篠原千絵コメント
カイルとスレイマンは共に一国の皇帝ですが、性格はかなり…というか炎と氷くらい違うイメージで考えています。カイルが炎でスレイマンが氷かなと。
寝そべったポーズは好きでよく描きます。炎でも氷でも色っぽい雰囲気をだすには、よい構図だと思いまして笑。
篠原千絵が姉系プチコミック(小学館)で連載中の「夢の雫、黄金(きん)の鳥籠」14巻が、7月8日に発売された。同作は16世紀のオスマントルコを舞台に、奴隷の身分から皇帝の側室となった女性・ヒュッレムの生涯を描いていく歴史ロマンだ。
コミックナタリーでは新刊の発売を記念し、「夢の雫、黄金の鳥籠」の特集企画を展開。「夢の雫、黄金の鳥籠」と、同じくトルコを舞台とした物語であり篠原の代表作の1つでもある「天(そら)は赤い河のほとり」にフォーカスし、「王」「花」「三角関係」など5つのテーマから2作品のカラーイラストを振り返っていく。また番外編として、篠原がこよなく愛する「猫」についても綴ってもらっている。篠原がそれぞれのイラストを解説するコメントや、連載10年目を迎えた「夢の雫、黄金の鳥籠」、描き続けてきたトルコへの思いを明かしたインタビューにも注目してほしい。
取材・構成 / 三木美波
カイルとスレイマンは共に一国の皇帝ですが、性格はかなり…というか炎と氷くらい違うイメージで考えています。カイルが炎でスレイマンが氷かなと。
寝そべったポーズは好きでよく描きます。炎でも氷でも色っぽい雰囲気をだすには、よい構図だと思いまして笑。
「夢の雫」にチューリップを使うのは、現在のトルコの国花でオスマン朝でも文様などにもよく使われた花だからです。
ヒッタイト帝国のシンボリックな花はわかりませんが、首都ハットゥサは水に恵まれた都ということなので蓮を好んで描きました。
ただハットゥサの気候風土を考えると、蓮に合う環境には思えないのですが(汗)
カイルの即位後は百合もわりと描いてました。高貴なイメージがあるからですが、これもやはりヒッタイト時代にはなかったでしょうね(汗)
こちらも対照的な空(のつもり)です。
「夢の雫」は海に囲まれた街イスタンブルの潮の香りのする空で、「天河」は中央アナトリアの乾いた空気の中の真っ青な空(のつもり)。
ユーリとヒュッレムも動と静の対照的なキャラクターなのですが、ユーリのほうがわたしにとっては描きやすいタイプなので、ヒュッレムがそっちに引っ張られないように気をつけながら描いてます。
三角関係というのは同じですが、ベクトルがまったく違うと思ってます。
「天河」は男性2人はヒロインにぞっこん、ヒロインはヒーローに一途。
「夢の雫」はヒュッレムとイブラヒムのベクトルは自分以外のふたりに、でもスレイマンはそもそもベクトルがあるのか謎笑。というイメージです。
男性のタイプとしてはスレイマンが一番面白いと思ってますが、彼氏はもちろん友人としても面倒くさいでしょうね笑。
猫をテーマにいれていただき、ありがとうございます!!
猫を描くのはいろいろ理屈はつけられますが、基本的にただひたすら好きだからっ!!︎に尽きます 笑笑。男性キャラクターと合わせるのは、猫のしなやかさが女性を思わせて男性キャラクターの艶っぽさを際立たせてくれるからでしょうか。
ラムセスと一緒の猫は友子という名のオシキャットです。2000年に亡くなってしまったのですが、わたしの猫で最初に亡くなった子でしたので、もう悲しくて、思わず描いてしまいました(汗)
スレイマンと一緒の猫たちは茶色がシン、白色がネピス。ベンガルの兄弟です。2018年の1月と2月に立て続けに亡くなりこちらもとてもショックで、単行本の表紙になればずっと残ると友子で味をしめた次第です 笑。
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篠原千絵インタビュー