堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」 PR

「僕のヒーローアカデミア」堀越耕平インタビュー|“ヒーローとはなんなのか?”自問しながら描く

ヒーローってなんなんだろう

──今のお話の中でも出てきましたが、堀越先生にとって、「僕のヒーローアカデミア」の主題とはどういったものなんですか?

「ヒーローってなんなんだろう」ということを考えて描きたいと思っています。ヒーローがどういうものなのか、言葉にするのってすごく難しいんですよ。

──ヒーロー像を定義するのが。

助けを求めるエリを見て、自身の正義を貫こうとするデク。

というより、僕の中ではあまり定義したくないんです。「僕のヒーローアカデミア」が始まった頃はインタビューでも「ヒーローとはこういう存在であると思う」と答えていたんですけど、最近はもっといろいろな捉え方があるよなと思うようになったんです。例えば「孤独でもがんばり続けるのがヒーローだ」って言う人もいるでしょうし、それこそ野球選手みたいに人を楽しませて希望を与えられるのもヒーローって言えるし。ひとつの言葉で「こういうものだ」って言えるものじゃないんじゃないかって。

──ご自身の中で考えが変化するのには何かきっかけがあったんですか?

連載が進んでいくうちに、いろんな価値観でそれぞれのキャラクターが動き始めたんです。例えばデクにとっては「人を救けるのがヒーロー」で、勝己にとっては「勝利こそがヒーロー」みたいな。こいつらのことを全部描いていかなきゃいけないとなったときに、そのヒーロー像をひとまとめにしちゃいけないなって思い始めたのが、きっかけと言えばきっかけですね。

連載当初より設定が膨らんだキャラクターは……

──連載が4年続いてきた中で、堀越先生の中で当初の予定より設定を膨らませたキャラクターはいますか?

爆豪救出のためルールを破ったデクたちに自身の思いを吐露する梅雨。

うーん……オールマイトも勝己も轟もエンデヴァーも、(麗日)お茶子なんかもそうですが、主要キャラは着地点を作ってあってそこに向けて進めているので、意外と膨らんできたキャラっていうのはいないかもしれないです。でもしいて言えば、(蛙吹)梅雨やトガ(ヒミコ)は登場させたときに読者の皆さんの反響もあって、その後の登場の仕方に変化が出たと思います。だから梅雨とトガかもしれませんね。

──このインタビューが公開される7月4日発売の19巻の冒頭では、青山くんにフォーカスしたエピソードが展開されますよね。「僕のヒーローアカデミア」のアニメイベントの取材に行くと、キャストの方々がよく「青山くんが好き」とおっしゃったりしていたりしますが、人気キャラということもあり今回エピソードが挿入されたんでしょうか。

18巻は深夜にデクの部屋を窓から覗く青山のシーンで締められている。

いや、そういうわけではないです(笑)。人気は……どうなんですかね、業界内だけかもしれない。

──ごく一部で(笑)。青山くん以外にもまだA組でフィーチャーされていない生徒のエピソードを描くとしたら誰を描きたいですか?

女子キャラなら芦戸です。芦戸はかわいらしくていいキャラをしているので、ちゃんと描いてあげたいです。男子キャラならスパイダーマンみたいな個性を持っていて、アクション映えしそうな瀬呂かな。でもやっぱり葉隠とか障子とか、クラスの目立っていない子たちは全員出してあげたいです。障子はちゃんとエピソードも用意しているので、どこかで描ければと思っています。

アンケートでは1位を獲りたいと常に思っている

──堀越先生は以前「NARUTO-ナルト-」の岸本斉史先生とダ・ヴィンチ(KADOKAWA)で対談なさった際に、「今後連載が続いていく中でハングリーさを薄められずにいるか不安だ」と相談なさっていましたよね。

しましたね。

──そのときはまだ「僕のヒーローアカデミア」は単行本が3巻ほど出ていただけでしたが、その後アニメ化、ゲーム化、小説化、そして今回の映画化と、今ではさまざまなメディア展開がされています。ハングリーさはどうやって維持されているんですか。

