水沢夫婦はファンタジーで、白石夫婦はリアル
──結役を演じられた朝井さんはいかがですか? 結は千里の同期でありよきライバルというキャラクターです。
朝井 結はこの4人の中では一番リアルというか、一番現実にいそうな子だなと思いました。結はオーディションではなかったので、自分の中でキャラクターを作っていって、アフレコ現場でディレクションしていただくという形だったんです。自分の中でも無気力というか“省エネ人間”を作っていったつもりでいたんですけど、「もっと無気力で」というふうにディレクションしていただきましたね。旦那の正樹といるシーンでも、わかりやすくイチャイチャはしないんですよね。だからよくある夫婦の形なのかなあっていう印象を受けました。水沢夫婦とは対照的だなあというか。
市来 水沢夫婦はファンタジーで、白石夫婦はリアルっていう感じだよね。
──結もお酒を飲むとちょっと素が出てきてかわいいですよね。
朝井 そうなんですよね。そこは千里とちょっと似てるなあと思います。結は千里のことをライバル視しているけど、本当は彼女のことが大好きで。その関係も微笑ましいなあと思いながら見ていました。
──一方の仲田さん演じる小春は、千里と結の後輩という役どころです。
仲田 小春ちゃんはすごく表情がコロコロ変わる子だなっていう印象がありました。ちーちゃんのことが大好きだから飲みに誘うこともあるんだけど、ちーちゃんは外でお酒を飲むことをちょっと控えてる節があるので断られてしまう。でも、「じゃあ次はランチに行きましょうね!」とか、めげないところがかわいらしいなと思います。
──千里も千里で、家に帰って「本当は飲みに行きたかった」ってソラに本音を漏らすところもかわいらしいですよね。
仲田 そうなんですよね! 原作ではのちのち後輩ができるんですけど、アニメの中で小春ちゃんは一番年下の新人で、私自身もキャストの皆さんの中で一番新人だったのでそこはあまり意識はせず、後輩感が出たらいいなあと思いながら演じさせていただきました。
喜多村 小春は場を盛り上げる賑やかなキャラクターだったよね。ちーちゃんとソラが甘々でのんびりした時間を過ごしてるから、物語の緩急をつけるために大事なキャラだったなって思う。
仲田 確かに(笑)。会社でちょっとトラブルを起こして物語を盛り上げるみたいなところはあったかもしれません。
朝井 キーパーソンでしたよね。
フルーツを演じたい!
──ほかにも印象的なキャラクターはいますか?
喜多村 レモ男!
──即答でしたね(笑)。レモ男は千里のお気に入りのキャラクターで、千里の部屋の中にもたくさんグッズが登場していました。お酒のレシピを紹介するコーナーでもいろんな種類のフルーツたちとともに活躍していましたね。
市来 「レモンもいるよ」って。
喜多村 「ミカンもいるぜ」みたいな。あのフルーツたちは5分っていう短い尺の中ですごく印象に残ったよね。
市来 俺らもやりたかったっすね。
喜多村 ちょっとやりたかったね。
朝井 あ、私やりました。いろんな大きさのマトリョーシカみたいなキャラクターとか。
喜多村 いいなあ。唯一兼ねて演じてる。
朝井 ふふふ(笑)。私のお気に入りのキャラクターは課長ですね。人生経験の豊富さからみんなのことをわかって動いてくれる感じがあったり、でもたまにふざけておちゃめなところもあったり。
市来 原作ではさらにそういうところが見れるもんね。
朝井 そういえば原作で課長の名前が“石塚さん”になってました。
市来 なってた! ビックリした(笑)。
──アニメで課長役を演じられていた石塚運昇さんの名前が逆輸入されてましたね(笑)。市来さんと仲田さんはどうでしょう。
市来 印象的っていうと……ちーちゃんしか出てこないなあ。さまざまなパターンの「しふく」を見させていただいたり、ぶっ壊れたかのように甘くなる姿を何回も見てるから、やっぱり一番印象に残ってますね(笑)。
仲田 私も喜多村さんと同じでフルーツ勢ですね。みんなすごくかわいいんですよ。1体はやりたかったなあと思いながら、そこは2期に期待しようと思います(笑)。
市来 期待しましょう。2期は俺らも何かフルーツ役やりたいね。
喜多村 やりたい! アクリルキーホルダーになりたい。レモ男だけさあ、ズルいんだよ。ぬいぐるみ化とかされてるし、イベントでもちっちゃいサイズのぬいぐるみとかいたよね。
仲田 いましたね。手作りのやつ。
喜多村 あいつだけ美味しいんだよ。ズルいよ。
朝井 女バージョンとかいてもいいですよね。レモ美とか。
喜多村 レモ美……なんか不倫してそう。
市来 なんでやねん!(笑)
喜多村 「レモ美よー」って、スナックのママみたいなイメージがある(笑)。
市来 ああ、なんか経験豊富そう。レモ美(笑)。
──2期があったら、もしかしたらレモ美が登場するかも……。
市来 まず原作に出てないですけどね(笑)。オリキャラで出してもらおう。
喜多村 お願いしておけば、たぶん洋介先生が描いてくれちゃうんじゃないかな。
市来 描いてくれそうだなあ、レモ美とかだったら来週のエピソードにでもいるかもしれない(笑)。
朝井 「新商品です」みたいな。
喜多村 そうそう(笑)。
喜多村英梨という人間はあのシーンで死んだ
