「ダウントン・アビー」特集|各界のダウントニアン集結!シリーズ初の映画化に期待のコメント

世界200以上の国と地域で放送され、ブームを巻き起こしたイギリスのテレビシリーズ「ダウントン・アビー」が映画化。1月10日に日本公開される。物語の舞台は、テレビシリーズ最終回から2年後の1927年。英国国王夫妻を邸宅に迎えるという一大事を前に、グランサム伯爵一家と使用人たちの新たな騒動が描かれる。シリーズ生みの親である脚本家ジュリアン・フェローズや、伯爵未亡人役のマギー・スミスらオリジナルのスタッフとキャストが再集結し、全米では初登場ナンバーワンを獲得した。

映画ナタリーでは、「ダウントン・アビー」の熱心なファン“ダウントニアン”である海野つなみ、清水ミチコ、デーブ・スペクター、中瀬ゆかり、ハリー杉山の5人から届いたコメントを紹介する。貴族と使用人による群像劇、絢爛豪華な世界観、名優の演技、上品なブリティッシュイングリッシュ……。どこを切り取っても面白い「ダウントン・アビー」の魅力を、それぞれ異なるテーマで解説してもらった。

Introduction

2010年から2015年にかけて6シーズン全52エピソードが放送され、ゴールデングローブ賞やエミー賞など数々の賞に輝いた英国のテレビシリーズ「ダウントン・アビー」。20世紀初頭、イギリスはヨークシャーの大邸宅“ダウントン・アビー”を舞台に、グランサム伯爵クローリー家と使用人たちが繰り広げる愛憎入り混じった群像劇が人々を熱狂させ、世界中に“ダウントニアン”を生み出した。

初の映画化となる本作にはシリーズの生みの親であり、「ゴスフォード・パーク」で第74回アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した脚本家ジュリアン・フェローズが参加。当主ロバート役のヒュー・ボネヴィル、その母である先代伯爵夫人バイオレット役のマギー・スミス、長女メアリー役のミシェル・ドッカリーらおなじみの面々もそろっている。

Comments

海野つなみ(マンガ家)

時代に翻弄されながらも強く生きる女性たち

「ダウントン・アビー」より。左からローラ・カーマイケル演じる次女イーディス・クローリー、エリザベス・マクガヴァン演じる伯爵夫人コーラ・クローリー、ミシェル・ドッカリー演じる長女メアリー・クローリー。

タイタニック号に戦争と、「ダウントン・アビー」はエドワード朝から近現代へと変わっていく時代の物語なので、
様々な価値観が混在しています。
貴族の旧社会を体現しつつお茶目な伯爵未亡人バイオレット様、
アメリカから嫁いだ富豪の娘である伯爵夫人コーラ、家のための結婚で葛藤するクール&イケズな長女メアリー、
流されやすく時に大胆な次女イーディス、行動力があり自由な考え方を持つ三女シビル。
彼女達も、時代と共に大きなうねりの中で変化していきます。
特に、看護師となり運転手と結婚するシビルや、夫を失い領地の管理者として生きがいを見出していくメアリー、
未婚で子供を産みながらも出版社を切り盛りするイーディスと、三姉妹の変化から目が離せません。
母コーラも、最終的には病院の経営者として生き生きし出しましたね。

さらに、一くせも二くせもある使用人たちが細やかに生き生きと描かれているのも魅力の一つ。
それを「ゴスフォード・パーク」でアカデミー脚本賞を取ったジュリアン・フェローズ
群像劇として巧みに描くのですから、見応えたっぷりです。

一番好きなキャラクターと理由

マギー・スミス演じる先代伯爵夫人バイオレット(左)。

トーマス&オブライエンのワルワルコンビも好きだったのですが、
一番と言われるとやっぱり、みんな大好きバイオレット様ですね。
誇り高き貴婦人で、ちょいちょいイケズを言ったりウィットに富んでいたり、可愛らしいところもあって、
とにかく魅力的なおばあちゃまです。
演じるマギー・スミスの愛らしいこと!
ロシア貴族の秘密の恋人のエピソードにもびっくりでした。
三姉妹や母コーラのモダンなドレスも素敵ですが、バイオレット様のクラシックなドレスも素敵です。

映画版への期待

ダウントンにジョージ5世(ヴィクトリア女王の孫で現女王エリザベス2世の祖父)ご夫妻が~!?
しかもダウントンの使用人と国王陛下の使用人との対立~!?
もう、面白くないわけがありません!
カーソンさんの後を継いで執事となったトーマスはどんな策略で対抗するのでしょう。
パットモアさんの宿屋はどうなってるの~?(そこ!)

