猟人日記(1964年)
リョウジンニッキ
上映時間:123分 / 製作:1964年(日本)
解説 「にっぽん昆虫記」「月曜日のユカ」「赤い殺意」などと並ぶ日活エロス路線の力作。江戸川乱歩賞を獲得し、一躍、猟奇推理小説家として有名になったシャンソン歌手・戸川昌子の原作を浅野辰雄が脚色。しかも戸川昌子自ら主演するというセンセーショナルな話題をふりまいた。夜な夜なガールハントし、その猟の成果を“猟人日記”と題したノートに記していた男が巻き込まれる連続殺人事件。異常性生活のクールな描写、そして事件が解き明かされていくミステリーの面白さ。緻密なカメラワークとカット割りが、暗いエロティシズムと隙のないサスペンスを醸成していく。演出巧者・中平康の面目躍如。『流浪の民』が朗々と流れる薄暗い喫茶店や、猟色にとりつかれた男の過去の秘密の深層心理的フラッシュバックなど、宿命的ムードに貫かれた黒白撮影が見事だ。
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