デジナタ連載「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」|田中敦子×大塚明夫、ディーガの映像で素子とバトーと“人形使い”の関係に耽溺

ディーガと有機ELビエラで鑑賞すると、実にいろんな発見がある(大塚)

──バトーの心中を想像すると、ちょっと涙が出そうです。最後にご覧いただくのはクライマックスの戦闘シーン。ステルス・ヘリコプターから単身降下した素子が、多脚戦車と激しい銃撃戦を繰り広げるシークエンスです。再生してみましょう。

田中 (戦闘の舞台となる石造りの建築物を見つつ)それにしてもすごいですよね。手描きでこれだけのものを描くのって……。

大塚 気が遠くなるよね。……ほら、ヘリの羽(ローター)の回転スピードが微妙に変わってるんじゃない?こういうこだわりも、スタッフがいろいろ苦労したんだろうなって。

「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」より。

田中 車輌とかヘリコプターだったり銃器関係だったり。そういう部分にはすごくこだわっておられましたからね、押井監督。

大塚 1人で現場に向かった素子のもとに、バトーが車で急行するでしょう。よく観ると奥側のリアガラスに、車内の様子がうっすら写り込んでるんだよね。ほら、こういうところとか。

田中 あ、本当ですね。すごいなあ。

大塚 ガラスの水滴にネオンライトが当たって、きらっと光ったりして。4Kリマスター版を、ディーガと有機ELテレビで鑑賞すると、実にいろんな発見があるんだなと。いやあ、これはウチにもほしいです。

田中 戦闘シーンの迫力もすごいですね。それこそ、闇を切り裂く銃撃戦の光だったり。あとは、天井から降ってくるガラスの破片がきらきら煌めく描写だったり……。こういう再生環境があったら、映画館に行かなくなっちゃいそうでちょっと怖い(笑)。

大塚 これで5.1chのサラウンドシステムでも加えようものなら、もう止めらんないよね。次はあれ観よう、これを観ようって。

──もともと「おうちクラウドディーガ」は、コンテンツに含まれている情報を最大限引き出すという思想で作られています。素材の持ち味をできるだけ活かす設計というか。

大塚 要は作り手を尊重し、その意図を生かした映像が観られるということですよね。それは僕のポリシーにもすごく合う。

田中敦子と大塚明夫。

田中 私も、家にこんな再生環境があったら本当にいいだろうなと思います。うちの両親を見ていても、やっぱり高齢になってきて。昔のようには気軽に映画館に出かけられなかったりするんですね。そうなると外部からの刺激は、やっぱりテレビから受け取ることが多くなるので。こんな映像が観られたらきっと喜ぶだろうなって。

大塚 本当にそうだね。

──ちなみに今回の「おうちクラウドディーガ」は録画管理機能も充実しています。例えば、10チャンネルの番組を28日分まるごと録画できる「チャンネル録画」機能を搭載。あらかじめ設定しておけば、約90日間にわたりドラマを内蔵ハードディスクに録っておけます。さらにドラマだけでなく、アニメもこの“おとりおき”の対象として選べるんです。おふたりは普段、レコーダーは活用されていますか?

大塚 放送コンテンツを録画しておいて、あとでまとめて観たりはしますね。ただ、ちょうどレコーダーが故障していて。新しいのを買わなきゃなと思ってたところでした。

田中 私も、人気の海外ドラマが地上波やBSで始まったりすると録画して観たりするんですけど、つい予約を忘れちゃったりするんですね。あとはそもそも、いつ放送されるかわからなかったり、1話目を録り逃しちゃったり……。だから全チャンネルを一定期間、自動で録っておいてくれる機能があると、すごく重宝すると思うなあ。

大塚 職業柄、自分が出ていなくても人気のアニメはチェックしておきたいですし。面白い作品ならなおのことね。

戻ってきてくれてありがとう、長い付き合いになったね(田中)

──では最後に、ずっと第一線で活躍されてこられたおふたりの声優人生にとって、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」という作品はどのような存在になっていますか?

