「SERVAMP-サーヴァンプ-」|連載10周年記念!著者・田中ストライクに10年分の思いを聞いたロングインタビュー

全部出揃った。ここからは一気に行きたいです

第82話より。暴食のサーヴァンプ・イルディオの主人であるニコは、イタリアンマフィアのボスだ。

──14巻からは「サーヴァンプの真相に迫る新章」が幕を開けています。鉄とヒューの契約のこと、雰囲気が変わった椿、そして舞台はロンドンへ……と、序盤から怒涛の展開ですね。

ヒューと鉄が実は……と明かされる回は、面白かったと周囲の人たちから久々に言ってもらえたのが印象的でうれしかったです。「実は……」という種明かし回を描いた後はいつもハラハラしているので、面白かったよと言ってもらえるとホッとします。暴食が出てきてこれで全部出揃ったので、ここからは一気に行きたいです。

──もうすぐ刊行される17巻までの中で、お気に入りのシーンやキャラクターを挙げるなら?

個人的に気に入っているシーンとしては、やっと登場した城田徹と月満伊檻VS椿のバトルです。「徹」と「トール」をかけた、第1話から温めていた数年越しのダジャレ回収。やっとここまで辿り着けて、変な達成感のようなものがあります(笑)。「徹(トール)」という名前の時点でC3の関係者であることは早々にバレていたような気もするのですが、どうなんでしょうか……。新しく出てきたキャラクターでは、月満伊檻とシグルス本部長も結構気に入っています。シグルスは、わかりやすく嫌な奴にしようと思って登場させたはずなんですが、なんだか雲行きが怪しいです。

第91話より。物語の舞台はクロの故郷・ロンドンの地へ。

──連載中のエピソードですので、話せないこともあるかと思いますが、今後の見どころや意気込みを聞かせていただけますか。

17巻からは、いろんな人たちを巻き込んで、やっと御園と御国の対立に入ります。4巻の“有栖院家編”は有栖院という家での出来事を御園の目線で紐解いたお話でしたが、それの裏側というか、答え合わせのようなエピソードになっていきます。全体のまとめにも入ってきているので、ぜひ最後までお付き合いいただければうれしいです。

今の目標は、きちんと物語を完結させること

──「サーヴァンプ」と一緒に、掲載誌のコミックジーンも10周年を迎えました。10年間ともに歩まれてきた田中ストライクさんが客観視するのは難しいかもしれませんが、田中ストライクさんが考えるジーンの魅力とは?

まず付録が豪華です! 500円+税の雑誌にドラマCDまで付いてくるのはすごいと思います。あと、コミカライズ作品の関係もありますが、読者さんの年齢層がすごく若かったことは特徴だったように思います。子供の頃に初めて買った雑誌や初めて好きになった作品は記憶に残るものかなと思いますし、そういう初めての大切なものになれるのは本当にうれしく光栄なことだと個人的には思います。

──連載10周年を迎えた今、ご自身が改めて目標とされていることはありますか。

きちんと物語を完結させることです。そう遠くはないと思っています。

──最後に、10年間作品を支えてきてくれたファンの方々へメッセージをいただけますでしょうか。

「サーヴァンプ」を読んでいただき本当にありがとうございます! 読者の方々に支え続けていただけたおかげでここまで来ることができました。連載の中で、読者の方から届くメッセージやお手紙がいつもとてもうれしくて、支えになっています。どれも大切に読ませていただいています。なかなかお返事できる機会もないのでこの場でお礼を言わせていただきたいです。貴重なお時間を割いてお手紙を書いてくださって、メッセージをお送りくださって、本当にありがとうございます。キャラクターたちを大事に思ってくださって、ありがとうございます。加えて、「サーヴァンプ」をきっかけに友達ができたとか、みんなで楽しく何かをやれたとか、そういうお話を聞くことができたりもして、本当に幸せだなあと思います。誰かをつなぐものや支えるものになれたのかもしれないと思えると、描いてよかったなあと感じます。最後まで、読者の皆さんと一緒に走り切れればと願っていますので、ぜひこれからも真昼とクロたちをよろしくお願いいたします!