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海野つなみ(ウミノツナミ) 
8月9日生まれ、兵庫県出身。1989年、第8回なかよし新人まんが賞入選の「お月様にお願い」でデビュー。主な作品に「Kissの事情」「デイジー・ラック」「回転銀河」「小煌女」などがある。“契約結婚”をテーマに描いた「逃げるは恥だが役に立つ」は第39回講談社漫画賞(少女部門)を受賞。2016年に星野源と新垣結衣をキャストに迎えてテレビドラマ化され、社会現象を巻き起こすヒット作となった。

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清水ミチコ(タレント)

貴族の邸宅を舞台とした華やかな世界

「ダウントン・アビー」

映画やドラマは、日常を抜けて異空間に連れてってくれる身近な旅のようなもの。
私にとって「ダウントン・アビー」は、そういう現実逃避ができる非日常感そのものでした。
もしかしたらSFより遠いかもしれない。そのくらい知られざる貴族たちや、そこにつかえるメイド、執事たちの生活。執事なんて、聞いただけでリッチな響きです。まわりになかなかいません。

またファッションもインテリアも高貴で、派手になりすぎないデザインにも細部に見ごたえがあります。
同じ人間なのに城に住むようなヒトは全然違う、などとは思いながらも、恋愛や嫉妬、下世話な人間の感情も見え隠れし、どこも案外同じなんじゃないの~、と思わせられるセリフなども面白いです。

一番好きなキャラクターと理由

(家族で夕食ってときですら、皆さんあんなに着飾ってたのかなあ。寒いだろうにいちいち大変だったろうなあ)、などビンボーな見方をしてしまう私ですが、ドラマでの役としては、バイオレットさんが好きで出てくるのが楽しみでした。
なんと言っても皮肉なものの言い方。「役に立つことが言えないのなら、ロバート、黙ってて頂戴。」とか、お婆さんがシニカルでハッキリ言い放つ姿は痛快なものですねえ。

映画版への期待

アメリカ嫌いっぽいところがなぜかよく出てたりして、気が付けば、人間的な感情のたっぷり詰まった作品だったことにもあとから気がつくのでした。遠くて近い「ダウントン・アビー」。
映画版の2時間(?)の中に、どんなストーリーがどう凝縮されているのか、今から楽しみです。

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清水ミチコ(シミズミチコ)
岐阜県出身。1983年にラジオ番組の構成作家として活動を始め、次第に出演も。ピアノ弾き語りによるモノマネと音楽パロディを得意とし、2015年1月に自身初となる東京・日本武道館での単独公演を成功させた。テレビ東京「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」、ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(木曜)などにレギュラー出演している。近著に鼎談集「三人寄れば無礼講」(中央公論新社)がある。

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デーブ・スペクター(放送プロデューサー・タレント・放送作家)

アメリカ人も夢中になる英国の歴史ドラマ

「ダウントン・アビー」より、左からケイト・フィリップス演じる王女メアリー、サイモン・ジョーンズ演じる国王ジョージ5世、ジェラルディン・ジェームズ演じる王妃メアリー。

6シーズンもたっぷり楽しませてくれたので映画になるなんて夢のような話。キャストとの再会は待ちきれない。
アメリカに王族はいない訳でちょっと寂しいのか憧れますね。そもそも王族支配から逃げるためにアメリカを作ったのに忘れっぽい!
でも、やはり親密感が以前からあってイギリスに触れる時はよく“across the pond”という表現を使います。大西洋のことを小池(pond)と呼んで「小池のちょい向こう」と言う意味。つまりそれだけ近い気持ち。あくまでも東海岸ならではの表現だけど!笑

