現在放送中のアニメ「博多豚骨ラーメンズ」。そのいかにも平和そうなタイトルと裏腹に、「観光地である博多は人口の3パーセントが殺し屋」という物騒な設定のもと、夜の街に暗躍する男たちを描く群像サスペンスだ。殺し屋のほかにも探偵、スリ、復讐屋、拷問師……さまざまな裏稼業を営むキャラクターが数多く登場するこの作品。コミックナタリーではその中から、女装趣味のある殺し屋・林憲明(リンシェンミン)役の梶裕貴と、ネットカフェで暮らす天才ハッカー・榎田役の小野賢章に登場してもらい、作品やキャラクターの魅力について話を聞く。さらに記事末には2人のフォトギャラリーも用意しているので、そちらも併せて楽しんでほしい。
取材・文 / 松本真一 撮影 / 上山陽介
殺しの激戦区・博多
殺人請負会社「マーダー・インク」の新人社員・斉藤は、あるきっかけで福岡・博多に左遷されることに。一見平和に見える博多は、実は人口の3%が殺し屋。さらに「殺し屋専門の殺し屋」までいるという都市伝説も飛び交う危険な街だった。
周りが濃すぎて自分の役が普通に見える
──「博多豚骨ラーメンズ」、タイトルだけだと「グルメものかな」って誤解されていたりしそうですよね。
梶裕貴 確かに(笑)。
小野賢章 僕は初めてタイトル聞いたとき、「博多」っていう単語から「おっ、福岡の話なんだな」とは思いましたけど、それだけしかわからなかったですね。
梶 ああ、賢章くんは福岡出身だもんね。
小野 そうなんですよ。で、最初は日常ものっていうか、「ラーメンに関するお話なのかな」ってなんとなく思ったんですけど……。
梶 ただその後に入ってくる情報として、キャラクターのビジュアルなんかを見ていくと「あれ? ちょっと違うな」と。
──アニメのキービジュアルを見ても、背景が歓楽街で怪しい雰囲気がありますからね。
梶 それから設定を聞くと、「この作品において、博多は人口の3%が殺し屋だ」っていう。だから正直、最初は「物騒な話だな」と思いましたよ。
小野 そうですよね。博多の人口の3%ってどれくらいですか?
──博多区のサイトによると、人口が約23万4000人とのことなので、その3%となると……7000人ぐらいが殺し屋ということになります。
梶 けっこうな数だよね(笑)。
小野 ヤバいですね(笑)。でも「人口の3%が殺し屋」って、インパクトとしてすごいじゃないですか。そんな作品で福岡をPRできるっていうのはなかなかないですよ。
梶 福岡を知らない人に間違った情報を与えちゃいけないけど(笑)、作品のアピールとしてはすごくキャッチーなワードだよね。
──福岡出身の小野さんは、博多が物騒な街っていう設定についてはどう思われましたか?
小野 「おっ!?」って思いましたね(笑)。
梶 一応聞いておくけど……福岡で殺し屋に会ったことは?
小野 ないですないです(笑)。いや、福岡は最高ですよ。食べ物も美味しいし。
梶 よかった、安心して福岡に行ける(笑)。でもせっかく福岡出身なのに、賢章くんが演じている榎田は博多弁をしゃべらないのがちょっと残念だね。
小野 そうなんですよ。
──作中のメインキャラで博多弁を話すのって、小野大輔さんが演じてる馬場ぐらいですか?
梶 ほかにはラーメンの屋台をやってる源造さんぐらいですかね。あとは北九州弁を話す猿渡というキャラもいます。
小野 でも僕、実は福岡にはほとんど住んでなかったんです。
梶 あ、そうなの? 博多弁を使ってたわけじゃないんだ。
小野 単に出生地みたいなものだから、博多弁に自信はないですね。でも現場には方言の先生がちゃんといらっしゃってました。博多弁や北九州弁で演じている人たちのシーンは見ていてものすごく大変そうで、一発OKになったときにはみんなから「おー!」って歓声が上がったりしてましたね。
──雰囲気のよさそうな現場ですね。
小野 そうですね。アフレコはもう全部終わっているんですけど、キャラクターの個性が自由に出ているのもすごく気持ちよくて、お芝居していて楽しかったです。とにかくみんなキャラクターが濃いので、個性のぶつかり合いでしたよ。
梶 全員濃いですもんね。浪川(大輔)さんのやってるジローがオカマの復讐屋で、前野(智昭)くん演じるマルティネスっていう外国人が、本業は整体師だけど実は拷問師とか(笑)。
小野 自分の役が普通に見えてきますもんね(笑)。
梶 そうね。僕がやってる林憲明(リン シェンミン)は女装男子だけど、それぐらいだと別に普通な感じすらするし、賢章くんの榎田も「ただのハッカーでしょ?」みたいな(笑)。
小野 ただのハッカー(笑)。
梶 ハッカーも十分すごいはずなんだけど(笑)。
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「ちょっと殺してきてくれん?」
- テレビアニメ「博多豚骨ラーメンズ」
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- スタッフ
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- 原作:木崎ちあき(メディアワークス文庫刊)
- キャラクター原案:一色箱
- 監督:安田賢司
- シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
- キャラクターデザイン:井上英紀
- 音響監督:岩浪美和
- 音楽:中川幸太郎
- アニメーション制作:サテライト
- キャスト
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- 馬場善治:小野大輔
- 林憲明:梶裕貴
- 斉藤:小林裕介
- 榎田:小野賢章
- ジロー:浪川大輔
- ミサキ:悠木碧
- ホセ・マルティネス:前野智昭
- 大和:松岡禎丞
- 佐伯:平川大輔
- 重松:浜田賢二
- 剛田源造:廣田行生
- 猿渡俊助:中村悠一
- 新田巨也:松風雅也
- チェガル:津田健次郎
- シヴァ:花江夏樹
- 井良沢:伊丸岡篤
- 緋狼:島崎信長
©2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ
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[DVD]
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- 梶裕貴(カジユウキ)
- 1985年9月3日生まれ、東京都出身。2004年1月、ゲーム「帝国千戦記」で声優デビュー。アニメ、ゲーム、ナレーション、洋画吹き替え、舞台などで活躍し、代表作にアニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役、「七つの大罪」のメリオダス役、「ワールドトリガー」の三雲修役、「僕のヒーローアカデミア」の轟焦凍役ほか多数。
- 小野賢章(オノケンショウ)
- 1989年10月5日生まれ、福岡県出身。「ハリー・ポッター」シリーズの日本語吹替版で全作にわたり主人公ハリー・ポッター役を担当した。俳優、声優、歌手などジャンルを超えて活動し、近年の出演作にミュージカル「ロミオ&ジュリエット」、劇場アニメ「映画『聲の形』」「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」、テレビアニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」「恋愛暴君」、実写映画「燐寸少女 マッチショウジョ」など。