アクション、サスペンス、そして切ない恋愛。吸血欲を持った鬼とヒトが共存する社会を描いたダークファンタジー「デビルズライン」がアニメ化され、4月7日に放送を開始する。
コミックナタリーでは安斎結貴役の松岡禎丞、平つかさ役の石川由依、李ハンス役の木村良平による座談会をセッティング。原作者の花田陵からキャストたちへの質問を預かり、3人に回答してもらった。またトーク中に飛び出した声優陣から花田への質問に、花田が答えるコーナーも用意している。こちらもお見逃しなく。
取材・文 / 三木美波
作品紹介
鬼とヒトが共存する世界
鬼は生物学的には極めてヒトに近い。吸血鬼とも呼ばれており、血を見ると体が変異して吸血衝動に支配される。物語の舞台は、鬼がヒトに紛れて暮らす現代。被害者が体内の血液を奪われる「吸血鬼殺人事件」の噂がまことしやかにささやかれ始めたことをきっかけに、社会を揺るがす真実が明らかになっていく。
松岡禎丞×石川由依×木村良平トーク
最近編み出した技です(松岡)
──今日は花田陵先生から皆さん宛の質問を預かってまして、お答えいただければと思っています。
松岡禎丞 え、本当ですか?
木村良平 何聞かれるんだろう(笑)。
──原作者ならではの質問が多いです。まず松岡さんへの質問はこちらです。
花田陵から松岡禎丞へ
オーディション、ドラマCD、実際の収録と進んできましたが、特に本編収録時、声が以前より少し変化して安斎のキャラクターが深まっているように感じました。演じていく中で何か意識が変わったとか、表現の仕方を変えたとか、そういったことがあったのでしょうか。
松岡 自分でドラマCDを聞いたら、「あれ、思ったより下が出てない」と思ったんですよ。
──「下」というのは、低めの声ということですか?
松岡 そうです。自分の中の安斎の声はもうちょっと低めで、自分の声の響きやマイクを通して聴こえる音の感じがイメージと少し違っていて。でもそればかり意識しすぎると今度は演技ができなくなってしまうので、「意識しないで低音が出るようにするにはどうすればいいんだろう」って考えて、その挙句にたどり着いたのは、無理矢理“ガラガラー”(喉の奥を鳴らす)って絡めること。
石川由依 え、何をですか?
松岡 喉の粘液的なものを。絡めると意識しないでも低く出て、お芝居に集中できるんです。最近編み出した技です。
石川 松岡流ですね(笑)。
──石川さんは松岡さん演じる安斎の声を聞いてどう感じました?
石川 もともと、私の中で松岡さんは少年の役を演じられているイメージが強くて。だから大人の男性である安斎を松岡さんが演じられると知ったとき、どんな声で表現されるんだろうとすごくドキドキしたんですが、実際に聞いたら違和感が全然なかったです。安斎ってミステリアスで、いろいろと心の中に葛藤を抱えているキャラクターだと思うんですが、松岡さんの低くてずっしりしてるけど重すぎない声が、安斎にすごくマッチしていると思いました。
松岡 ありがとうございます。僕、結構前から「デビルズライン」を知ってたんですよ。趣味の車のサイトを見てたら、「デビルズライン」のバナーが出てきて。ホラー系の作品が好きなので、表紙を見て「吸血鬼ホラーなのかな?」と思って買いました。ホラーではなかったですが、面白くて読んでて。だからオーディションの話が来たときは「デビルズラインだ! アニメ化してくれないかなと思ってた!」って。
一同 あはは(笑)。
松岡 オーディションでは毎回、全部自分のやりたいことを出し切っちゃうんです。「これで落ちたならしょうがない」って。だから「デビルズライン」のオーディションのときも、安斎が鬼化したときの声を演じたんですけど、喉を絞って本来は出しちゃいけない声を出しました。
──出してはいけない声?
松岡 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」って感じで、ヒトではなくモンスターみたいな声を出し切りました。だから「もし仮に安斎役になれたら、ハードなアフレコになるな……」って思ったのを覚えてます(笑)。
木村 そうなんですよ、うちの座長(松岡)はアフレコで喉を酷使しすぎて咳き込んでて。
一同 (笑)。
木村 ここだけ聞くと笑い話なんですけど、本当にすごいことだと思うんですよ。やっぱり声優としては喉は消耗品だし、商売道具なんで。ここまで懸けて演じる、この役者はすごいなあと。
松岡 そう言っていただけるとうれしいですね。安斎は、あまりやったことがないタイプのキャラクターなんです。クールっぽいイメージですが、熱い部分も持ち合わせてる。つかさに対しての愛があるけど、つかさに近寄りすぎると吸血欲が出てしまうし、でもつかさも安斎のほうに来てくれるし、安斎もつかさの優しさに触れて人の温かみを知って……と鬼とヒトの狭間でもがいている、難しいキャラクター。安斎を演じることは、いろんな意味で挑戦だと思ってます。
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ふわっとしてたつかさの芯がギュッと硬くなった(石川)
- アニメ「デビルズライン」
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- 放送情報
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- AT-X:2018年4月7日(土)より毎週土曜日23:30~
※リピート放送:
(日)8:00~/
(火)15:30~/
(金)7:30~ - TOKYO MX:2018年4月8日(日)より毎週日曜日25:35~
- BS11:2018年4月9日(月)より毎週月曜日24:30~
- サンテレビ:2018年4月9日(月)より毎週月曜日25:30~
- KBS京都:2018年4月10日(火)より毎週火曜日24:00~
- AT-X:2018年4月7日(土)より毎週土曜日23:30~
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- スタッフ
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- 原作:花田陵(講談社「モーニング・ツー」連載)
- 監督:中野英明
- シリーズ構成・脚本:古怒田健志、久尾歩
- キャラクターデザイン:川口千里
- 総作画監督:川口千里、小林利充
- アクション作画監督:才木康寛
- プロップデザイン:杉村友和
- 美術監督:黛昌樹
- 色彩設計:山上愛子
- 撮影監督:浅川茂輝
- 編集:木村佳史子
- 音響監督:なかのとおる
- 音響効果:森川永子、林佑樹
- 音響制作:ポニーキャニオンエンタープライズ
- 音楽:澁江夏奈
- 音楽制作:キングレコード
- アニメーション制作:プラチナビジョン
- 製作:デビルズライン製作委員会
- キャスト
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- 安斎結貴:松岡禎丞
- 平つかさ:石川由依
- 李ハンス:木村良平
- 沢崎孝:細谷佳正
- ジュリアナ・ロイド:沢城みゆき
- 菊原桐郎:櫻井孝宏
- 牧村武史:神谷浩史
- 天城那々子:東山奈央
- 吉井健一:蒼井翔太
- 朝海洋祐:興津和幸
- 牛尾直也:逢坂良太
- 石丸惠巳:石田彰
- 安斎みどり:浅野まゆみ
- 安斎環:宮野真守
- 松岡禎丞(マツオカヨシツグ)
- 9月17日生まれ、北海道出身。主な出演作は「ソードアート・オンライン」(キリト役)、「食戟のソーマ」(幸平創真役)など。
- 石川由依(イシカワユイ)
- 1989年5月30日生まれ、兵庫県出身。主な出演作は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(ヴァイオレット・エヴァーガーデン役)、「進撃の巨人」(ミカサ・アッカーマン役)など。
- 木村良平(キムラリョウヘイ)
- 1984年7月30日生まれ。主な出演作は「ダメプリ ANIME CARAVAN」(メア役)、「刀剣乱舞-ONLINE-」(和泉守兼定役)など。