アニメ「SHY」下地紫野×東山奈央が語る、誰にとっても温かなヒーロー物語 (2/2)

目に浮かぶテルと惟子が一緒に歌う姿

──先ほど話に出た第2話から、東山さんと下地さんで歌われたエンディング主題歌「シリタイキモチ」が流れるそうですね。

下地 2人の掛け合いになっているところがすごく好きな曲です。作品自体のテーマにもつながりますが、うまく言葉を紡げないときなどに寄り添ってくれたり、代弁してくれたりする関係性が描かれていて。みんなで掛け合いしながら歌ってくれたらうれしいです。

東山 2人じゃなきゃ歌えないように作られているしね。そのニコイチ感がまたいい。だからこの記事を読んでいる人も、大切なお友達と一緒に歌ってほしいです。そう言えば、私たち2人でデュエットしたのは初めてだよね?

下地 確かに! そうですね!

東山 だから「紫野ちゃんがこの曲に対してどんなアプローチをするかな?」って思っていたけど、私が先に収録することになって。だから「惟子は天真爛漫で元気いっぱいだけど、テルちゃんと寄り添って歌うならこれくらいソフトな感じがいいかな」と、紫野ちゃんが演じるテルちゃんを思い浮かべながら歌いました。

下地 そんな奈央さんのお陰で、作中でテルは惟子ちゃんに引っ張ってもらうことが多いですけど、歌でもそういった雰囲気が出せたと思います。私は、2人が学校帰りにカラオケに行っている様子をイメージしました。「そんな! いいですよ!」と言うテルに対して、惟子ちゃんから「一緒に歌おうよ!」と言われて結局一緒に歌う……みたいな。

下地紫野

下地紫野

東山 テルちゃんは恥ずかしがって蚊の泣くような声で歌ってそう(笑)。マイクが胸元くらいの高さにあって、「聞こえない聞こえない! マイクはここだよ!」なんて言われて。

下地 直してもらっても、歌ううちにまたマイクの位置が下がっていったり(笑)。かわいいですねー。

東山 微笑ましいよね!

かわいいキャラクターが多すぎる!

──そんなテルと惟子以外にも「SHY」にはいろんなキャラクターが登場します。個人的にはカッコよく、かわいいヒーローが多いのが「SHY」の特徴だと感じますが、カッコいいとかわいい、それぞれのジャンルで特に印象的なキャラクターを教えてください。

下地 カッコいいで最初に思い浮かぶのはスターダストですけど、シャイを推させてください。あんなに引っ込み思案なのにヒーローをしているのもすごいし、相手にぶつかっていくハートの強さもあるんです。

東山 やっぱり主人公なんだよね。シャイにはいろんな戦いが待っているけど、最後まで諦めないし、弱さを乗り越えていく強さがある。見た目はか弱いものの、心がイケメンなんですよ。

下地 かわいいキャラクターで言うと……クフフさん?

東山 でもミェンロンも村瀬(歩)くんが本領発揮し過ぎてるし。

下地 アフレコでも「もっとかわいく」とディレクションされたら、村瀬さんも「わかりました!」とどんどんかわいいミェンロンくんになっていって……。早く見ていただきたいです。あとはテルも惟子ちゃんもかわいいし。スピリッツもいつも酔っ払ってご機嫌な感じで、こっちまで楽しい気持ちになれて好きです。

東山 能登(麻美子)さんのお芝居が、本当にホワホワとしていて、でも豪快に酔っている感じが素敵で。そしてかわいいんです。

東山奈央

東山奈央

下地 ユニロードさんもいいですよね。きっこさん(井上喜久子)以外考えられないです。

東山 お花が舞っている感じというか。あのほんわか感とめちゃくちゃ偉い人らしい説得力も兼ね備えて声に出せるのはやっぱりきっこさんしかいない!

下地 みんなに「おいおい」とツッコませるような具合の隙も見せてくれるんですよね。

東山 かわいい部門は候補が多すぎるね。でも私はレディ・ブラックかなあ。ちょっとツンケンしてるけど、意外と余裕がないところがかわいい。

下地 それが隠せてなかったりするのもいいですよね。

東山 そのかわいらしさが(鈴代)紗弓ちゃんのお芝居によって倍増されてるというか。なんでもオーディション時にあるセリフをお茶目に読んだのが彼女だけで、それがキャスティングの決め手になったみたいで。でも紗弓ちゃんはその話を聞いて「そうなんですか? このセリフってそういうものだと思ってました!」と言っていて。彼女からナチュラルに出たものがレディ・ブラックにハマったというのも素敵だなと思いました。

TVアニメ「SHY」より、レディ・ブラック(CV:鈴代紗弓)。

TVアニメ「SHY」より、レディ・ブラック(CV:鈴代紗弓)。

──最後にアニメを楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

東山 「SHY」のいいところは、きちんと心に残るメッセージがあるところだと思います。何か克服したい思いや、もっと言うと「自分なんか消えてしましたい」みたいな思いを抱えているキャラクターたちが、どうやって前を向いていくのか描かれ、すごく勇気をもらえる作品です。だから皆さんも、この作品を観て「そういう考え方もあるな」とか「前を向いてみようかな」というふうに、自分の中に勇気の火を灯してもらえたらうれしいなと思います。

下地 本当に温かいパワーをたくさんもらえる作品ですよね。テルであってもシャイであっても、勇気が出なくてモジモジしている様子は多くの人が共感してくれるでしょうし、そんな彼女がヒーローとして覚悟を決める姿は勇気をもらえるはずです。あと、本当にかわいいキャラクターがたくさん登場するので、そこも期待して観てほしいです(笑)。

下地紫野と東山奈央。

下地紫野と東山奈央。

プロフィール

下地紫野(シモジシノ)

6月4日生まれ、沖縄県出身。青二プロダクション所属。主な出演作に「アイカツ!」シリーズ(大空あかり役)、「ハクメイとミコチ」(ミコチ役)、「バトルガール ハイスクール」(国枝詩穂役)など。

東山奈央(トウヤマナオ)

3月11日生まれ、東京都出身。インテンション所属。主な出演作に「神のみぞ知るセカイ」(中川かのん役)、「きんいろモザイク」(九条カレン役)、「ニセコイ」(桐崎千棘役)、「マクロスΔ」(レイナ・プラウラー役)、「ゆるキャン△」(志摩リン役)など。