アメリカにとってイギリスは親みたいなもので巣立った後も気になる。
イギリスに詳しいようで詳しくないところもあって「ダウントン・アビー」でみんな大変いい勉強にもなった。
当時の生活はこうだったのかとか、現在に続くイギリス人の気質はこうだとか。
恥ずかしいけど放送が始まってから最初の2カ月間くらいは間違って「ダウントン」を「ダウンタウン」と言ってたくらい知らない事が多い!
でもそこが「ダウントン・アビー」の魅力。ある意味では時代劇なんです。ストーリーと共に歴史を知る楽しみがある。
日本もアメリカも現在英国のロイヤルファミリーへの関心が高い分「ダウントン・アビー」に魅了されるのはわかります。
テレビ版を先に観られない方はきっと映画をご覧になってからでも十分楽しめる。
ただ、観貯めをしたら仕事も学校も忘れますよ!
アメリカで公共放送のPBSでオンエアした影響もあって最初からハイレベルなドラマでイギリスの前評判は事前に聞いて心の準備は出来たが、まさかここまでの力作とは。
今まで見たことのないクオリティと言っても過言ではない。あっという間にアメリカで広がって観てない人がいると喧嘩になるくらい!
あれだけ米英が親密な関係なのに知らない事が多くて毎回ウィキペディアを開いた人も多い現象となった。

「ダウントン・アビー」より、使用人たち。

社会階級もシビアだったイギリスですが、「ダウントン・アビー」をきっかけによく話に出たのは、当時自分が生きていたら果たして上に住むのか下に住む人だったか。
イギリス人に会う度に「あなたダウントン・アビーなら上か下かどっち?」と少しひんしゅくをかいながらよく質問しました!
一応建前ではアメリカにそういった階級の制度がないから聞きやすいが!
テレビも映画もオープニングがスタッフの仕事ぶりと上に住む王族の1日の始まりでスタートして今日はどんな日になるか観てる方まで緊張。
自分も頑張ろうと不思議な気持ちにもなる。

今もゴシップってどこでも盛んであるが、ダウントンは上と下の世界が同時進行しながら互いのゴシップにも夢中。
現在と違ってスマホどころかテレビもネットも当然ないから、ゴシップは当時の最高のエンターテイメント。
ネットやSNSもないからゴシップはまだ口頭でダイレクト感がいい。
伝聞も手紙にしない限りは口頭で伝聞がまた伝聞になってトラブルになりやすい。
娯楽も限られてる事もあって、とてもメンバーが多い英国全土に点在してる王族のゴシップは言いたい放題でネタが絶たない!
しかもゴシップは王族に対してだとタブー感もあって、禁断の果実を食べる状態でダウントンのスタッフも緊迫する。
こっちが観てるだけで関係ないのにナーバスになるくらい!
当時はラジオと新聞と手紙くらいで、しかもそれらも少ないから人と人のコミュニーケーションが主流で、
それ以外の時間はたっぷりあるから自然など楽しめたいい時代でもあったと実感。

一番好きなキャラクターと理由

好きな登場人物を選ばせて頂くと……全員!
脚本が見事なのでどの人でも輝きますが、その中ではやはりマギー・スミスが演じるバイオレット。
あのイギリス特有のウィットとドライユーモアは天下一品。誰も及ばない。うんざりしてる時の目つきだけでも台本100ページ分に値する。
そしてあの演技力!! これこそ「大御所」という呼び方が正しい。
時代が違ってもエリザベス女王と共通する所があって不思議なリアリティ感があります。
頑張り屋のデイジーがあの時代では壁が多いのに向上心があって応援したい。
日本の若者にもきっといいメッセージになると思います。
めげないデイジーは本当に素敵。
唯一のアメリカ人では、グランサム夫人のコーラ。応援しない訳に行かないね!
アメリカ人のおこがましさが露呈され、保守的過ぎる旦那さんにコーラがこら!を言ってくれる時が盛り上がりますね。
今はアメリカ人のプリンセスであるメーガン妃もフィクションではなく実在してますので、ますますアメリカも日本も見入りやすい。

「ダウントン・アビー」より、ジム・カーター演じる元執事チャールズ・カーソン。

礼儀作法を重視する誰よりもイギリスならではの役は執事ミスター・カーソン。
言葉遣いにうるさくて仕事にプライドを持ち「紳士」。
下手したら雇ってもらってる王族より品位が高い。
結婚して家政婦長のヒューズと結ばれたが謙虚さは半端ない。
一度引退したがこの映画で復帰するのはとても楽しみ。
ダウントンのスタッフの完璧主義から見習うことがある。

映画版への期待

何にしても脚本も演技も演出も素晴らしいので悪役でも好きになる。
あのテーマ曲を聴くとわくわくします。
テレビドラマ版でさえ毎回映画並みのスケールだったので一体どういう作りになるか。
52話のドラマ版を全部見たが、必ずどこかで泣きますね。
友人と感想会も。
イギリスしか作れない宝物の作品。
見損なったらバイオレットに怒られますよ!
小指を立て紅茶飲みながら観ます!

