西山宏太朗×WF-1000XM4|ソニーの完全ワイヤレスイヤホンを体験 「いい音って、こんなにも生活の質を上げてくれるんだ」

優しく温かみのある声を特徴とし、数々のアニメに出演する西山宏太朗。2020年10月にはソロアーティストとしてデビューし、今年7月に2枚目のミニアルバムをリリースした。コミックナタリーではそんな西山に、ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を体験してもらう企画を実施。音作りにも積極的に関わったという西山は、自身のこだわりが詰まった楽曲を「WF-1000XM4」を通してどう聴いたのか。かねてよりファンを公言する藤井隆とハロー!プロジェクトの音楽も試聴し、その高性能なノイズキャンセリング機能で音楽の世界に浸ってもらった。また「WF-1000XM4」の使い心地だけでなく、音楽遍歴やアーティストデビューの裏側、声優業と音楽活動の声の使い分けについても明かしてくれている。

取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 須田卓馬
インタビュー動画撮影・編集 / ミヤタコウスケ

ソニー「WF-1000XM4」

ソニー「WF-1000XM4」

業界最高クラス(※1)のノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホン。LDACコーデックに対応しており、ハイレゾ音質も高音質に再生できるだけでなく、あらゆる圧縮音源がイヤホン側でハイレゾ級(※2)にアップスケーリングされる。また音や人の声が気になる環境下でも正確かつクリアに集音するため快適な通話が可能。そのほか防滴性能や風ノイズ低減、ロングバッテリーなどの機能も盛りだくさんだ。

※1 完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2021年4月26日時点。ソニー調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る。

※2 「DSEE Extreme」ON時にCDやMP3などの圧縮音源をSBC / AAC / LDACのコーデックでBluetooth再生する際、最大96kHz / 24bitまで拡張(再生機器の仕様によっては、圧縮音源をLDACで伝送する場合でも「DSEE Extreme」が無効になる場合あり)。

西山宏太朗インタビューをダイジェストでこちらから

粘着質なラブソングを歌いたい

──まず、西山さんがこれまでどのように音楽と触れ合ってきたのかというお話から聞かせてください。少年時代の音楽体験はどんな感じでした?

小学校2年生か3年生くらいの頃になるんですけど、初めてハマったアーティストがモーニング娘。だったんですよ。姉が「サマーナイトタウン」の8cmCDを持っていまして、それを聴いて「カッコいいなー!」ってガツンときたんです。アイドルというジャンルでありながら、楽曲の大人っぽさがすごくいいなあと。家のラジカセでよく流していました。

──ファーストインパクトが「サマーナイトタウン」だったんですね。

そこからハロー!プロジェクト全般を追いかけるようになって、自分で初めて買ったCDはタンポポの「恋をしちゃいました!」でした。僕の音楽ルーツと言うんですかね、聴いてきた濃度が一番高いのがハロー!プロジェクトだったなと思います。ハロプロ以外では藤井隆さんの楽曲も好きで、よく聴いてきましたね。ハローとタカシが僕のルーツ2本柱です。

「WF-1000XM4」と「ウォークマンA100シリーズ」を使用して楽曲を試聴する西山宏太朗。

「WF-1000XM4」と「ウォークマンA100シリーズ」を使用して楽曲を試聴する西山宏太朗。

──どちらもビート感の強いポップな音楽というイメージですね。

そうですね。そういうもの以外だと、手嶌葵さんもすごく好きで。「ゲド戦記」の主題歌「テルーの唄」から入ったんですけども、ライブで聴くとその世界観にうっとりしてしまうんですよ。ゆったり身を委ねられるような音楽も大好きです。

──なるほど。では、聴く側ではなくアーティストとしてはいつ頃スタートしているんでしょうか。

声優としてデビューして以降ですね。仕事としてキャラクターソングなどを歌わせてもらうようになるまで、僕にとって音楽はあくまで「聴いて楽しむもの」という感じでした。

──そうなんですね。西山さんは昨年10月にミニアルバム「CITY」でソロアーティストとしてもデビューされましたが、聴いてきた音楽が歌手活動に影響している部分は何かありますか?

めちゃめちゃありますね。今年の夏に「Laundry」という2枚目のミニアルバムを出したんですけれども、その作品テーマが「じめっとした恋」だったんですよ。まさにつんく♂さんがハロー!プロジェクトの楽曲で表現していたような、大人っぽくて湿度たっぷりの、ちょっと粘着質なラブソングを歌いたいなと。もちろんカラッと明るいラブソングもいいんだけど、じとっとした方向に振りたくなったのは、完全にハロー!プロジェクトの音楽を聴いてきた影響だと思います。

──言うなれば、歌詞の方向性がハロー寄りで、サウンドの方向性が藤井さん寄りというイメージですかね?

