コミックナタリー PowerPush - きらたかし「凸凹 DEKOBOKO」

「赤灯えれじい」作者のニューヒロインはバイクレースに打ち込む少女

きらから三原へのサプライズプレゼント

──実は今日、きら先生から三原さんへのプレゼントがあったとか?

左から三原勇希、きらたかし。

三原 そうなんです! 私の似顔絵が描かれた色紙をサプライズでいただいたんです。嬉しい、感激です。

きら いやあ(照)。

三原 この色紙を描くのに、どれぐらい時間がかかるんですか? 

きら 何だかんだで2時間ぐらいかな。

三原 難しいところとか、ありましたか?

きら マンガっぽさを入れつつ、本人にも似せなきゃいけないところかなあ。あんまりリアルに描き過ぎてもアレなんで、全体の加減というか。

三原勇希

三原 バランスですね。

きら うん。でも描いていて楽しかったですよ。

三原 わあ、ありがとうございます! でも先生は、毎日のように絵を描かれているわけですから、いつも楽しいんですよね。

きら いやー、普段は時間に追われているんで、描いていて楽しいと思うほどの余裕はないよ。

三原 ああ、やっぱり「締め切りが……」みたいな?

きら 今はもう、そこまで締め切りに苦しんでいるわけじゃないけど、1日のうちに「ここまでは終わらせておこう」と決めた範囲だとか、アシスタントさんに回さなきゃいけない仕事の準備などが、思うように進まないことはあったりするので……。なかなか楽しい感じで、とはいかないかな。今日持ってきた色紙みたいなのは、1人でコリコリと描けるから楽しいんだよね。

三原 よかった。

きらたかし

きら じつは手作業で描くのも久しぶり。今はもう全部パソコンで描いているから。

三原 デジタルが普通なんですね。

きら 色紙の場合、ホワイトとかも一切使えないし、消しゴムで擦ってもすぐにボロボロになっちゃうので、そういう意味ではだいぶ緊張したかも。

三原 お忙しいなか、こんなに素敵な似顔絵を描いてくださって、本当にありがとうございます。私よりかなり可愛い感じですけど、目とかキラキラしていて嬉しいです。

バイクに詳しくなって、本物のレースも観に行きたい

──まだ始まったばかりの「凸凹 DEKOBOKO」ですが、今後の展開で三原さんが期待することがあればぜひ。

三原 うーん……勇希ちゃんの意外な一面が見たいですね。バイクと恋愛と家族以外の部分で、「マジ!?」っていう感じの一面を。

きら 中学生の女の子で、それ以外の部分ってなんだろう? 

三原 もっと成長してからですかね?

レースでの勇希。

きら うん、成長したら色々とある気はするね。

三原 あとは、勇希ちゃんのバイクやレースに関するこだわりをもっと知りたいです。パーツとか、着ているものとか、「絶対にこれじゃなきゃ嫌だ」と思っていることとか。理由も含めて教えてほしいですね。

きら そうだね。今はただバイクの運転が速いだけの女の子だから、もう少し内面も突き詰めていきたいかな。

三原 同じ女の子の視点から、色々と勇希ちゃんに教えてもらって、私もバイクに詳しくなりたいです。実際の会場に行って、本物のレースも観戦したいですし。

きら うん、1回ぐらいは現場で観てもらいたいね。「凸凹 DEKOBOKO」で描いているエンデューロというのは、モトクロスの長距離バージョンみたいな種目だから、マラソンや箱根駅伝を沿道から応援するような感覚で観戦できるんだよ。ライダーたちは本気で目の前を走り抜けていくし、余裕のある人は手を挙げて応えてくれたりもするから。

三原 ええ、そんなに余裕があるんですか!?

左から三原勇希、きらたかし。

きら うん。反対に、斜面が急で足場が悪いところでは、みんなが登れずに大渋滞が起こっていたりね。モトクロスはスプリント・バトルの面白さがあるんだけど、エンデューロのほうは長距離を走破するという、冒険的な楽しさを間近で観ることができる。ロケーションもスキー場だったりするので、自然の気持ちよさも味わえるし、帰りに温泉へ寄っていくこともあるし。

三原 いいですね。現実のレースを観たら、さらに「凸凹 DEKOBOKO」を楽しめそうな気がします。

きらたかし「凸凹 DEKOBOKO」1巻 / 2014年10月23日発売 / 648円 / 講談社

三原勇希、中学1年生女子。関西在住で子供の頃からの趣味はオフロードバイク。父の転勤で関東に引っ越すことが決まった彼女は地元で最後のレースに臨む。幼馴染でライバルでもある伊藤清志に淡い恋心を抱き戸惑う彼女は「このレースであいつに勝ったら好きって言おう」と秘かに決意するが。「赤灯えれじい」「ケッチン」で丁寧な人物描写と恋愛模様を描いたきらたかしが送る青春バイク&恋愛ストーリー。

きらたかし
きらたかし

1970年、44歳。兵庫県宝塚市出身。2003年に「赤灯えれじい」で、ちばてつや賞ヤング部門大賞受賞し、2004年よりヤングマガジン(講談社)にて連載を開始する。2009年には同誌にて「ケッチン」を連載。オートバイ好きとして知られる。そのほか著作に「単車野郎」など。

三原勇希(ミハラユウキ)

1990年4月4日生まれ、24歳。ファッションモデル、タレント。大阪府出身。趣味はファッション、音楽、ライブ鑑賞、ランニング。特技はピアノ、絶対音感。テレビ神奈川の音楽情報番組「sakusaku」の4代目メインMC。現在、TOKYO MXにて放送中の「テリー伊藤のトラブルハンター」にMC出演中。