東京ワンピースタワーで2015年の開園当時から行われている「ONE PIECE LIVE ATTRACTION」。TVアニメ「ONE PIECE」 でおなじみの声優たちによる声に合わせてキャラクターに扮した若手俳優たちが所狭しと動き回る、迫力満点のステージショーだ。1日約5公演から7公演が、リニューアル期間を除いて1年中休むことなく上演されている。
コミックナタリーは東京ワンピースタワーの特集として、「LIVE ATTRACTION」のキャスト陣にフォーカスし、2015年3月から2016年4月まで三浦宏規とともにトリプルキャストで初代ルフィ役を担当していた永田崇人・竹中凌平と、現在東京ワンピースタワーで上演中の「ONE PIECE LIVE ATTRACTION『MARIONETTE』」で志茂星哉とともにダブルキャストでルフィ役を担当している寶珠山(ほうじゅやま)駿の座談会をお届け。オーディション時の裏話や、もう1人のルフィ役三浦とともに3人で全2658回もの公演をやり遂げた永田と竹中の「LIVE ATTRACTION」への思いや当時の記憶、「MARIONETTE」の上演開始から約3カ月を迎えた寶珠山の現在の心境などについて語ってもらった。また3人が東京ワンピースタワーのパーク内を回った様子をフォトギャラリーとして掲載している。
取材・文 / 岸野恵加 撮影 / 須田卓馬
ヘアメイク / 眞弓秀明(永田崇人 / 寶珠山駿)、佐野美穂子(竹中凌平)
スタイリスト / 中西永人(JOE TOKYO)(永田崇人)、ヨシダミホ(竹中凌平)
赤羽橋駅からの坂のキツさに「そうだった」(竹中)
──永田さん、竹中さんは今日、久々に東京ワンピースタワーを回られていかがでしたか?
永田崇人 実は僕、イベントに出させてもらったり(参照:ワンピースタワー4周年をきただにひろし&大槻マキが「ウィーアー!」でお祝い)なんだかんだで最近は月イチくらいで来てるんですよ(笑)。プライベートでもよく遊びに来ます。ショーを見ると元気が出るんですよね。
竹中凌平 僕は2年ぶりとかそのくらいですかね。今日も出演してた当時と同じく(都営大江戸線)赤羽橋駅から来たんですけど、そうだった、坂がキツかったんだなって(笑)。すごく懐かしくなりましたね。タワー(東京ワンピースタワー)自体は、ガラッと変わっているところも多いけど、前のままのものもけっこうあって。そうそう、「トンガリポート~麦わらの一味の宴~」のところで、最後の公演の後にキャスト全員で写真を撮ったことをよく覚えてますね。
永田 撮ったね! もうね、20年も前の話になるんですけど……。
竹中 俺たち何歳だよ、今。
──(笑)。今日はせっかく新旧ルフィ役の3名が集ったということで、現役キャストの寶珠山さんに先輩たちへの質問をぶつけてもらい、ライブショーの歴史や魅力を解き明かしていけたらと思っています。
寶珠山駿 めちゃくちゃ緊張します……。
永田 じゃあ逆に俺らが質問し返していこうか。
竹中 いっちゃうか。
寶珠山 やめてください!(笑) ではまずは……「ONE PIECE」って、ショーへの出演が決まる前から読んでましたか?
竹中 読んでた読んでた。ジャンプ買ってたもん。
永田 俺は高校3年生くらいまで読んだことなかったかな。
竹中 え、そこから読み出したの? けっこう遅いね。
永田 アニメは観てたんだけどね。お母さんがハマって単行本を大人買いしてきたのをきっかけに、全部読んだ。
竹中 キャラ、誰が好きだった?
永田 そりゃあお前、聞くまでもなくない? チョッパーだよ。
一同 (笑)。
オーディションでエアバスケ(寶珠山)
寶珠山 おふたりは初代なのでショーのイメージもはっきりとは掴めないままオーディションに臨んだと思うんですけど、どんな心境でしたか?
竹中 これが役者として一発目の仕事だったから、「きっと受かんないだろうなあ」と思いつつオーディションに行ったことを覚えてる。
永田 僕もこれが俳優デビューですけど、まだ養成所に通っている段階だったので、もうその時点で無理だなって思ってた。だから受かったときはびっくりしましたね。
竹中 3次、4次くらいまで試験があったよね。マンガのセリフ読んだり。
寶珠山 へえー! 僕のときは3次までだったんです。特技披露って前もありましたか? 何をやりました?
永田 俺はね、確かバク宙したかな。(初代)ウソップ役の菅野勇城は、「ウソップの歩き方します」って実演してたよね。
竹中 (同じく初代ウソップ役)及川洸さんはすごいアクロバットやってたよね。入った瞬間からもう「すごい回ってる人いるぞ」って思った。
永田 やってた、やってた! 駿は何やったの?
寶珠山 バク転をめっちゃ練習してたんですけど、オーディション行ったらやってる方がいっぱいいて……。急遽「エアバスケします」って言って、演出家の目の前で「うおおおお!」って叫びながらボールを持たない状態でダンクしました。ぶっつけ本番でやったので緊張してたんですけど、それがウケたので、「(緊張に)耐えたー!」と。
竹中 (笑)。急に思いついてそれはすごい。
──オーディションは、役の希望を出して受けたんでしょうか?
永田 出さずに全員同時でした。だから、僕がサンジだった可能性も全然ありますよね。
竹中 ねえよ(笑)。やっぱり身長がキャラクターに近いかどうか、とかの基準はあったんだと思います。
永田 基本的にはある程度、この役かなっていうのがだいたい決まってたよね。
──日本で一番売れているマンガの主人公役をやるということで、決まったときはプレッシャーを感じましたか?
永田 そりゃもうありましたねー。
竹中 俺はね、これが初めての仕事だったから……ちょっとナメくさってたんですよ(笑)。それがどういうことか全然わかってなかったんですね、きっと。もし今「あなたがルフィをやるよ」って言われたら相当なプレッシャーを感じると思います。
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声を発しない演技の難しさ