そうですね! 確かにそうかもしれない。

西山宏太朗

──西山さんのアルバムには、ハロプロ仕事でよく知られている作詞家の児玉雨子さんや作曲家の星部ショウさんも作家として参加されていますよね。

そうなんですよ……。こんな夢のようなことが起きていいのかと(笑)。僕としては「片足をハロプロに突っ込んだんじゃないか」ぐらいの気持ちで歌わせていただきましたね。

──この人選は、西山さんのご指名で?

いえ、お二方ともレーベルがつないでくださった感じで。児玉雨子さんはレーベルの方がオファーしてくださって実現した形だったんですけども、星部ショウさんに関してはたまたま楽曲コンペにデモを出してくださっていたんですよ(笑)。集まったデモの中に「めちゃくちゃいい曲だな」と思ったものがあって、クレジットを確認してみたら「星部ショウ」と書いてあって! 度肝を抜かれましたね……。

音楽を楽しくやろうプロジェクト

──ソロアーティストとしてのデビューは、どういう経緯で決まったのでしょうか。

そもそもは、レーベルの方から呼び出されて……。

──「呼び出されて」(笑)。

あははは(笑)。「なんだろう、怖いな」と思いながら行ったら、「よかったらアーティスト活動しませんか?」というまさかのお誘いで。僕自身は、声優としてキャラクターソングをライブ歌唱することで音楽活動には満足していたところがあったので、「自分の名義で音楽作品を出す」という未来をあまり想定していなかったんですよね。

──とはいえ、近年では「歌手活動も声優の基本業務の1つ」くらいの感覚になっていますよね。特にキャラソンで実績のある方の場合、ほとんど歌手デビューされていると言っても過言ではないくらい。

確かに! そうですね……。

──それを考えると、西山さんのところにそういうお話が来るのも至極当然のことのように思えますが……。

これが、まったく思っていなくて(笑)。「まさかの!」みたいな感じだったんですけど、キャラソンなどで僕の実力をわかったうえでオファーしてくださるのであれば、乗っからせていただこうかなと。そもそも歌にすごく自信があったわけでもないし、自分への不安もあったんですけど、「アーティストとして活動するとしたら、どんな音楽をみんなに届けられるだろう?」みたいなことを考えていくうちに、「そんなふうに考えるということは、自分の中にやりたい気持ちがあるんだな」と気付いたんですよ。

──なるほど。

最終的には「アーティスト活動をすればもっと音楽を好きになれて、もっと歌うことを楽しめるようになるかもしれない」と思ったんです。だから、僕にとってアーティスト活動は「音楽を楽しくやろうプロジェクト」みたいなところがあるんですよね。

──ただ、「まさか」で始まっている割には、ご自身で作詞もされていたり……。

ノリノリでやってる感じですよね(笑)。

西山宏太朗

──そう見えます(笑)。

やっぱり、もの作りが好きなんでしょうね。コンペ楽曲の選定やレコーディングはもちろん、トラックダウン(バラバラに録音された各音の音量調整、音質調整を行う作業のこと)にも立ち会って意見を出させていただいたりしています。「音楽作りに関われている」「作品を作り上げていく過程の1ピースになれている」と感じられることが、やりがいになっているんだと思います。

──声優業と音楽活動はどちらも声の表現としては共通するものですが、どんな違いを感じていますか?

音楽では正確なリズムやピッチが求められるという点で、明確な“正解”があるんですよね。もちろんお芝居でも、アニメーションや外画アテレコの場合は口パクに合わせてしゃべらないといけないんですけど、節回しなどに関しては割と自由なんです。そういう意味では音楽のほうが気にすることが多いというか、考えなくちゃいけないことの割合が大きいかなと思っていますね。

──では、キャラソンとオリジナル曲の違いはどんなふうに感じますか?

けっこう「意外だ」と言われるんですけど、“自分”で歌うほうが楽だなと。キャラクターソングの場合は想定すべきキャラクターがいて、ビジュアル、しゃべり方、トーンなどがわりかし決まっているので、ある意味制約が多い。だから、そのキャラクターの画像を表示したスマホを正面に置いて、それを鏡のようにイメージしながら歌ったりするんです。そのほうがより入り込めるというか。その点、アーティスト活動ではその工程が必要なくて、勝手に歌っちゃえばいいんで(笑)。

西山宏太朗

──声優さんの場合、「演じるほうが楽」「自分本来の歌声って何?」みたいにおっしゃる方が多い印象があるんですけど、西山さんはまるっきり逆なんですね。

でもライブパフォーマンスの場合は、それをめちゃめちゃ感じますね。先日「あんさんぶるスターズ!」のライブがあったんですけど、そのときは「奏汰のキラキラ感やのびのび感に近づきたい」という一心で迷いなくレッスンを重ねることができたので、すごく「奏汰がいてくれてよかった」と思えたんです。逆にアーティストとしてステージに立つときは、「誰も頼れない!」「どうしたら正解なんだ!?」みたいな(笑)。レコーディングでは何も意識せず歌えたのに、ステージでは自分の思う“西山宏太朗像”を自分で考えて描くしかないんだなと痛感しましたね。

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地下鉄には必需品


2021年11月5日更新