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デーブ・スペクター
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身。1983年、米国ABC放送の番組プロデューサーとして来日する。日米交流の橋渡し役として、アメリカのテレビ番組や情報などを日本に紹介。コメンテーターとしてフジテレビ系「とくダネ!」、TBS系「サンデージャポン」などにレギュラー出演している。

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中瀬ゆかり(編集者・コメンテーター)

愛憎渦巻く人間ドラマ

このドラマは、自分を「使用人」(階下)の視点において観るか、「貴族」(階上)において観るか、の派閥に分かれるように思う。ちなみに私は作家にお仕えする編集者。完全に使用人目線で楽しんでしまった。

イギリス文学の重要なテーマでもある「相続」「継承」と、それに深く関わる「恋愛」「結婚」が結び付き、万華鏡のような人間ドラマを盛り上げる。おまけに冒頭から死者も続出だ(あのイケメンはもったいないことを)。貴族側は人格者のクローリー伯爵夫妻(私は上目遣いに困り顔でキメるコーラ夫人の顔真似ができる)に、高慢で美しく恋多き長女メアリー、何かと姉にいびられるちょっと残念な次女イーディス、進歩的で心優しい三女シビル。そして毒舌家のバイオレットおばあ様(シワシワなのにかっこいい!)……そこに姉妹の恋愛・結婚相手との駆け引きや秘め事がもれなくついてくる。でも男たちに飛び切りのイケメンがいないのがちょと残念。

「ダウントン・アビー」より、使用人たち。

そして階下の使用人側にも恋愛や人に言えない秘密、恐喝、殺人事件にいたるまで、あらゆるドラマが渦巻く。古めかしい価値観を持つ厳格な執事カーソン、品格を重んじる家政婦長のヒューズ、元軍人で足の不自由な従者ベイツと賢いメイド長アンナ(笑っていてもこのカップルに暗さを感じるのは私だけじゃないはず)、美男で嫌われ者の第一下僕トーマス、料理人のパットモアさんと若き助手デイジー……全部はとても書ききれないが、それぞれの個性とともに独特な意地悪さがあるのも魅力。まさに「みんな違ってみんないい」

あ、実はこの面白すぎる物語は、意地悪や毒舌、皮肉、憎しみ、嫉妬、時代遅れになっていくことの哀愁、など負の感情の味つけが絶妙で、私たちを痺れさせてくれているのかもしれない。意地悪・毒舌って実はみんなの大好物だからね。

一番好きなキャラクターと理由

「ダウントン・アビー」より、左からソフィー・マクシェラ演じるデイジー・メイソン、レズリー・ニコル演じるベリル・パットモア。

使用人サイドなら断然料理人のパットモアさん。太っちょで陽気な彼女はいつも誇りを持ってプロの仕事をこなしているし、おせっかいで噂好き、常に人にやさしく、ユーモアたっぷりの皮肉で返すその立ち居振る舞いから目が離せない。教養はないけど、地頭がいいし、根っからの善人だ。もし「ダウントン・アビー」の世界に自分を投じるとしたら彼女の見事なお料理をいただきながら階下で一緒に笑い転げたい。まさに太っ腹な「理想のおばはん像」だ(体形に自己投影しているのかも)。

もう一人は貴族側代表で毒舌女王のバイオレットおばあ様。元伯爵夫人の威厳とともに時代遅れの価値観を遺憾なく発揮し、なかなか引退しきれずしゃしゃりでる感じや、昔の恋愛から事件に巻き込まれるなど、まったく枯れないその姿にキュートさを感じる。また意外にも他人の恋愛への見事なアシストぶりも発揮。愛に寛大なその姿は「理想のババア像」。

