コミックナタリー PowerPush - 柳内大樹「セブン☆スター」
「ギャングキング」作者の最新不良マンガ 魅力的なキャラクター作りの極意とは?
ロック、アメカジ……7人のファッション事情
──ファッションにもいろいろとこだわりがありますよね。セブン☆スターは7人とも、服の系統が違います。
そうなんですよ。僕、洋服好きなので。タクボンはロックテイストな感じですね。白の革ジャンをいつも着てます。実はこの革ジャンもタクボンのモデルの友人がいつも着てまして。革ジャン着てチャリンコ乗ってるような奴なんですけど(笑)。
──そう言えばタクボンも革ジャンでチャリンコ乗ってましたね。
そうそう、モデルにしてます。あと革って固いから動きを描くのが難しいんですよ。そこがカッコいいところなんですけどね。なのでその友人に革ジャン借りて写真に撮って、それを見ながら描いたりしてます。もうそろそろ返してくれって言われてるんですけど(笑)。
──ははは(笑)。逆に、雄次郎は割とラフなファッションですね。
彼は着るものにこだわりがない感じですね。田舎の男前だけどカッコつけない奴っているじゃないですか。そういう、男前に乗っかっちゃってるタイプです。で、力矢は仕事着と言うか、ドカジャンとか着てカッコいいぜって思ってる感じ。
──ほかの4人はまだ作中に登場していませんが、全身の後ろ姿だけは出ています。
スーツにコートを着たホスト系とか、スカジャンとか、アメカジとかね。
──ファッションは雑誌とかを見て研究されるんですか?
流行りが好きじゃないので、そういうのに流されないような雑誌なら見ますね。若い人だけじゃなくて、おじいちゃんおばあちゃんまで、いろんな街の人を撮ってるような雑誌とか。
放っておくとどんどんキャラを出してしまう
──そもそも7人の男の物語を描こうと思ったきっかけは何だったんでしょうか。
「ギャング」でキャラ数を出しすぎたなと思ったんです。それで、もう少し人間をじっくり描きたいなと思ったときに、キャラクターの人数を制限したらいいんじゃないかと思って。もう多重人格かっていうくらい僕の中にいろんなキャラクターがあるんで、放っておくと出しちゃいそうになるんですよ。
──最初から7人に絞っておけばいい、と。ほかの4人がどんなキャラクターなのか、いまから楽しみです。
誰も言ってないだけで、もう登場してるキャラクターが実はセブン☆スターの1人かもしれませんしね(笑)。あと一番強いと名前だけ出てきている美船敏郎が、この後姿のどれなのか予想して楽しんでほしいですね。
今から2年前、東京・築地の街を救い、一夜限りの伝説となった7人の若者たち。通称“セブン☆スター”。主人公・川谷卓三(通称:タクボン)は、地元の築地をこよなく愛する20歳。実家の屋形船を手伝いながら、 同じセブン☆スターの雄次郎らとともに、楽しく暮らしている。そんな中、セブン☆スター第3の男・力矢が変わり果てた姿で発見され、タクボンらを巻き込む大事件を起こす。
柳内大樹(ヤナウチダイジュ)
1975年生まれ、富山県出身。1995年、ヤングマガジンエグザクタ(講談社)にて「別天地」でデビュー。その後、ヤングキング(少年画報社)にて代表作「ギャングキング」を連載。単行本累計1000万部を突破する人気作品となる。そのほか著作に「軍艦少年」(講談社)、「ガキ☆ロック」(秋田書店)、「新説!さかもっちゃん」(集英社)など。2014年4月、ヤングマガジン(講談社)にて「セブン☆スター」の週刊連載を開始する。