「乙女怪獣キャラメリゼ」|著者・蒼木スピカが赤裸々に語る、キラキラと怪獣愛のルーツ

セーラームーンになれると信じてた

──「乙女怪獣キャラメリゼ」は、少女マンガであることにこだわっているんだなというのが、今日のお話でも伝わってきているんですが、蒼木さんは少女マンガってどういうものだと考えていらっしゃいますか。

第5話の扉ページ。

一度読んだら終わりっていう消費されるものじゃなくて、ずっと大切にしまっておきたくなるもの。心が荒んだときに取り出したら、浄化してもらえるようなもの。夢とか憧れとか恋心とかみたいな、つい恥ずかしくなって斜に構えて見ちゃうものを、真正面から美しく描いてる素敵なものとして私は捉えてます。絵本とかに近いかもしれませんね。

──蒼木さんご自身が、そうやって大切にしている本はありますか?

好きなマンガはいっぱいあるんですけど、そもそもマンガ家になりたいって思ったきっかけは武内直子先生の「美少女戦士セーラームーン」だったんですよ。アニメじゃなくて、原作マンガのあのフワフワキラキラした絵を見て、「この世にこんなキラキラしたものがあるんだ!」って衝撃を受けて。今思えば中学生が大学生と付き合っていたり、世界観が妙にセレブだったりとツッコミどころはあるんですけど、小さい頃はそれも素敵だと思っていたし、中学生になったら私もセーラームーンみたいになるんだと信じていたんです。今もまだグッズとかがたくさん出ていて、私と同じような人たちが喜んで買ってるのを見ると、改めて本当に偉大な作品だったんだなと思いますし、そういう作品を描けたらいいなと思っています。

──では「美少女戦士セーラームーン」が、蒼木さんの中で「少女マンガとは何か?」の指標となっている。

そうですね。読者の方から「影響受けてる」とまでは言われないですけど、武内直子先生がお好きな方が買ってくれているような印象を受けているので、どこか伝わってしまうものがあるかもしれません。あとは母が昔からマンガも好きで、萩尾望都先生の「ポーの一族」とか、その時代のマンガをたくさん持っていたので、小さい頃によく読んでいました。竹宮惠子先生の描く壮大なお話とかに惹かれましたね。

──ちなみに「乙女怪獣キャラメリゼ」の一番少女マンガな部分ってどこだと思いますか?

なんだろう……どんな激しい絵面になっても、キラキラしていることかな(笑)。たとえば怪獣が大暴れして、高層ビルとかがガシャーン!ってなって人々が逃げ惑っているシーンでも、画面は絶対フワフワのキラキラにしたいと思ってます。

いい意味で、もっと“変な少女マンガ”にしたい

──最後に、今後の展開を少しお聞きしたいんですが、2巻には告白シーンがあり、黒絵と南くんの関係が進展しますよね。

この話は実はすっごい悩んで、初めてネームができてない状態で担当さんに渡したんですよ。「もう、できないです……」みたいな感じで(笑)。やっぱり告白イベントってすごく大事なので。

──それは、どっちから告白させるかみたいなことも決まっていなかったんでしょうか。

そうです、そうです。少女マンガって大体は女の子の主人公ががんばる話なので、女の子から告白することが多いんです。私は黒絵から告白させたかったんですけど、担当さんは南くんからのほうがいいっておっしゃっていて。

1巻より、体育倉庫で黒絵が素直な気持ちを口にするシーン。

担当 告白にいたるまでの一連のエピソードが、全体として南くんががんばる話になっていたのかなと思っていて。1巻は黒絵自身が「自分を変えよう」とがんばった話だったし、体育倉庫のシーンでは、告白とまではいかないけれど黒絵から自分の気持ちを話している。それに対する返答をさせなきゃいけない、だから男の子にアクションを取らせる必要があるなと。

結局中間の意見をとって、黒絵が途中まで言いかけて、最終的に南くんが告白する流れになりましたね。すごく苦労しましたけど、告白シーンの見開きは我ながらうまくいったのではと気に入っています。こういうシーンで、ここまで人を小さく描いたこともなかったので。

──告白するタイミング的には悩まなかったんです?