映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」の入場特典として配布される「僕のヒーローアカデミア Vol. Origin」。

やっぱり一番は本誌のアンケートです。常に上を狙いたいですし、下がりたくない。「僕のヒーローアカデミア」って結構アンケートが上下して、ダメなときは下がっちゃったりもするんですよ。だからすごい話を描いて1位を獲りたいと思っていますし、今ジャンプでやっている展開でも1位を獲れるように考えながら見せ場を作っています。一時は「アニメが始まるんだからもっとがんばらなきゃ」って思ったりもしたんですが、外部のことを考えるとプレッシャーで潰れちゃうので、今はマンガの内容を第一にしています。

──岸本先生は「NARUTO-ナルト-」の初代編集だった矢作(康介)さんの存在が大きかったとおっしゃっていましたね。

そうですね。ずっと矢作さんを意識していたって。

──堀越先生も初代担当者のことを意識したりすることはありますか?

たまにあります。僕の2代目担当で「僕のヒーローアカデミア」の初代担当の小池さんなら何て言うかな、これキレるかもなって考えたり。ちょうど最近登場したホークスというキャラクターを小池さんが褒めてくれたと今の担当さん伝いで聞いたんですが、それは心の底からうれしかったです。やっぱり僕も自分の根っこの部分に、初代担当の存在があるんだと思います。

堀越耕平「僕のヒーローアカデミア⑲」
2018年7月4日発売 / 集英社
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学校っぽいと言えば文化祭!! 最近、敵〈ヴィラン〉事件が続いてたからさ、ウチらの出し物で盛り上げてこうよ! 正直、ウチが役に立てるか不安だけど、ロックにキメてくよ! “Plus Ultra”!!

映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」
2018年8月3日(金)全国公開
「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」
あらすじ

白熱の期末試験が終わり、夏休みの林間合宿を控えた雄英高校メンバー。

デクとオールマイトは、ある人物からの招待を受け、海外に浮かぶ巨大人口移動都市〈I・アイランド〉を訪れていた。

世界中の科学研究者たちの英知が集まったまさにサイエンスハリウッドのような島で、“個性”やヒーローアイテムの研究成果を展示した〈I・エキスポ〉が開催される中、デクは“無個性”の少女・メリッサと出会う。

メリッサに、かつて同じ“無個性”だった自分を重ね合わせるデク。

その時、突如鉄壁のセキュリティを誇るアイランドの警備システムが敵(ヴィラン)にハッキングされ島内全ての人間が人質に獲られてしまう!

いま、ヒーロー社会の構造を揺るがしかねない【ある計画】が発動する──。

その鍵を握るのは、平和の象徴(ナンバーワンヒーロー)・オールマイト!

スタッフ

原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社 週刊少年ジャンプ連載)
監督:長崎健司
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ

キャスト

緑谷出久:山下大輝
オールマイト:三宅健太
メリッサ・シールド:志田未来
デヴィット・シールド:生瀬勝久
爆豪勝己:岡本信彦
麗日お茶子:佐倉綾音
飯田天哉:石川界人
轟焦凍:梶裕貴
八百万百:井上麻里奈
切島鋭児郎:増田俊樹
峰田実:広橋涼
上鳴電気:畠中祐
耳郎響香:真堂圭
ウォルフラム:小山力也

テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」
毎週土曜17:30より読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネットで放送中
※一部地域を除く
堀越耕平(ホリコシコウヘイ)
堀越耕平
1986年愛知県出身。2006年に「ヌケガラ」で第72回手塚賞の佳作を受賞し、2010年に「逢魔ヶ刻動物園」で週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載デビューを果たす。その後2012年に同じく週刊少年ジャンプにて「戦星のバルジ」を連載。2014年より3作目の週刊少年ジャンプ連載作品となる「僕のヒーローアカデミア」をスタートさせた。同作は2016年よりアニメが放送されているほか、劇場アニメ化、小説化、ゲーム化など幅広いメディア展開が行われている。