コミックナタリー PowerPush -福星英春「ハードボイルド園児 宇宙くん」
ハードボイルドな幼稚園児ギャグ 4歳児の嘆きにLINEマンガ読者が注目
スマートフォン向けマンガ配信サービス「LINEマンガ」にて連載中の福星英春「ハードボイルド園児 宇宙くん」。“宇宙”と書いて“コスモ”と読むキラキラネームの4歳児がハードボイルドな思考を巡らすギャグマンガだ。
「宇宙くん」の読者数は、200作品以上が連載されているLINEマンガの中でも常に上位にランクイン。毎週30万人以上のユーザーに読まれ、更新のたびに過去最高読者数を記録している。また2016年1月には単行本が発売されることも決定。コミックナタリーでは作者の福星にインタビューを行い、「宇宙くん」の誕生秘話やアイデアの秘密などを聞いた。
取材・文 / 熊瀬哲子
「いつからこの国はこんなことになっちまったんだ……」世の中の現状を嘆く男、その名は宇宙。“宇宙”と書いて“コスモ”と読む、キラキラネームの4歳児がハードボイルドな思考を巡らすギャグマンガ。
染谷宇宙(そめやこすも)
さくら幼稚園に通う4歳児。冷めた瞳で世の中を見つめ、常に現状を嘆いている。好きな俳優は松田優作。
両親
宇宙の両親。今日も元気なゆとり世代。
クラスメイト
クラスメイトの女子・リオと、ライバル的存在の亮。ときに遊び、ときにケンカする。
“子供ってかわいい”目線では描けないと思った
──もともとは青年誌で執筆されていたとのことですが、LINEマンガから連載のお誘いをいただいたときの心境はいかがでした?
それまでずっと貧乏な生活を送っていたので、正直、原稿料さえ貰えればどこでもよかったというのはあります(笑)。
──それほどカツカツの生活だったと。「ハードボイルド園児 宇宙くん」は幼稚園児が主役ですよね。子供が主役のギャグマンガというのは世の中にもたくさんあると思うのですが、福星さんが“子供”というアイデアに“ハードボイルド”という設定を組み合わせたのはどういった理由からだったんでしょうか?
たぶん自分には「子供ってかわいいな」みたいな目線では子供を描けないなと思って。それなら逆にギャップのあるコメディにするしかないと思ったのが始まりでしたね。幼稚園児らしくないキャラクターを作ってみようと。当時は暇だったので映画ばかり観てたんですけど、ハードボイルドなキャラクターが出てくる作品を観ていたときに「幼稚園児もハードボイルドな感じにしたら面白いかな」と思いついたのがきっかけです。
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「一体いつからだ…いつからこの国はこんな事になってしまったんだ…」 混濁の世に生を受け、冷めた瞳でこの世を見つめるのは幼稚園児!? キラキラネームという十字架を背負ったリトル・ハードボイルド・ダンディ、今ここに誕生!!
スマートフォン向けマンガ配信サービス「LINEマンガ」。映画化、アニメ化で話題のマンガなど200作品以上を毎日無料で読める。2015年7月からは、LINE株式会社が新たに設けた「LINEマンガ編集部」によるオリジナルのフルカラー作品を配信開始。オリジナルマンガは1話から最新話まで全話がアーカイブ化されるため、いつでも無料で楽しむことができる。
発売を記念して、オリジナルグッズが当たるTwitterキャンペーンを実施中。締め切りは12月3日まで。詳細はLINEマンガの公式ブログをチェックしよう。
福星英春(フクボシエイシュン)
千葉県出身。2015年、週刊ビックコミックスピリッツ(小学館)にてベテラン老刑事の捜査コメディ「お前には黙秘権が無い~龍さんの事件簿~」を集中連載。同年7月よりLINEマンガにて、キラキラネームの男児が世を憂うギャグマンガ「ハードボイルド園児 宇宙くん」をフルカラーにて連載スタートした。
一般家庭に生まれた4歳児・宇宙は、常に世の中の現状を嘆いていた。
おねしょをしてしまった宇宙のことで揉める両親に対しての一言。
クレヨンの取り合いになった友人たちを見かねて、持ち主のリオへ返してあげる宇宙。