ピッコマヘビーユーザー・いかゴリラが勝手に選ぶピッコマ作品9選!作品愛溢れる描き下ろしマンガも

2018年にスタートし、今年で5回目を迎える「ピッコマAWARD」。電子マンガ・ノベルサービスのピッコマが “絶対に面白い作品”へ授与するマンガ賞であり、5月28日には「ピッコマAWARD 2022」を受賞した9作品が発表された。

コミックナタリーでは「ピッコマAWARD 2022」の開催に合わせ、“いかゴリラが勝手に選ぶ「ピッコマAWARD 2022」”を実施。ピッコマが展開するフルカラー&縦スクロールのマンガコンテンツ・SMARTOONを日頃より愛読しているというギャグエッセイマンガ家・いかゴリラに、「毎日を楽しくしてくれる」「日常を豊かにしてくれる」ようなピッコマ掲載作を「ピッコマAWARD」同様9タイトル選定してもらい、作品の見どころや“推しポイント”について存分に語り尽くしてもらった。またSMARTOON作品の魅力を描き下ろしたカラーマンガも必見だ。

文・構成 / 大湊京香

「ピッコマAWARD 2022」

「ピッコマAWARD 2022」絶対に面白い9作品が決定!

電子マンガ・ノベルサービスを提供するピッコマ主催による、“絶対に面白い作品”を称えるマンガ賞。約1600万人のピッコマユーザーが2021年3月から2022年2月までに読んだ全作品が対象となる。「読者数」「売り上げ」「いいね数」の3カテゴリーでポイント化され、上位作品からマンガ3作品、SMARTOON3作品、ノベル3作品の計9作品が選出される。

受賞作には“毎日を楽しくしてくれる”という意味でLUNA(月)・IGNIS(火)・AQUA(水)・ARBOR(木)・AURUM(金)・TERRA(土)・SOL(日)、“日常を豊かにしてくれる”という意味でLUX(光)・VENTUS(風)の9つの賞が授与される。なお5月28日から6月12日にかけて、ピッコマのアプリ版とWeb版では「ピッコマAWARD 2022」受賞作品へのお祝いメッセージを募集。メッセージは読者ハガキ風に印刷され、トロフィーとともに各作品の著者へ届けられる。ファンは応援メッセージの募集ページから、思いの丈を伝えよう。

本家「ピッコマAWARD 2022」を受賞した9作品は?

いかゴリラが勝手に選ぶ「ピッコマAWARD 2022」

「あなたの心がわかるように」ビジュアル

「あなたの心がわかるように」ビジュアル

「あなたの心がわかるように」

作画:Ocean 原作:Leebora 脚色:Lanyong

多額の借金を背負った王室の娘・バイオレットは、爵位を授かるのと引き換えに借金を肩代わりしてくれた青年・ウィンターとの政略結婚に踏み切る。しかしとある事件からウィンターに爵位は授与されず、裏切り者扱いされたバイオレットは最悪の結婚生活を送ることに。耐えかねて自死を選んだ彼女だったが、目を覚ますとウィンターと身体が入れ替わっていて……。

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いかゴリラコメント

ピッコマ仲間の友人からおすすめされた「あなたの心がわかるように」まんまとドハマり中です。
ラクラウンド国の王女バイオレットと爵位が欲しいウィンターの政略結婚から始まるこのお話ですが、これがまた……すれ違いのうえにすれ違いが重なり、すれ違った挙句最終的にすれ違っちゃった、的な……やきもきの最たるものです。
男女入れ替わりものなのですが、入れ替わりのトリガーとなる条件がとても切ない。いかゴリラ、とてもやりきれない。
バイオレットの心がズタズタに引き裂かれ、自己肯定感が地に落ちるなか、私はともに怒り、悲しみ、絶望して、庇護欲オバケになりました(感情移入しすぎ)。
ウィンターおのれ……。言葉が……言葉が足りなすぎる……なぜバイオレットを悲しませるのか! そこになおれ!
ただ、バイオレットはか弱いだけでなく、王女たる高貴さと智慧と芯の強さで立ちあがろうとします。その姿が美しく、健気で余計に応援したくなるんだなあ……。
一刻も早くバイオレットとウィンターの心が深く通じ合いますように……。


「継母だけど娘が可愛すぎる」ビジュアル

「継母だけど娘が可愛すぎる」ビジュアル

「継母だけど娘が可愛すぎる」

作画:mo9rang 原作:Iru

子供服のデザイナー・百合は、過労死の末に童話「白雪姫」の継母に転生してしまう! 美しくもその残忍さで悪名高い継母だったが、百合の転生により人が変わったかのような性格に。かつて虐げていた白雪姫すらも溺愛していって……。

