アニメ「魔法使いの嫁」種﨑敦美×竹内良太インタビュー|みんな、帰りたい家がある

ただ「好きです」という思いが、何倍にも膨らんだ言葉になる(竹内)

──ドラマCDの収録は2015年から始まっていたかと思うのですが、そこから2年が経ちました(参照:「魔法使いの嫁」ドラマCD、チセとエリアスの会話シーンを公開)。

竹内 もう2年も経つんですね。早いなあ……。あっという間じゃなかったですか?

種﨑 あっという間でした。

竹内良太

竹内 2015年に「魔法使いの嫁」のオーディションを受けて、エリアス役に決まって、ドラマCDの収録のときに「これからがんばらなくちゃ」って思っていたら、もう来月10月じゃん!みたいな(笑)。

種﨑 本当にそんな感じ(笑)。

竹内 駆け抜けたっていう感覚がありますね。「星待つひと」では舞台挨拶もたくさんやらせていただきましたし、(アニメの公式サイトで配信されている)同人ラジオでも2人でいろいろとしゃべらせていただているので、収録以外でも「魔法使いの嫁」やファンの方と触れ合う機会が多くて、余計あっという間に感じたんだと思います。

──以前、和田丈嗣プロデューサーにお話を伺ったとき(参照:「魔法使いの嫁」アニメ化記念特集 プロデューサー・和田丈嗣(WIT STUDIO)インタビュー)、ドラマCDの頃から「いずれはテレビアニメもやりたいと思っていた」とお聞きしたんですが、そういった話はおふたりに対してもされていたんですか?

竹内 最初の頃から「いつかアニメもやりたいね」「一緒に作っていこうよ」というお話はいただいてました。

種﨑 なので、そのつもりでがんばっておりました。

──ドラマCDに始まり、全3部作のアニメ「星待つひと」が制作され、テレビアニメは2クールで放送。読者目線で見ても、すごく丁寧に描かれていると感じるのですが、演じられているおふたりにとってはいかがですか。

種﨑 もう感謝しかないですね。こんなに長く関わらせていただけるのもそうですし、ドラマCDと「星待つひと」を経験してきたことによって、第1話のアフレコから、スッと世界に入ることができて。テレビアニメが始まる前にそれだけやらせていただけたのはありがたいなと思いました。ただ今までは、チセとエリアスが出会ってから時間が経った頃を演じていた分、テレビアニメでは出会いのシーンから始まるので、2人の距離感が変わってしまったのは演じるうえで大変でした。

竹内 そこは難しかったですね。ただ監督もおっしゃってたんですけど、いきなりテレビアニメの第1話から始めるのではなくて、チセとエリアスの関係を培ってきたところで、出会いのシーンが演じられたのはすごくよかったなと。

──確かにチセは重い過去を背負ったキャラクターですし、エリアスも何を考えているかがわかりづらい役どころだと思うので、何も知らない状態から始めるのと、積み重ねてきたものがあってから冒頭のシーンを演じるのとではまた違いそうですね。

種﨑 いきなりテレビアニメの第1話から録ってたらどうだったんだろうって、最近すごく考えます。

テレビアニメ「魔法使いの嫁」より、エリアス。

竹内 考えますね。エリアスが何を考えているかわからないことって、演じてきた今でもたくさんあるんです。感情を表に出さないキャラクターなので、いきなりテレビアニメの第1話からスタートしていたら、余計わからなくなっていたんじゃないかなと。でも僕はエリアスのそういう謎めいたところが好きで。人の気持ちをなかなか汲み取れなかったり、共感できなかったりすることもあるんですが、そのおかげか、表現方法や言い回しがちょっとクドいことがあって。ただ「好きです」っていう思いが、何倍にも膨らんだ言葉になって表現される。それがすごく素敵だなと思いながら演じさせていただいてますね。

なんて強い子なんだろう、毎回ものすごい役をやらせていただいてるなと感じます(種﨑)