映画版への期待

「ダウントン・アビー」シリーズが終わって、いまだに長いロスに悩まされている私。こんな面白いドラマには一生でもう出会えない!と悶絶中。一応新年を迎える席でのお祝いの大団円で終わってはいるけど、あのエピソードの続きや、3つほど予兆が残っている恋愛の行方など、まだまだ見定めたいことがたくさんあるじゃーん! 時代の流れと共にお屋敷はどうなってしまうのか、クローリー家の行方は代が変わっても見続けたい……。

と思ってたところになんと映画化の朗報が! 最終話から2年後の1927年が描かれる!? しかもイギリス国王がダウントン・アビーを訪問されるだなんて。大好きなバイオレットおばあ様も大活躍するみたいだし、パットモアさんたちの恋の予感の続きも出るのでは? もうわくわくが止まらない! 監督と脚本が同じなのも嬉しすぎ。すでに頭の中では、あのテーマ曲が繰り返し鳴り響き続けている。そして、この映画きっかけで、シーズン7の製作もぜひぜひご検討いただきたく……よろしくお願いします!!

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中瀬ゆかり(ナカセユカリ)
和歌山県出身。奈良女子大学英語・英米文学科卒業後、新潮社へ入社。編集者として白洲正子、野坂昭如、北杜夫、林真理子らを担当した。「新潮45」編集長、「週刊新潮」部長職編集委員などを経て、現在は新潮社出版部長。コメンテーターとしてTOKYO MXの「5時に夢中!」やフジテレビ系「とくダネ!」、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演中。

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ハリー杉山(タレント)

イギリス英語から見えてくる階級社会

一世を風靡した「ダウントン・アビー」。その予想不可能で時には美しく、大英帝国の伝統も感じられれば、黒く下劣な人間の本質も楽しめるのが「ダウントン・アビー」。

「ダウントン・アビー」

社会、哲学、ファッション、歴史など様々な角度から学べる事はありますが、僕はイギリス英語の様々な“色”が明確に感じられる事にもグッと来ます。“Above the stairs”には貴族、“Below the stairs”には労働者階級。もちろんイギリス英語はイギリス英語ですが、貴族が話すposhなクイーンズイングリッシュと執事やメイドたちが話す言葉は全く別物です。

今でも喋る英語は必然的にステータスに繋がるので是非ともそれぞれのキャラクターが話すイギリス英語のアクセントにも注意してほしいです。何故なら今でも話す英語によってイギリス人は色眼鏡をかけて見る癖がありますので……ちなみに時と場合によってはクイーンズイングリッシュを話しても不利になることもあるので……お気をつけあそばせ……。

一番好きなキャラクターと理由

ウィットに富んだ、バイオレットおばあさまです。「ダウントン・アビー」の一番の宝石は彼女の存在感。知性に溢れる貴族中の貴族。時には意地悪、時には無邪気な少女にもなる憎めないバイオレット様の一言一言の破壊力は凄まじく、彼女の語録は世界中で注目されています。僕が特に好きなバイオレット語録はシーズン4。イザベルが彼女に
“How you hate to be wrong,” “あなたは間違ってる事を認めるの、本当嫌いよね?” そしたらバイオレット様は“I wouldn't know. I'm not familiar with the sensation.” “何言ってるの? 私は間違えるという快感を味わった事はないわ” このような絶妙な返しがスクリーンに出ると期待させてくれるのがとにかく好きなのです。

映画版への期待

我が家にはシリーズ6まで僕が書いた家系図があります。もっというと「ダウントン・アビー」ノートも作ってます 笑
誰が誰と結ばれるのか? 誰が失脚するのか? 誰と我々は別れを告げるのか……?
最高のローストビーフを前にしたように私の口からはよだれが溢れ出ています。

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ハリー杉山(ハリースギヤマ)
1985年1月20日、東京都出身。英国王エドワード1世の子孫。11歳で渡英後、英国最古のパブリックスクール・ウィンチェスターカレッジに進学し、ロンドン大学に進む。NHK Eテレの「おもてなしの基礎英語」、フジテレビ系「ノンストップ!」などにレギュラー出演中。GOETHE WEBにてコラム「Manners Makyth Man ハリー杉山の紳士たれ」を連載している。俳優としてはNHK連続テレビ小説「まんぷく」などに参加。

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2020年1月9日更新