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いかゴリラコメント

かわいいものが大好きな子供服のデザイナー・倉本百合(享年30)が美しい継母に転生する「継母だけど娘が可愛すぎる」はピッコママンガの中で私が1、2を争うほどハチャメチャに推したいタイトルです。
このマンガをピッコマ仲間の友人から勧められてからというもの、1話からガッツリ掴まれて今や更新を待つのが人生の楽しみとなっています。
一度死んだはずの悪女アビゲールが生き返り、急に義理の娘にも自分たちにも優しくなったらさぞや怖いだろうな……と屋敷の人々の気持ちを察して余りあるのですが、そのあたりの描写が非常に面白く、声を出して笑ってしまうほどです。美麗な絵柄なのにギャグパートが抜きん出ている、というのは声を大にして言いたいポイントです……!
アビゲールの変顔がもう本当に躊躇がなくて好感しかない。いやこの地顔でこうはならんやろというツッコミは野暮ですね。
旦那であるセイブリアン(彼の言葉の足りなさ、世界大会レベル)(もっとちゃんとしゃべってお願い)との関係性も徐々にほぐれてきて、今後ますます気になります! 全力でおすすめしたい作品です。


「悪女は砂時計をひっくり返す」ビジュアル

「悪女は砂時計をひっくり返す」ビジュアル

「悪女は砂時計をひっくり返す」

文・絵:Antstudio 原作:SANSOBEE

主人公は売春婦の母から生まれ“悪女”と呼ばれ続けた女性・アリア。妹のミエールに嵌められ命を落としてしまった彼女は、気がついたら幼少期に戻っていた。砂時計の力によって人生をやり直す機会を与えられたアリアは、さらなる教養を身につけミエールへ復讐することを誓う。

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いかゴリラコメント

悪女として虐げられ、処刑までされてしまったアリアが過去に転生して復讐する……というストーリーです。砂時計をひっくり返すたびに時が戻るというチート能力、とても羨ましい……私も締め切り前、まだ時間があったあの日に時を戻せたら……と願うことがしばしばあります(ろくなことに使わない)。
とにかく絵が細かくて緻密で、いったいどれほどの労力でもって描かれているのか……身につけているアクセサリーひとつとっても、どれも美しくてため息が出てしまいます。
そして必見なのはアリアを陥れたすべての元凶、異母姉妹のミエールの悪女っぷり。こ、こんなに徹底した陰湿な悪女おる!? 主人公を張れる人形のようにかわいいルックスから想像もつかないえげつなさを見せてくるので、一見の価値あり……これは一見の価値ありです……!
タイトルに悪女って付いてるけど、アリア全然悪女に見えないよ……ミエールの前では悪女の看板が霞んで見えるよ……。
辛酸を舐めて一枚上手になったアリアがいかにミエールらを攻略していくか、ドキドキしながら読んでいただきたいです!


「公爵夫人の50のお茶レシピ」ビジュアル

「公爵夫人の50のお茶レシピ」ビジュアル

「公爵夫人の50のお茶レシピ」

作画:Antstudio 原作:Lee Jiha

人の目を気にしてしまう会社員・楓は、上司から押し付けられた仕事で大失敗し会社をクビになってしまう。ヤケ酒の末眠りについた楓が目を覚ますと、異世界の公爵夫人に転生していた。しかしその公爵婦人は周囲からいじめを受けているらしく……。せめてもの息抜きにと、楓はお茶を楽しむ生活をスタートさせる。

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いかゴリラコメント

現代を生きる日向楓と公爵夫人であるクロエ・バーテンベルクの人格が入れ替わる……という入れ替わり転生モノで、大好物の設定でした。こんなんいくらあっても良いですからねえ、と読み始めたらズブズブにハマってしまいました。主にクロエに転生した楓目線でお話が進むのですが、結婚相手のアルフォンスが転生前のクロエを毛嫌いしているので最初普通にイヤな奴です。そんな鉄面皮の彼が徐々にクロエ(中身は楓)に惹かれていくのが小気味良くてスクロールが止まりません。
また、お茶を冠したタイトルだけあって付加価値的にお茶のルーツや豆知識がガッツリ学べます。私はこれを読んでルピシアの50種類のティーバックセットを購入しました(影響を受けすぎ)。お茶を通してアルフォンスや周りの人々の心を解いていくクロエと、そんなクロエを取り巻く環境が徐々にいい方に変化していく過程を楽しんでいただきたいです。
113話では現代に転生した元クロエとホニャホニャ(伏せ字)するシーンがあるのですが、ぜひ読んでいただきたいです。うっかり公共機関で読むと涙と鼻水で大変なことになるのでご注意ください。


