コミックナタリー PowerPush - アイドルマスター ミリオンライブ!

765プロ・シアター組、ゲッサンからGO MY 上へ!! 秘蔵カットも出しまくりの作者&担当インタビュー

ゲームから少し設定を変えても大丈夫だった

──告知の時点では、ストーリー自体はどれくらい固まっていたんですか?

担当 一応ネームは3話までありました。

──物語の制作にあたっては、バンナムさんと打ち合わせをしながら作っていくんですか?

「アイドルマスター ミリオンライブ!」連載開始前に描かれたカットの数々。

担当 いや、バンナムさんからはまず50人のキャラクターの設定をいただいて、春日未来、最上静香、伊吹翼という3人を中心に置いてほしいっていう要望だけ出されて。それ以外はありがたいことにもう、ほぼお任せでした。

門司 最初は3話くらいでこの3人の話を終わらせて、その後はほかのキャラクターのオムニバスをやっていくという案もあったんです。でも1話を載せた時点で、未来と静香がメインのほうがいいんじゃないかっていうことになって、そこから4話以降もこの2人メインで作っていった感じですね。

担当 そうだね。まず門司さんとなんとなくのお話の型を決めて、バンナムさんとはこういうことをやりたいんですが、設定上ありですかっていうのを確認するぐらいです。

──なるほど。結構バンナムさんは太っ腹というか、寛大な感じなんですね。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」カット

担当 ええ。ゲームの設定をちょっと変えたり、加えたりしたんですが、了承してもらえました。例えば未来と静香が同級生であるとか、シアター組を765プロアイドルの妹的なポジションにさせるといったことも、問題ないと言ってもらえて。最初の頃はネームについて「未来のセリフはもっとこうしてほしい」といった修正指示もあったんですが、今はだいたいチェックしてOKをもらえています。

──クオリティで信頼を勝ち取ったわけですね。

担当 そうだったらいいなあ、と。とか言ってたら次、すごく直されたりするかも(笑)。

本当に音が流れたらいいのに

──ストーリーの大本は門司先生がおひとりで考えられるんですか。

担当 そうですね。そこはほとんどお任せです。

──執筆するにあたってここは難しい、という点はありますか。やはりアイドルものということで、音が出ない、という弱点はありますよね。

門司 うん、それは本当に。すごく悔しいというか、流れたらいいのになあって思いながら描いてます(笑)。私はアニメの「THE IDOLM@STER」が大好きだったので、あの演出や音楽の使い方が頭にずっと残ってる感じ。

担当 まあアニメを観ると、ライブシーンはとにかくすごいなとしか言えないよね。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」より。迫力のライブシーン。

門司 ライブシーン、未だにどうしたらいいかわからなくて……。楽器も持っていないから動きも少ないし、どう描いたらいいかまだまだ困ってます。

──でも未来の初ライブのシーンは、すごく盛り上がる仕上がりだったと思います。わからないなりに、ここはこうしたらいいのか、みたいな覚醒した瞬間はありましたか。

門司 まったくないですね。

──(笑)。

門司 毎回試行錯誤です。

担当 そこは何かしら言ってほしかったなー! 今後何かとイジれたのに(笑)。

門司 (笑)あと難しいのは、やっぱりゲッサンでやってる以上、全然知らない人にも読めるものに絶対したいけど、ゲームのファンの人たちが楽しめるものにもしたい、という部分の両立ですかね。ゲームを知らない人からしたら、やっぱりキャラクターが多すぎると思うんですよ。その兼ね合いというか、バランスが一番難しいなあと思いました。

──なるほど。ちなみに門司先生がいちばんお好きなキャラクターはどなたでしょう。

門司 765プロオールスターズだったらずっと(菊地)真くんが好きだったんですけど……劇場版を観たら(水瀬)伊織がすごく好きになりましたね。「ミリオンライブ!」のアイドルだとお姉さん系のキャラがすごく好きなので、豊川(風花)さんとか北上(麗花)さんとか、ちょっとハタチ過ぎたお姉さん系が好きです。癒し系で。

「これは日常コメディ」と言い聞かせながら

──ゲッサンの編集方針には「漫画力絶対主義」がありますが、意識している部分はありますか?

担当 特段この作品だから意識している、という部分はないですね。この連載企画を出したときに編集長からは「売れてるからやろうとしてるんじゃないよね」と言われたんですが、「いや違います」と。僕はアイドルマスターが好きだし、それで絶対に面白いものを作ってみせるという気持ちと、門司さんの才能に絶対向いてて絶対将来的にもプラスになるということを語ったら「じゃあ任せる」となったんで。基本的には作家の器量に任せて、しっかりと門司雪のマンガにするっていうのが僕は考えてることです。

──なるほど。読ませていただくと熱血というか、少年マンガ的なところが大きな魅力だと感じました。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」より。未来と静香の出会いのシーン。

担当 はじめにお互いの共通認識として、部活ものっぽくしたいっていうのはありましたね。努力してひたむきにがんばる女の子たちというところで、イメージはいちばん近いかなと。

門司 私も部活ものを読むのはすごく好きで、でも打ち合わせをして実際に描いてみると、もう少しコメディというか、日常寄りのほうがいいんじゃないかということになりましたね。私何も考えないで描くと結構熱血なストーリー寄りになってしまうので。いや日常系を描くぞ、っていう感じの意気込みで3話までは描きました。

──頭の中をぐっとシフトさせる感じですか。

門司 そうですね。ずっと「これは日常コメディ」って自分に言い聞かせながら(笑)。それで描いてちょうどよくなります。

門司雪 / バンダイナムコゲームス「アイドルマスター ミリオンライブ!(1)」 / 2015年3月12日発売 / 小学館
オリジナルCD付き特別版 / 2000円
通常版 / 650円

「アイドルマスター」765プロ新企画!
話題のゲッサン×アイマス!
765プロの新たなチャレンジ、765プロライブ劇場。
そこでアイドルを目指す少女たちの物語──。

特別版付属のオリジナルCDには門司雪が書き下ろした作中名シーン&新エピソードたっぷりのボイスドラマに加え、最上静香が歌う「蒼い鳥」、春日未来&最上静香が歌う「GO MY WAY!!」の激レアカバー曲を2曲収録!!

門司雪(モンジユキ)
門司雪

10月28日生まれ。血液型O型。2012年、第70回新人コミック大賞入選。2013年6月、ゲッサン(小学館)の別冊付録に収録された「Mの魔弾」でプロデビュー。2014年7月に同誌でバンダイナムコゲームスのゲームをコミカライズした初連載「アイドルマスター ミリオンライブ!」を始動させた。ゲッサン期待の実力派ルーキー。