「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」男性部門賞・女性部門賞・異世界部門賞を受賞した計6作品を担当編集者がプレゼン

コミックシーモア主催の「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」は、「次に来るヒット作品はこれだ!」と出版社が推薦したタイトルの中から、一般投票で大賞を選ぶマンガ賞。その投票の一助となるべく、昨年コミックナタリーでは男性部門と女性部門の全エントリー作品を紹介していた。

結果発表が1月に行われたのに合わせ、コミックナタリーは受賞作の魅力を紐解く全3回の特集を展開中。特集第2弾となる今回は、男性部門賞・女性部門賞・異世界部門賞を受賞した計6タイトルの担当編集者に、それぞれの担当作品の魅力についてプレゼンしてもらった。

男性部門賞

「正反対な君と僕」
阿賀沢紅茶
集英社

「正反対な君と僕」阿賀沢紅茶(集英社)©阿賀沢紅茶/集英社

「正反対な君と僕」阿賀沢紅茶(集英社)©阿賀沢紅茶/集英社

いつも元気で誰とでも仲良くなれる女子・鈴木は、実は周りの目を気にしがちな高校生。クラスメイトで、物静かながらも自分の意見をはっきり言える谷くんに片思い中だけど、鈴木は周りの目が気になって谷と普通に接することができずダル絡みばかり。そんな中、鈴木が勇気を出して行動を起こしたことで2人の恋は進展していき……。真逆な2人の等身大のやり取りを描くラブコメディだ。

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担当編集者・藤田氏(少年ジャンプ+編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

名誉ある素敵な賞にお選びいただき、誠にありがとうございます!
受賞について知ったとき、阿賀沢先生と「やった~」と喜びました。

Q. 「正反対な君と僕」の推しポイントはどんなところでしょうか。

キャラへの共感が止まらないところです! 日常見逃してしまう小さなモヤモヤやうれしいことをしっかり言語化してくれるので、「そうそう、そう思ってた!」と深く頷くことができます。正反対の登場キャラたちは性格も感じ方もバラバラですが、みんなに少しずつ共感できるのがすごいなと思います。

「正反対な君と僕」第4話より。©阿賀沢紅茶/集英社

「正反対な君と僕」第4話より。©阿賀沢紅茶/集英社

「正反対な君と僕」第34話より。©阿賀沢紅茶/集英社

「正反対な君と僕」第34話より。©阿賀沢紅茶/集英社

Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。

「正反対な君と僕」は阿賀沢先生が持ち込まれた読み切りを元に広げていった作品です。読み切りを持ち込まれたとき、ジャンプ+のブースで少女マンガのようにときめける作品が読めたことに感動したのを覚えています。

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

22話の美術館デートのラストで、鈴木が谷くんのほっぺにキスをするシーンです。鈴木からかかとを上げてほっぺにキスをするのですが、肝心のキスシーンは描かれていません。上がったかかとのシーンとほっぺを押さえる谷くんの表情だけで推測させるオシャレな演出です。ネームで拝読したときから「きゃ~!」と盛り上がったシーンです。

「正反対な君と僕」第22話より。©阿賀沢紅茶/集英社

「正反対な君と僕」第22話より。©阿賀沢紅茶/集英社

藤田さんが挙げてくれたエピソードが登場する巻はこちら!

「変な家」
原作:雨穴(飛鳥新社刊)、漫画:綾野暁
一迅社

「変な家」原作:雨穴、漫画:綾野暁(一迅社)©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」原作:雨穴、漫画:綾野暁(一迅社)©雨穴・綾野暁/一迅社

オカルト専門ライターの“私”は、正体不明の「謎の空間」が存在する家の間取り図を見せられる。建築設計士・栗原に意見を求めると、謎の空間は意図的に作られたものだと彼は指摘。謎の空間以外にも奇妙な間取りが多々あるという栗原の言葉が気になった“私”は、その家について調べ始め……。本作は気鋭のホラー作家で、Webライター、YouTuberとしても活躍する雨穴の小説が原作。原作小説は実写映画化が決定しており、間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈をキャストに迎え2024年3月15日に公開される。

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担当編集者・辻氏(Comic HOWL編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

大人気の原作をコミカライズさせていただくだけでも非常に光栄なのですが、マンガとしての面白さもまた評価していただき、担当編集としてうれしい限りです! 漫画の綾野暁先生もとても驚き、喜んでおられました。

Q. 「変な家」の推しポイントはどんなところでしょうか。

原作が最高に面白いのは言うまでもないのですが、その面白いストーリーをマンガとして最高の形で演出していただいているのが最大の推しポイントだと思います。間取り図を重ねるシーンなどは、マンガだからこその見せ方になっているのではないでしょうか。

「変な家」第1話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」第1話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

そして、綾野先生の美麗な作画で描かれる、主人公や栗原さんのどこかかわいさもあるビジュアルにも注目です!

「変な家」第1話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」第1話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。

第3巻から登場する「家」を作画するにあたり、綾野先生と郊外まで1日がかりの取材に行きました。真夏のとんでもない日差しの日で、その取材先にはクーラーなどがなかったため、とにかく熱中症にならないよう休憩と水分補給を定期的に欠かさないよう気をつけつつ、写真を撮りまくりました(笑)。その甲斐あって、これからの新展開もご期待いただけると思います!

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

綾野先生が背景やキャラの衣装など細かなところで、雨穴先生の動画やウェブ記事へのオマージュを、こだわって描いてくださっています。第4話の主人公が着ている服、第6話の回想シーンの食玩、元ネタにお気づきでしょうか? ほかにもたくさんあるので、雨穴先生の動画と見比べつつ、ぜひ見つけてみてください……!

「変な家」第4話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」第4話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」第6話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

「変な家」第6話より。©雨穴・綾野暁/一迅社

辻さんが挙げてくれたエピソードはこちら!