「遠慮なく召し上がれ!」ビジュアル

「遠慮なく召し上がれ!」ビジュアル

「遠慮なく召し上がれ!」

作画:BomHee / Team baleunjase 原作:Chaeban

凄腕のシェフ・ハンナは爆破テロに巻き込まれ、朝鮮時代の名家の娘・マンヒョに転生してしまう。何不自由なく生活していたある日のこと、突如現れた刺客によって彼女の一族は皆殺しに。なんとか一命をとりとめたマンヒョは、前世で獲得した確かな舌と料理の腕を活かし、お店を開くことを決意する。

ピッコマで読む!

いかゴリラコメント

現代の韓国で天才的なシェフだったハンナが昔の韓国に転生して、自身も出自を隠しつつ王世子のイ・ピョと身分違いの恋に落ちるだとか落ちないだとか……という、もうおいしい要素が役満で私が大好きに決まっているストーリー。あれよあれよと夢中になりました。
王世子が小酒母(ハンナ)の料理を口にしたときのパァッとしたかわいさ、満点です。胃袋がっちり掴まれてもうて……。
私は韓国の食文化にまったく詳しくないのですが、このマンガではたくさんの耳慣れない韓国料理が出てきてとても新鮮に感じます。みんなツヤツヤしてて美味しそう……めちゃくちゃ食べてみたい……。
慣れない食材だったために肺の料理を吐いてしまってから「肺の人」呼ばわりされる王世子に笑いました。そんな……「紫のバラの人」みたいに……。
お家問題で揺れたりなどヘビーなテーマもありつつ、ハンナに執着してひよこのようについて回る王世子にホンワカニコニコしてしまいます。2人の恋の行方やいかに……。絵も雰囲気もかわいくて、恵比寿顔で見守っています。


「かりそめの公爵夫人」ビジュアル

「かりそめの公爵夫人」ビジュアル

「かりそめの公爵夫人」

作画:Han Jinseo 原作:Jin Saeha

平凡な貴族令嬢・イヴォナはその豊満な体型から男たちのいやらしい視線を浴び続けていた。そんな日常にうんざりしていたある日、紳士的な対応をしてくれるガスパル男爵が現れる。彼と婚約を結んだイヴォナは、出世を強く望むカスパルの力になろうと、禁じられた技を使うが……。

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いかゴリラコメント

せっかくの「待てば0円」を1日も待てずにゴリゴリに課金した作品の1つです。
絵柄がとにかくかわいくて、最初は絵に一目惚れして読み始めました。こういう絵が描きたい人生だった……。
魔法や召喚といった単語が飛び交うファンタジーな世界観で、ぐいぐい引き込まれました。
有能な召喚師であるイヴォナは恋心を盾に婚約者のガスパルにいいようにこき使われ、失意の果てについに死んでしまう……のですが、この婚約者のガスパル(グギギ……)が筆舌に尽くし難いほど性格がアレです。なんとイヴォナのいとこの青年、トリスタン(こいつも大概イヤな奴)と浮気をしているのが物語序盤で明らかになるのですが、こんなに応援できないBLは初めてだぜ!!!となりました。
過去に遡り転生したイヴォナがクロードというハチャメチャに強くカッコよく性格もいい伴侶を得て、同じ轍を踏まぬように立ち上がる姿は物凄くスカッとします。幸せに……幸せになるんだイヴォナ……!
なんやかやしぶといガスパルに鉄槌が下されるのを、じりじりと待っています……。


「皇帝と女騎士」ビジュアル

「皇帝と女騎士」ビジュアル

「皇帝と女騎士」

漫画:Team IYAK (winter, heyum) 原作:G.M

主人公は親に捨てられ幼くして戦地へ送られた少女・ポリアナ。たゆまぬ努力を続け自国軍の小隊長に昇格するも、女であることから差別的な扱いを受ける日々を過ごしていた。一方、敵国では大陸を統一しようと志す王子・ルクソスが新王に即位。境遇の異なる2人の物語が、今動き出す。