──種﨑さんは「星待つひと」でチセの過去の出来事を知ってから、テレビアニメの収録に挑むことになったと思うのですが。

竹内 改めて考えるとすごいですよね。(三浦)理一さんとのエピソードのあと、第1話でのセスさんやエリアスとの出会いがあるってことですもんね。

種﨑敦美

種﨑 あのラストからセスさんと出会うまでの間に何があったんだ!って気になりますよね(笑)。チセはすごく器の大きい子だと思っています。チセ役に決まってから、原作は5、6、7、8巻と発売されて、新しいエピソードを読むたびになんて強い子なんだろうって、毎回ものすごい役をやらせていただいてるなと感じます。それは8巻を読んだあともそうで。チセというキャラクターが、深すぎて焦る……というわけじゃないんですけど……。

──焦りのような気持ちを抱くことがある?

種﨑 うーん……。原作を読んで、チセがこういう気持ちでいるんだろうなとわかってはいたはずなんですけど、8巻を読んでチセの思いを知ったときに、わかっていたはずだけど、私は本当にわかっていたのかなって思ってしまったというか。うまく言葉にできないんですけど……。

竹内 たぶん種﨑さんは、チセに対していろんなことを考えて、頭の中でもりもりと巡らせていると思うんです。

種﨑 ふふふ(笑)。もりもりしてますねえ……。

竹内 その考えているいろいろなことが、頭の中で全部こし器に入れられて、いい感じに凝縮されてセリフとして出てくる。それがチセっぽいなと思うんです。チセもそんなに多くは語らないですし、本当に思っていることを、例えばルツが代弁したりするわけで。

テレビアニメ「魔法使いの嫁」より、チセ。

種﨑 確かに自分よりも、周りの人のほうが私や私が演じるチセのことをわかってくださっている感じがします。「星待つひと」から妖精や子供、おばあさんなどいろんな役で出演している佐藤はなさんと、この間「まほよめ」について熱く語り合ったことがあったんですけど、そのときに「種﨑さんが演じるチセは、線香花火のパチパチし終わったあとの、最後にプルプルと震えているところのようです」と言ってくださって。その表現を聞いて自分でもすごくしっくりきて、「わかる!」と思ったんです。そういうふうに考えたことはなかったんですけど、確かに私は最後のプルプルしているここに入らねば、ここに入るためにはどうしたら……と考えている状態だなって思ったんです。……伝わりますでしょうか?(笑)

竹内 ふふふ(笑)。でもわかる気がします。種﨑さんはアフレコのときも常に模索しているんですよ。テストが終わって本番を控えているときも、こうじゃない、ああじゃないみたいな仕草をして、まだ違うチセの表現があるんじゃないかとずっと考えていて。そんな中で、長沼(範裕)監督やはたさんがチセの方向性を見つけて、道案内をしてくれている。

種﨑 私が模索していると、長沼監督やはたさんが「こっちだよー」と道標を示してくれて。スタッフさんは皆さん「魔法使いの嫁」をすごく愛しているので、私たちも信頼しています。

僕らよりも周りのキャストの皆さんが盛り上がってる(竹内)

──スタッフの方々が「魔法使いの嫁」に大きな愛を持って取り組まれていると言うのは、以前和田さんや長沼監督にお話を伺ったときも感じました。

左から種﨑敦美、竹内良太。

竹内 スタッフさんはもちろんですし、キャストの皆さんからも感じるんですよ。今も絶賛アフレコ中なんですが、現場では僕たちよりも、ほかのキャストの皆さんのほうが「魔法使いの嫁」について盛り上がってるんです。「新しいPVが公開されたよー!」とか、「この話ってどうなるの!?」みたいな話をしていて。僕らは意外と冷静に横で聞いているんですけど(笑)、皆さんが盛り上がってるのを見てすごくうれしかったんです。

種﨑 我々はアフレコ現場で真ん中に座らせていただいているんですけど、PVを流したら周りの皆さんのほうが「ウオー!」って興奮していて。私たちも別に冷静でいようと思っているわけではないんですけど(笑)。でもみんなが盛り上がっている様子を見て、心の中で「うれしいな」って思っていたら、実は竹内さんも同じように思っていたっていうのを、さっき初めて聞いてびっくりしました。