2巻より、南くんの告白シーン。

そうですね、それはもうこのタイミングしかないだろうな、という感じだったので。少女マンガは告白して付き合ってからが本番みたいなところもあるので、関係を進展させることに抵抗はなかったですね。

──告白がゴールじゃないから、ということですね。今後どんな部分が見どころになってくるのでしょうか。

黒絵ちゃんにも南くんにももっとたくさん試練を与えて、さらに成長してもらえるような展開にしたいと思ってますね。それから、せっかくなので怪獣がいる世界という設定をもっと生かせるような派手な展開にしたい。より“変な少女マンガ”って言ってもらえるようなストーリーにしたいんです、いい意味で(笑)。

──変な少女マンガですか(笑)。でも少女マンガであるという部分は揺るがない?

そうですね。読んでくださっている読者の方には感謝しかないです。見たことがないような少女マンガをお届けできるように、これからもがんばります。

CHiCO(CHiCO with HoneyWorks)からの応援コメントが到着!
CHiCO(CHiCO with HoneyWorks)
作品を知るキッカケになったのはSNSで、作者の蒼木スピカさんが1話をちょこっとご紹介していたんです。
少女マンガなのにヒロインが怪獣…?!という意外すぎる設定にすぐ惹き込まれました!
ヒロインの赤石黒絵は、自身が怪獣である秘密にコンプレックスを抱きながらも、自分と恋に1歩1歩向き合おうと頑張る姿はついつい応援したくなっちゃいます!
あとなんといってもクロたん(黒絵)が可愛い…こじんまりした容姿、スイーツを食べる時の幸せな顔、恋をしたときのキラキラうるうるな瞳…
少女マンガの世界観をそのままに「怪獣」と「胸キュン」が合わさった新感覚な作品です(о´∀`о)
PROFILE

2013年に実施されたソニー・ミュージックエンタテインメント主催のオーディション「ウタカツ!オーディション」にて第1回グランプリを受賞。2014年8月にHoneyWorksとのユニット・CHiCO with HoneyWorksとして1stシングル「世界は恋に落ちている」をリリースし、メジャーデビューを果たす。同曲はTVアニメ「アオハライド」のOPテーマに起用された。2016年4月には、HoneyWorks制作の劇場版アニメーション「ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~」のエンディングテーマとなるCHiCO with HoneyWorksの4thシングル「恋色に咲け」を発表。2018年11月には中川翔子、スカイピースとコラボレーションした10thシングル「ミスター・ダーリン / ギミギミコール」をリリースした。2019年3月には初となるアリーナワンマン2daysを成功に収めた。7月からは、自身最大公演数となる全国ホールツアーの開催も控えている。

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女子高生×怪獣? 史上最大級のラブコメが日本上陸!! 謎の症状に悩まされてきた女子高生「クロエ」。人と関わらず過ごしてきた彼女が、学園一のモテ男「新汰」と接触するとき、真の力が解き放たれる──。

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あまりにも怪獣! あまりにも少女漫画! 新感覚のラブコメが日本を襲う! 感情の高ぶりに呼応して大怪獣へと変貌する女子高生「クロエ」。東京都民の皆様にご迷惑をかけないため、日々平穏に務める彼女であったが、イケメン男子「新汰」により、その日常は崩されていく……。

蒼木スピカ(アオキスピカ)
蒼木スピカ
2010年4月、手書きブログにて那貴りんご名義で発表していたマンガ「SPREE★KILLER」がCOMIC BOX ジュニアで連載化。同作はその後COMIC Be(ともにふゅーじょんぷろだくと)に移籍し、単行本が2巻まで発売されている。2013年5月には月刊プリンセス6月号(秋田書店)にて「デビ☆ロック」の連載がスタート。2015年9月に同誌で始めた「薔薇監獄の獣たち」の連載中、現在の名に改めた。「乙女怪獣キャラメリゼ」は2018年2月、青年誌である月刊コミックアライブ(KADOKAWA)で始動。活動の幅を広げている。