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いかゴリラコメント

絵柄が非常に非常に非常に好みだったので、初見で「ウホッ、完全無欠の美形とアッサリ顔のBLか……非常に好きですね……」と蛾のように引き寄せられたのが「皇帝と女騎士」に出会ったきっかけです。
実のところ、勇ましい赤髪の男子……と思っていたのが我らがポリアナ卿で、女性ながらに類稀なる腕力ときっぷの良さで隊を率い、公爵の地位と皇帝ルクソスからの熱い信頼を勝ち取った這い上がり系女騎士……なのですが、ではこの完全無欠の美形皇帝と女騎士ポリアナの間に恋が芽生えるのか……?と思いきや、ない。恋が……芽生え……ない!! びっくりするほど芽生えない!!
皇帝がやっっっと恋心を自覚するまでが長いですが、待った分ここからの盛り上がりは「待ってました!!」感がカンストします。ポリアナの忠誠心が強すぎて皇帝からの熱烈アピールにまったく気付かず、空振り続ける皇帝が不憫でかわいいです。このあたりのもだもだは一見の価値あり。がんばれルクソス……がんばれ……。
また、ポリアナがドレスを着るシーンがあるのですが、特に急に美女に化けたりということもありません。ポリアナはポリアナのまま、というのが魅力の1つだと思います。


「間違いで求婚された女は一年後離縁される」ビジュアル

「間違いで求婚された女は一年後離縁される」ビジュアル

「間違いで求婚された女は一年後離縁される」

画:ほいっぷくりーむ 原作:ヤマトミライ

“不義の子”と呼ばれ使用人のごとく扱われていた令嬢・シェリルは、突如届いた求婚の手紙によりセノーデル辺境伯と結婚することに。しかし初めて会ったセノーデルは、シェリルの顔を見て「一体誰だ」と言い始め……。ヤマトによる同名小説のコミカライズ作品だ。

ピッコマで読む!

いかゴリラコメント

これを読んだ人は皆主人公シェリルの幸せをただただ願う哀しきモンスターになるでしょう……と予言します。
金髪美女のリリアと勘違いして薄幸のシェリルに求婚したグレイグが「間違えたから一年後離婚してくれ」などとおーい!? ソレあんまりじゃないの!?という事態からお話が始まります。じ……自分が結婚相手を勝手に間違えておいて! そのようにシェリルに冷たく当たるとは何事かー!とグレイグに軽く殺意を覚えました。危ない危ない……。
離縁されると知りながら優しさを忘れず、トラブルを乗り越えていくシェリルにあたたかい毛布とスープをあげてください。シェリルの優しさに触れた使用人たちがシェリル親衛隊に変貌していく様子は「そうそう……そうでしょうよ……」となぜか私が勝ち誇ったような気持ちになりました。
グレイグの罪はとても重いですが、シェリルがまったく恨んでいないand幸せそうandグレイグがシェリルの魅力にやっと気づいて反省しているので不問とします。致し方なし。
これから……絶対にシェリルを幸せにしてあげるんだぞ……(サムズアップ)


「特定犯~ストーカー女に住所がバレました~」ビジュアル

「特定犯~ストーカー女に住所がバレました~」ビジュアル

「特定犯~ストーカー女に住所がバレました~」

カワディMAX

会社員の朋美は、イケメンで優しいプログラマーの彼氏・尚輝と同棲していた。ある日、朋美は尚輝とのツーショット写真をネットに上げたことを彼に注意される。不思議に思いつつ、ほかに上げられる写真がないか探す朋美だったが、いくつもの写真に不気味な女の姿が写り込んでいて……。

ピッコマで読む!

いかゴリラコメント

ものすごいキャッチーな表紙! うしろの女の人こわっっっ!! なんか凄そう!という第一印象で読み始めたのですが、気づいたら最終話まで課金していました。完全に無意識でした。ありがとうピッコマコイン。
怖いもの見たさだったのに、読み進めていくと腰抜かすくらいの意外性が秘められていました。表題通りの男女の愛憎渦巻くサスペンス要素もしっかりありますが、えーーー!? そうなるの!?!? そんなことある!?というまさかの展開に……。
ちりばめられたギャグもめちゃくちゃ面白くて、すっかりツボに入ってしまったので担当編集さんやピッコマ仲間たちに暇さえあれば布教させていただいております。控えめに言って名作です。こんなにも公におすすめできる機会を得ましたので、皆さんにぜひ読んでいただきたい。よろしくお願い致します。
あまり言うと根幹からのネタバレになってしまうので多くは語れないのですが、めちゃくちゃ怖い表紙なのに読後感は爽やかなので、安心してください。

いかゴリラの描き下ろしマンガが到着!

いかゴリラの書き下ろしマンガ。

いかゴリラの書き下ろしマンガ。

プロフィール

いかゴリラ

ギャグエッセイ「オタクだよ! いかゴリラの元気が出るマンガ」でデビュー。続編となる「いかゴリラのもっと! 元気が出るマンガ」も発売中。現在eBookJapanで、美をテーマとしたギャグエッセイ「美川べるのといかゴリラのまんがビューティー」を連載している。