コミックナタリー PowerPush - 月刊アクション
双葉社マンガ部門が総力を挙げて挑んだ 想定外の出会いをもたらす月刊誌、創刊
月刊アクション編集部の女性編集者4人による座談会[後編] 女子目線でピックアップしたイチオシ作品をガールズトーク
妹尾 私の中でイケメンだと感じたキャラクターは、青色イリコさんの「エジプトの三角」に登場するヘタレ君たち。古代エジプトを舞台にしたギャグマンガなんですけど。
飯田 ピラミッド建設に駆り出されるんだけどダルくてやってられない、ってダラダラしてる若者3人ね。
妹尾 ルックス的にイケメンってわけじゃないんですけど、ヘタレ男子好きなので、彼らのヘタってる雰囲気が好きで。起き上がるのも面倒くさいから寝たまま会話するっていうやる気のなさが、キュンときました。
飯田 サブキャラのファラオもよくないですか?
妹尾 ファラオの独特の口調いいですよね。すごいわかりやすく言うと、「聖☆おにいさん」が好きな人には響く作品だと思うんですよ。小粋な会話と、ちょっと砕けた歴史の偉人萌えみたいなところが。古代エジプトの人々が、現代の用語をたくさん知ってるのも笑えます。
杉山 作中にビールが出てきますけど、ビールって当時から本当にあったんですよね。そんな豆知識も得られたりして。
飯田 ゆるい日常のギャグマンガなので、頭からっぽにして楽しめますね。私は柳本光晴さんの「女の子が死ぬ話」に出てくる男子高校生がよかった。
杉山 見た目的にも振舞い的にも、まさにイケメン枠ですよね、王子様みたい。
山田 余命わずかな女子にいつも連れ添ってくれる男子、というあのシチュエーションは憧れます。向こう見ずな女の子の起こすトラブルをこの男の子が仲介したりして、ずっと守ってきたんだろうな、みたいな。
飯田 それが恋愛感情なのかどうなのか、彼の内心がすごい気になりますよね。早く続きが読みたいです。
妹尾 あ、イケメンならひとり忘れてた、オザキミカさんの「ふうちゃんとおじいちゃん」のおじいちゃん!
一同 あー(笑)。
妹尾 孫娘と暮らすおじいちゃんなのに見た目はなぜか完全に青年で、それが普通のこととして町の人にも受け入れられているという、あれはファンタジーになるのかな、設定的に。
杉山 「(ふうちゃんと)おじいちゃん」は私が担当なんですけど、おじいちゃんの何がいいって、もうすでに人生の大部分が終わりに近くて、その人生経験の豊かさからすべてを受け入れてくれるというか、許してくれるところね。
妹尾 杉山さん、疲れてる……?
杉山 そうなんです、許されたいんですよ、色々なことから……(笑)。でもこのキャラ、すごい癒し系じゃないですか? 見た目イケメンで中身は老人、夢のよう! 今後も見た目がなぜ若いかみたいな謎は解明しないで、この不思議なイケメンを眺めていられたらうれしいですね。
妹尾 月刊アクションは人が死ぬサスペンス系の作品がやや多いんですが、これは誰も死ななくて安心。
杉山 や、わかんない、おじいちゃんだから、死んじゃうかも(笑)。
一同 ちょっと!(笑)
飯田 「アクション仮面」もイケメン枠に入れてもいいんじゃないですか。
杉山 そうですね、ぜひ入れてほしいです。これも私の担当ですし(笑)。
飯田 「クレヨンしんちゃん」のあのアクション仮面が、こんなに格好よくなるなんてねえ。
杉山 設定には要所要所、意見を言わせてもらった部分もあるんです。変身後の腹筋とか。作者の西脇だっとさんと作っていくうちに、だんだん自分の好みになっていくんで、「どうしよう」って思ってました。
妹尾 杉山さんに「アクション仮面」の見どころを聞くと、とにかく腹筋推しなんですよ。バトルとかアクションとか、そっちじゃないんだっていう。
山田 でもやっぱり、ヒーローとして純粋に格好いいと思います。最初にアクション仮面が見開きでドーンて登場したときは、「おお!」って思ったので。
妹尾 おなじみの笑い声もね、ちゃんと出てきますし。
杉山 そうなんです、原作の「クレヨンしんちゃん」に登場する数少ない設定を生かしながら、なんとなくクスッて笑えるようなところも織り込んでいきたいなと思ってます。
ラインナップ
- 付録:森薫 描き下ろしB2判ポスター
- 「アクション仮面」キャラクター原作:臼井儀人/西脇だっと
- 「つぐもも」浜田よしかづ
- 「王様ゲーム 起源」原作:金沢伸明/作画:山田J太
- 「アクレキ」えのきづ
- 「乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ」大西巷一
- 「さよならハルメギド」きづきあきら+サトウナンキ
- 「小林さんちのメイドラゴン」クール教信者
- 「ふうちゃんとおじいちゃん」オザキミカ
- 「恋愛3次元デビュー」カザマアヤミ
- 「マーダー・インカーネイション」原作:菅原敬太/作画:稲光伸二
- 「カリュクス」岬下部せすな
- 「エジプトの三角」青色イリコ
- 「ガール メイ キル」板倉梓
- 「友情課金カルマンゲイン」カズミヤアキラ
- 「甘露に肩思い」黄島点心
- 「ばけもの町のヒトビト」くまのとおる
- 「ちちゃこい日記」サワミソノ
- 「大科学少女」渋谷圭一郎
- 「中学性日記」シモダアサミ
- 「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」永瀬ようすけ
- 「地方公務員☆役司夏美」岸和田馨・若里実
- 「月が爆発したので」まことじ
- 「受付の白雪さん」吉沢緑時
- 「女の子が死ぬ話」柳本光晴
- 「りきじょ」歌麿