大塚明夫

大塚 さっきもお話ししたように、最初にこの作品と出会ったときには、まさかこんな巨大な存在になるとは思ってなかった。目前の仕事と真剣勝負するだけで精一杯だったんです。それが全米ビデオチャートで売上1位を獲得し、海外のクリエイターに影響を与えるようになって……。そうこうするうちにテレビシリーズも始まり、続編「イノセンス」も世界公開された。こうなるともう、バトーは他人じゃないんですね。僕にとっては体の一部というか、ちゃんと僕の中に住んでいて、呼べばいつでも出てきてくれる。そんな存在だと思います。いい奴ですよ(笑)。不器用だけど。

田中 ちなみに私の中では、バトーと大塚さんご本人がちょっぴり重なってるんですけど(笑)。

大塚 へええ、そうなの?

田中 はい。私にとっては、今の事務所に入ったときからずっとお世話になっている、大好きな先輩ですから。バトーが素子に対してそっと見せるのと同じ優しさで、私のことを守ってくださる……。そういった安心感は、どこかにあるんじゃないかなと。

大塚 ははは(笑)。「攻殻機動隊」についてはどう?

田中 私も「攻殻」と出会わなかったら、今の自分はないと思う。それくらい大きな存在です。これはよく話すんですけど、もともと素子の役はオーディションで決まったんですね。つまり、私以外の方が演じていた可能性だって十分あった。続編「イノセンス」でも最初は、ほかの役者さん方でオーディションが行われたんです。昨年、ハリウッド版にしても、主演のスカーレット・ヨハンソンさんは私より年齢が若いでしょう。普通に考えれば、普段彼女の吹き替えを担当されてる声優さんが起用されてもおかしくないと思うんですね。

大塚 そこをずっと勝ち抜いてきたと。

田中敦子

田中 変わっても全然おかしくないタイミングが何回もあったにもかかわらず、素子はいつも私を選んでくれた。だから、もし彼女に言葉をかけられるとしたら、「戻ってきてくれてありがとう。長い付き合いになったね」って言いたいかな。

──そして、田中さん演じる素子の傍らには常に、大塚さん演じるバトーがいたと。

大塚 ははは(笑)。僕も田中さんと同じで、あるキャラクターとここまで深く関わってこられたのは、声優として本当に幸せなことだと思う。今日もそうだけど、僕自身、観直すたびに新しい発見があります。ファンの皆さんもぜひ、4Kリマスター版をできるだけいい再生環境で楽しんで、自分なりの楽しみを見つけていただけるとうれしいです。

Panasonic「DMR-UBX7050」

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UBX7050は最大10chのすべての番組を28日間にわたり録画する。Ultra HD Blu-rayの再生にも対応し、4K HDR映像の質感を最大限に引き出すディーガ独自の高画質技術を搭載。高精細かつ、明るく鮮やかな映像を実現する。また、4K有機ELビエラと接続することで、Ultra HD Blu-rayに収録された映像を圧倒的に豊かな臨場感と輝度表現で再生できる。

ディーガの性能を引き出すにはこちら

Panasonic「有機ELビエラ FZ1000」

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自発光方式の4K有機ELパネルを採用した4Kビエラのプレミアムモデル。HDR(ハイダイナミックレンジ)の鮮やかな映像をブラックレベルゼロの漆黒から描き出すことができ、ビエラ独自の技術により暗部だけでなく明部でも階調と色彩を忠実に表現する。

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田中敦子(タナカアツコ)
11月14日生まれ、群馬県出身。マウスプロモーション所属。モニカ・ベルッチ、ジェニファー・ロペス、ニコール・キッドマンら多くの海外スターの吹き替えを担当。「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」「イノセンス」「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」で草薙素子役を演じ、2017年公開のルパート・サンダース監督によるハリウッド映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」でもスカーレット・ヨハンソン演じる“少佐”の吹き替えを担当した。
大塚明夫(オオツカアキオ)
11月24日生まれ、東京都出身。マウスプロモーション所属。アニメはもちろん、「METAL GEAR SOLID」シリーズ(スネーク役)などのゲーム、スティーブン・セガール、アントニオ・バンデラスら海外スターの吹き替え、CM・ナレーションに至るまで多くのジャンルで活躍。「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」「イノセンス」「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」でバトー役を担当。2017年に公開されたルパート・サンダース監督作「ゴースト・イン・ザ・シェル」でもピルウ・アスベック演じるバトーの吹き替えを務めた。