「かつて神だった獣たちへ」|バイオレンス好きの広瀬アリスが「かつ神」に惹かれる理由

マンガの話が合うのは、仕事場にいる年上の男性スタッフ

──タイトルが次から次へと出てきて、本当にマンガがお好きなんだなと思うのですが、作品を選ぶときには、何か基準があるんですか?

広瀬アリス

自分で本屋さんに行ってその場で選ぶことがほとんどです。基本的にジャケット買い。帯とあらすじをチェックして、気になったら迷わず買います。それに本屋さんに行くのが大好きなので、少しでも時間があると足を運んでしまいますね。

──それだけ詳しいと、周りからオススメを教えてほしいって言われることも多いんじゃないですか。

あります。でも同世代の子に私が好きな作品を薦めても、あんまり共感してもらえないんです。話が合うのは年上の男性スタッフさんで、よくマンガの話で盛り上がってます。新刊が出たら、仕事場でまず「あれ読みました?」って話を一通りします(笑)。過去に一番盛り上がったのは「進撃の巨人」のマルコの死に方! ずっと、どうやって死んだんだろうって気になってましたけど、あれは残酷過ぎました……。

──逆にオススメしてもらうこともありますか。

はい。最近の作品は自分でチェックしているので、完結している作品とか、少し前の作品を教えてもらえるとうれしいですね。この間「多重人格探偵サイコ」を薦めてもらったんですが、すごく面白かったです。一気に心を掴まれました。もう「たまらん!」って(笑)。

──ちなみにマンガは紙派ですか、電子派ですか?

断然紙派です。最近は電子で連載されている作品も多いと思うんですけど、読むときはやっぱり紙で読みたいです。あと私は、既刊をいろいろ読み返して気持ちを作ってから最新刊を読んだりするので、そういうときは紙のほうが合ってるなって思います。

──広瀬さんにとって、バイオレンスな作品の魅力って何でしょうか。

「かつて神だった獣たちへ」より。

やっぱり非現実的な世界観ですかね。いい意味でぶっ飛んでるっていうか。キャラクターがどんどん死んでいったり、生き延びるのかなと思っていたキャラが、次のページでは死んでたり。世界がどんどん狂っていく様が面白いなって。あと人間の内面の、泥臭い部分を見るのが好きなんです。そうすると必然的に、人間が追い込まれるような作品ばっかり読むようになってしまって(笑)。

──ちなみに難しい質問だとは思うんですが、今まで読んできた中で一番好きな作品はなんでしょうか。

うーん……一番好きとなると結構メジャーな作品になるんですけど、やっぱり「進撃の巨人」「東京喰種トーキョーグール」「キングダム」あたりですかね……。どれかひとつに絞るのは難しいです。

──では一番好きなキャラというと?

それも難しいです……(笑)。最近「東京喰種」の新刊が連続で出ていたので、今は「カネキくんが一番!」って気分なんですけど、でも「キングダム」の桓騎もカッコイイし、「進撃」のエルヴィンやリヴァイも好きだし……。あと「黒子のバスケ」の黄瀬くんも好きで……。

──やっぱり一番は選べないですかね(笑)。

新刊を読むとそのキャラが「好き!」になってしまうので。好きなキャラランキングはリアルタイムで変動してます(笑)。

「亜人」の実写化が決まったときは、親のような気持ちに

──女優のお仕事をされていると、マンガの実写化が気になることもあるのでは。

個人的にはマンガはマンガ、実写は実写って思っているんですけど、最初からリアルタイムで読んできた「亜人」の実写化が決まったときは、もはや親のような気持ちでした。「大きくなったねえ」って(笑)。私、業界内で一番早く「亜人」を読んだのって自分じゃないかなと思っているほど(笑)。

──読んでいて「自分が演じてみたいな」と思うことはないですか。

広瀬アリス

そうですね……やっぱり自分が好きなマンガ、読んでるマンガだったら、演じてみたいなって思うこともあります。この間、「累」の実写化が発表されたときは「あれ……話来てないな、私」って思って(笑)。マネージャーさんに「話来てないですよねえ?」って、思わず確認しそうになりました(笑)。

──(笑)。では広瀬さん的に、これから実写化しそうな作品はありますか?

