「これ新しい巻だな」ってわかるような表紙に

──「俺物語!!」は毎巻表紙のイラストも印象的なものばかりですよね。

私、同じ巻数のマンガを被って買っちゃうことが多いんです。読者の方にはその失敗はしてほしくないなって思っていて、「これ新しい巻だな」ってわかってもらえるようにっていうのは意識していますね。ただ、だんだんとネタ切れになってきていたので、9巻では担当さんにちょっとアイデアを出してもらったりもして。

──本編だと猛男って制服とTシャツかの二択かという感じなので、表紙では色々な服を着せているのかとも思ったのですが。

なるほど。でも、単に私が服を描くのが苦手なだけなんです（笑）。なので猛男の私服はいつも白Tシャツ。ただ、猛男ってイメージ的にも白Tっぽいですよね。

──服自体にあまりこだわりがなさそうですね。

体が大きいから、服自体あんまり選べないでしょうし（笑）。サイズがないから。

少女マンガで本当に男っぽい男性主人公って珍しい

──先日最終回を迎えたばかりのアニメや、もうすぐ公開される実写映画についてもお伺いできますか。

アニメに関しては餅は餅屋みたいな感じで、制作スタッフの方にすべてお任せしていて。あと担当さんがずっと頑張ってくれていたので、この人がOKと言えば大丈夫だと思ってました。

──アニメ化されたことによって、男性読者の声も増えたのではないかと思います。

うーん、男の人が主人公の少女マンガで本当に男っぽいキャラクターってあまりいないから、男の人も読みやすいっていうのはあるかもしれないですね。やっぱり女の子向けだと、例え男性主人公でも女の子が共感できるような、女性的な男の人が主役になっているので。もちろんそれって大事だと思うんですけど、猛男はまさに“男”って感じですからね。

──では映画についてはいかがでしたか。映画化が決定した際、「鈴木亮平さんが猛男をやってくれたらと夢見ていた」とコメントされていましたね。（参照：映画「俺物語!!」猛男役は鈴木亮平！30kg増量で屈強な役に挑む）

まだ単行本が1、2巻の頃、映画化の話がふわっときたときに、「猛男をできる人がいないよね」って話していたんです。そのとき鈴木亮平さんが「ガッチャマン」の映画に出演されているのを観て、「この人、猛男にいいんじゃないか」って思って。「TOKYO TRIBE」で肉体改造をされる方なんだとも思って。周りで話していただけなんですけど。

──では、まったくの偶然だったんですね。

候補として名前が挙がっていたのは聞いていたんですけど。でも、鈴木さんは撮影中は猛男だったのに、しばらくしてお会いしたら別人のような雰囲気になっていて、びっくりしました（笑）。映画自体も「原作に寄せてくれたんだな」っていうのが伝わってくると思うので、確認してみてください。