コミックナタリー PowerPush - 柳内大樹「セブン☆スター」

「ギャングキング」作者の最新不良マンガ 魅力的なキャラクター作りの極意とは?

柳内大樹の最新作「セブン☆スター」は、7人の若者たちが結成した一夜限りの伝説のチーム“セブン☆スター”を描くヤンキーマンガ。ヤングキング(少年画報社)、週刊ヤングジャンプ(集英社)などさまざまな場で活躍してきた彼が、デビューを飾ったヤングマガジン(講談社)に帰還し、週刊ペースで連載を行っている。

代表作「ギャングキング」では、各地の不良少年たちがこぞって髪型を真似したりするほど魅力的なキャラクターを生み出してきた柳内。最新作「セブン☆スター」でも個性あふれる男たちが多数登場している。コミックナタリーでは、そんな柳内にキャラクターの創作術を聞くとともに、同作の主要人物たちを解説してもらった。

取材・文/坂本恵

 
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セブン☆スターとは……

いまから2年前、東京・築地で当時の高校の番長や暴走族の頭、ギャングのトップや愚連隊のリーダーなどが奇跡的に集まり、7人で結成された一夜限りの伝説のチーム。

コイツらがセブン☆スターだ!
安岡力矢
アルコール中毒の巨漢。できちゃった結婚するが嫁が出て行ってしまい、4歳の息子・リキジと2人暮らし。
川谷卓三
通称タクボン。築地生まれ築地育ちの20歳で「マッドネス」の通り名を持つ。実家の屋形船を手伝っているが、夢は世界一のベーシスト。
石原雄次郎
タクボンの親友。トレードマークのグラサン姿で、カスタムのSRをド派手に乗り回す。いつもはゆるい話し方だが、ケンカになると激しく暴れ出す。
六本木自由党 松田友作
六本木自由党(通称:ポン党)
松田友作(フリーマン)
「自由」を信条とし、その意志を貫き続ける規格外の男。タクボンたちの生まれ育った築地市場をぶち壊し、その跡地にカジノ建設を狙っている。
柳内大樹インタビュー

タクボンの髪型は「バッファロー'66」のヴィンセント・ギャロ

──柳内先生の描かれるキャラクターは本当に魅力的で、「ギャングキング」では登場キャラに憧れすぎて、髪型を真似するような少年も現れるほどでした。本日はそのキャラクター作りの源泉について伺っていきたいと思っています。まず最初に、主人公のタクボンはどうやって生まれたキャラなんでしょうか。

ヴィンセント・ギャロの髪型をモデルにしたというタクボン。

まず、この髪型を描きたいと思ったんです。モデルは「バッファロー'66」のヴィンセント・ギャロ。あの髪型がカッコいいと思ったところから、タクボンのキャラクターを考えました。実は「ガキ☆ロック」のマコトのときからやりたいと思ってた髪型なんですよ。

──単行本1巻の巻末に掲載されているタクボンのキャラクター設定画にも「決まった髪型がないくらいグシャグシャ」という走り書きや、何パターンものヘアスタイルが描かれています。

こういう設定にこだわったりとか、僕は普段あんまりしないんですけど、タクボンの髪型に関しては何回もデッサンしてましたね。「バッファロー'66」のDVDを一時停止したりして(笑)。髪が固まってないから、すぐ崩れるんですよ。それがカッコよくて。髪を掻きあげてる仕草なんか、ホントいいですよね。

「セブン☆スター」1巻の表紙。

──1巻表紙のタクボンも、髪を掻きあげてますね。でも、髪型があまり決まっていないキャラクターって珍しいと思うんです。普通はキャラクターって、髪型で描き分けたりしますよね。

普通はそうですよね。僕、そういう初めてのことやりたがるところあるんです(笑)。しかしやってみたはいいものの、この髪を描くのはほかと比べて断然しんどいですね。本当に時間かかります。ただ顔は一瞬で決まりましたよ。

──ストーリーよりも先に、タクボンのキャラクターを作ったんでしょうか。

「ギャング」のときもそうだったんですけど、僕はキャラクターを先に作って、あとは設定をあてがって、もうそいつに任せる感じですね。キャラがどう思ってどう行動するか。だからお話は途中でどんどん変わっていきます。デビュー当時はもっとガチガチに固めてたんですけど、キャラクターをしっかりさせれば、あとは勝手に進んでいくんだなあというのを体感して。

──キャラクター設定表みたいなものを、最初に作るんですか?

いや、キャラクターをしっかりさせるというのは、設定に凝るというのもまた違うので。「ギャング」のときなんて、特にゾンビなんか原稿の時点で描いて決めたりしてましたね。ジミーとバンコだけは設定表を作ってたような気はしますけど、あとはもうそのまま原稿を描くときに「どうすっかなあ」って(笑)。

柳内大樹「セブン☆スター(1)」 / 2014年8月6日発売 / 610円 / 講談社
柳内大樹「セブン☆スター(1)」
柳内大樹「セブン☆スター(1)」 / 2014年11月6日発売 / 610円 / 講談社
柳内大樹「セブン☆スター(2)」

今から2年前、東京・築地の街を救い、一夜限りの伝説となった7人の若者たち。通称“セブン☆スター”。主人公・川谷卓三(通称:タクボン)は、地元の築地をこよなく愛する20歳。実家の屋形船を手伝いながら、 同じセブン☆スターの雄次郎らとともに、楽しく暮らしている。そんな中、セブン☆スター第3の男・力矢が変わり果てた姿で発見され、タクボンらを巻き込む大事件を起こす。

柳内大樹(ヤナウチダイジュ)
柳内大樹

1975年生まれ、富山県出身。1995年、ヤングマガジンエグザクタ(講談社)にて「別天地」でデビュー。その後、ヤングキング(少年画報社)にて代表作「ギャングキング」を連載。単行本累計1000万部を突破する人気作品となる。そのほか著作に「軍艦少年」(講談社)、「ガキ☆ロック」(秋田書店)、「新説!さかもっちゃん」(集英社)など。2014年4月、ヤングマガジン(講談社)にて「セブン☆スター」の週刊連載を開始する。