実写化して面白そうなのはナガテユカさんの「ギフト±」です。臓器売買グループに属する女子高生の話なんですけど、最新刊が大ピンチなところで終わってて。続きが気になるんですよね。あとは麻生羽呂さんの「今際の国のアリス」も実写化しそうだなって思ってます。

「とにかく、まずは読んで」って言いたい

──では改めて、「かつ神」の今後について、どうなっていくと思いますか。

「かつて神だった獣たちへ」より。

まだまだ謎が多いんですよね。ケインが何をしたいのか、ハンクの過去、エレインとの関係……。それに話の規模が少しずつ大きくなってきているじゃないですか。最初はハンクが擬神兵を倒していく、っていうシンプルな流れだったのが、クロードと共闘するようになって、いろんな立場の人を巻き込んでいるので。今後、いろいろ明かされていくのが楽しみです。

──最後に、これから「かつ神」を読む人に作品の魅力を伝えるとしたら?

正直「面白いから、とりあえず読んでみて」って感じです。まずダークファンタジーが好きな人には絶対オススメです。異世界や現実離れした世界観が好きな人には、ぜひ読んでほしいです。あとはやっぱり、擬神兵たちのエピソードが切なくて泣けるところ。読めば読むほど深まっていくと思うし、1巻を読んだら絶対に続きが読みたくなると思うので、やっぱり「とにかく、まずは読んで」って言いたいです。

広瀬アリス
めいびい「かつて神だった獣たちへ⑥」
発売中 / 講談社
めいびい「かつて神だった獣たちへ⑥」

コミック 463円

Amazon.co.jp

Kindle版 432円

Amazon.co.jp

クロード率いる擬神兵討伐部隊「クーデグラース」と共闘することを決めたハンク。次なる標的は、ボルドクリーク要塞を守る不死身の獣・ケンタウロス。その砦では、クロードの兄であり、ハンクの宿敵・ケインの姿も目撃されており……。ケンタウロス討伐が目的のクーデグラースとハンクだったが、任務はその域を超え、政府軍と共に要塞攻略戦に加わることに。ついに「戦争」が始まる──!

「かつて神だった獣たちへ」6巻発売記念めいびいサイン会

日時:2017年9月16日(土)13:00~
会場:SHIBUYA TSUTAYA B1Fコミック売場
参加方法:9月8日10時より、SHIBUYA TSUTAYA店頭にて「かつて神だった獣たちへ」6巻を購入した先着60名に整理券を配布。整理券は定員に達し次第終了。

広瀬アリス(ヒロセアリス)
1994年12月11日生まれ。静岡県出身。フォスタープラス所属。2008年に女優デビュー。2009年に女性ファッション誌・セブンティーン(集英社)の専属モデルに。ドラマ「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」の小林みち子役、映画「新宿スワンⅡ」小沢マユミ役など出演作多数。2017年10月2日より放送のNHK連続ドラマ小説「わろてんか」にリリコ役で出演。また2017年11月3日公開の映画「氷菓」では、千反田える役として主演を務める。
めいびい
男性の2人組。2005年にコミック夢雅(桜桃書房)で商業誌デビュー。代表作に「黄昏乙女×アムネジア」「結婚指輪物語」「かつて神だった獣たちへ」など。2014年3月より月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)にて「結婚指輪物語」を、2014年6月より別冊少年マガジン(講談社)にて「かつて神だった獣たちへ」を連載中。

衣装 / ワンピース(カミシマ チナミ イエロー/KAMISHIMA CHINAMI 青山店:03-3406-9210)、
イヤリング(ソムニウム/ソムニウム:03-3614-1102)、
サンダル(FLAG-J/FLAG-J渋谷109店:03-3477-5052)