──印象的だったシーンやセリフについても振り返っていただけますか。
喜多村 オーディションのときに、第2話の「ゴロゴロするぅーっ!」「(ソファの)ここ来て」っていうセリフを画なしでやったんですよ。そのときも大変でしたけど、収録が始まって、画がついてからも常に戦いだな、サバイバルだなと思っていて。
市来 勝つか負けるか、生きるか死ぬか(笑)。
──そこまで(笑)。
喜多村 からの“ぎゅっとする刑”ですよ。
市来 お布団の中でやるやつだ。あれは確かにアニメの中でベスト3に入るぐらい甘いシーンですね。
喜多村 喜多村英梨という人間はあのシーンで死んだ。グハ……ッて(笑)。仕事とはいえ、お金をもらっているとはいえ、言ってしまった……一生に一度言うか言わないかのセリフを2次元の世界で言ってしまった……もうお嫁に行けない!っていうぐらいのダメージを受けましたね(笑)。
市来 僕は印象的なセリフでいうと、ソラの「はは、参ったなあ」ですね。これだけ聞くと大したセリフではないんですけども……。
喜多村 その流れが大事だよね。
市来 そう、ちーちゃんに甘えられる流れがあってからの「はは、参ったなあ」っていう。「お前本当に参ってんのかよ! 参ったじゃねえ、ぶっとばすぞ!」みたいな(笑)。
喜多村 キレてる、キレてる(笑)。やっぱりここは怒りの現場なんですよ(笑)。
市来 たぶんみんなそう思ってますよ、このアニメを観た人は。公式Twitterのせいかわからないんですけど、「お酒は夫婦になってから」を観て壁を殴るみたいな流れをよくTwitterで見かけました(笑)。
仲田 ふふふ(笑)。私も一緒に壁殴ってました(参照:仲田ありさ | Twitter)。あと、私はやっぱり「しふく」っていうセリフですかね。毎回出てくるんですけど、確か出てこなかった回が一度だけあって。「しふく」不足になっちゃうくらいでした(笑)。
市来 「今日はないのかあ……違うパターンも聞かせてくれよ!」みたいな感じだよね。
仲田 そうなんですよ! 「おそろしふく」とか、普通の「しふく」だけじゃなく、たくさんバリエーションがあったのでそれも面白かったです。
喜多村 「かなしふく……」もあったね。そのときどきでテンションもいろいろだったし。
仲田 ありましたねえ(笑)。原作とかでもキャラクターによって違いがあって。ちーちゃんは「しふく」なんですけど、結さんは「んまあ」みたいな感じなんですよ。
朝井 それぞれ飲んだときの言葉とか表現が全部違うのも面白いよね。千里のお父さんは漢字ですもんね。「……至福」って。カッコいい(笑)。
仲田 ふふふ(笑)。それぞれの決めゼリフ的なものはすごく印象に残ってます。
朝井 私は印象に残ったシーンを聞かれたときは、正樹とハグしてるときに「恥ずかしいんだけど」って言われて「そんなのこっちもだよ」って言うシーンをいつも答えてるんですけど、自分が関わってないシーンだと、ソラが「どうしようちーちゃん、僕……ぬいぐるみになっちゃった」って、クマのぬいぐるみの隣に携帯でメッセージを残しておくシーンがすごい好きなんです。すぐわかる嘘なのに、そういうことをするのがおちゃめでかわいいなって。
喜多村 あんな男いないよ!(笑)
朝井 いないんですけどね(笑)。
市来 それを信じるちーちゃんもすごいよ。
朝井 そうなんですよね。最初は「もうまったく嘘ついて……」っていう感じだったのに、「……ちょっと待って、もしかしたら本当に?」って焦っていく姿がすごくかわいくて好きです(笑)。
市来 そのあとソラに本気で怒るからね。
喜多村 あのシーンは監督もテンポ感やカット割りをすごく大事に考えてくれた気がします。いつも5分っていう短い尺の中でいろいろがんばってシーンを詰め込んでくれてますけど、あの嘘をついて騙される場面は“間”がすごく大事ですもんね。一度見て、二度見してっていう。そこをすごくこだわって作ってくださったなと思いました。
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© クリスタルな洋介・小学館/「お酒は夫婦になってから」製作委員会
© クリスタルな洋介/小学館・やわらかスピリッツ連載中
- 喜多村英梨(キタムラエリ)
- 東京都出身、8月16日生まれ。主な出演作に「魔法少女まどか☆マギカ」シリーズ(美樹さやか役)、「フレッシュプリキュア!」(蒼乃美希 / キュアベリー役)、「立花館To Lieあんぐる」(三井そのあ役)など。
- 市来光弘(イチキミツヒロ)
- 鹿児島出身、1月10日生まれ。主な出演作に「刀剣乱舞」シリーズ(大和守安定役)、「バジリスク~桜花忍法帖~」(蜩七弦役)、「バーナード嬢曰く。」(遠藤役)など。
- 朝井彩加(アサイアヤカ)
- 静岡県出身、5月11日生まれ。主な出演作に「響け!ユーフォニアム」(加藤葉月役)、「アイドルマスター シンデレラガールズ」(早坂美玲役)、「ノラと皇女と野良猫ハート」(反田ノラ役)など。
- 仲田ありさ(ナカダアリサ)
- 沖縄県出身、12月1日生まれ。主な出演作に「奇異太郎少年の妖怪絵日記」(すず役)、「立花館To Lieあんぐる」(篁いおり役)、「捏造トラップ -NTR-」(菜々役)など。