竹内 僕らはその話に入るわけではないんですけどね(笑)。

種﨑 皆さんからしたら「そこは入ろうよ」って感じだと思うんですけど(笑)。

──ドラマCDや「星待つひと」の頃よりもキャストの数は増えたと思いますが、やっぱり賑やかになりましたか。

種﨑 現場の雰囲気とかはそんなに変わらないんですけど、物理的には賑やかになりましたね(笑)。いらっしゃる皆さん1人ひとりが「魔法使いの嫁」にとって大事な役を任せてもらっていると感じて、作品を好きになってくださっているんだなって、それは皆さんから感じます。

テレビアニメ「魔法使いの嫁」
魔法使いの嫁
あらすじ
羽鳥チセは15歳の少女。
彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。
ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。
そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、異形の魔法使い・エリアス。
自然と寄り添い、悠久の時を生きる魔法使いの暮しの中で、チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく……。
これは、世界の美しさを識る為の物語。
放送情報
TOKYO MX:2017年10月7日(土)より毎週土曜25:30~
MBS:2017年10月7日(土)より毎週土曜27:38~
AT-X:2017年10月8日(日)より毎週日曜21:00~ほか
テレビ愛知:2017年10月9日(月)より毎週月曜26:05~
テレ玉:2017年10月11日(水)より毎週水曜23:00~
チバテレ:2017年10月11日(水)より毎週水曜23:00~
北海道放送:2017年10月11日(水)より毎週水曜26:26~
BS11:2017年10月11日(水)より毎週水曜25:00~
※放送日時は変更になる可能性があり
配信情報
AbemaTV:2017年10月8日(日)より毎週日曜23:00~
FOD:2017年10月9日(月)より毎週月曜24:00~
Amazonプライムビデオ:2017年10月9日(月)より毎週月曜24:00~
ビデオマーケット:2017年10月9日(月)より毎週月曜24:00~
ひかりTV:2017年10月9日(月)より毎週月曜24:00~
dアニメストア:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
バンダイチャンネル:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
アニメイトチャンネル:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
TSUTAYA TV:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
HAPPY!動画:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
U-NEXT:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
アニメ放題:2017年10月10日(火)より毎週火曜12:00~
auビデオパス:2017年10月10日(火)より毎週火曜24:00~
J:COMオンデマンドメガパック:2017年10月10日(火)より毎週火曜24:00~
GYAO!:2017年10月12日(木)より毎週木曜24:00~
ニコニコ生放送:2017年10月12日(木)より毎週木曜24:00~
ニコニコチャンネル:2017年10月12日(木)より毎週木曜24:30~
ほか
スタッフ
原作:ヤマザキコレ(マッグガーデン刊)
シリーズ構成・監督:長沼範裕
脚本:高羽彩
キャラクターデザイン:加藤寛崇
音楽:松本淳一
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:WIT STUDIO
キャスト
羽鳥チセ:種﨑敦美
エリアス:竹内良太
ルツ:内山昂輝
シルキー:遠藤綾
アンジェリカ:甲斐田裕子
サイモン:森川智之
セス:諏訪部順一
リンデル:浪川大輔
ミハイル・レンフレッド:日野聡
アリス:田村睦心
ティターニア:大原さやか
オベロン:山口勝平
カルタフィルス:村瀬歩
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種﨑敦美(タネザキアツミ)
大分県出身、9月27日生まれ。主な出演作に「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」(西之園萌絵役)、「残響のテロル」(三島リサ役)、「宝石の国」(ネプチュナイト役)など。
竹内良太(タケウチリョウタ)
兵庫県出身、9月22日生まれ。主な出演作に「ハイキュー!!」シリーズ(牛島若利)、「ナースウィッチ小麦ちゃんR」(ねこP役)、「暗殺教室」(シロ役)など。