろうキャンペーン」を付けてコメントを投稿した人の中から、QUOカードに加えてグッズをプレゼント。マーベル公式サイトには前週のトーク結果や、選ばれたコメントが掲載される。


2021年4月23日更新