90分ノンストップ漫才の裏側

──今回発売されるDVD「磁石漫才ライブ ワールドツアー 日本最終公演」では、約90分ノンストップの漫才を披露しています。ネタ1つ1つの題材選びはどのように？

永沢　最初から20本ぐらい作ろうとしていたので、題材選びは適当でしたね。とにかく数を作るだけ作ってみようと思って。最終的には15本に落ち着きましたけど。

──それをノンストップ90分で見せるということは今までにやったことはありますか？

永沢　いや、初めてでした。

──相当な準備期間が必要だったのでは？

永沢　そうですね。だいたい3カ月ぐらい前からずっと作ってましたね。当初の予定では20本だったんで、とりあえず10本ずつ書こうみたいな感じだったんですけど、全然思い通りにはいかず……。ネタ10本書くってものすごい大変なんですよ（笑）。

──6本くらいのネタの合間に映像を流すような単独ライブとは違いましたか？

永沢　そうですね。そういうライブは、幕間に映像を流すぶんだけ時間が稼げるんですよ。今回はオープニング以外は1本も映像がなかったんで、とにかく大変でした。1時間ぐらいで終わったらお客さんも納得しないでしょうから。

──この15本の漫才は、何年か前に作ったネタを練り直したものとかもあるんですか？

佐々木　一切ないです。全部新ネタです。

永沢　結構スベると思ってましたけどね。

──DVDを観させていただきましたが、ウケてましたね。

永沢　僕らを観に来てくれたお客さんなんで、温かく観てもらったと思うんですけど。いま見直すと、ちょっと粗いと思いますけどね。

──お2人は女性ファンが多いと思うんですけれども、男性客、女性客の違いで何か思っていることとかあったりしますか？

佐々木　僕はあんまり意識してないですね。

永沢　僕も全然気にしてないです。おかげでライブでは結構引いてますよ、佐々木さんの発言とかに。でも逆にそれが面白かったりするんで。

特典映像を見たら普段の僕らがわかる

──DVD特典映像のフリートークでは、「5分のネタを1本完成させるまでには10回くらい通し稽古をすればなんとか形になる」というお話をされていました。ただ、単独ライブでこれだけまとめてやるとなると、15本×10回という単純計算では済まないということもおっしゃっていて、どのあたりが難しいのかに興味を持ちました。

永沢　そうですね、例えばアニメの「ドラゴンボール」を1分間覚えて演じるなら簡単にできるじゃないですか。でも、「30分やって」と言われたら覚えられないっていう感覚ですね。

──覚える単位が小さいうちは覚えやすいということですか？

永沢　違うなぁ……。教科書、教科書ですよ。アンダーライン引いたところだけ覚えるのは簡単だけど、丸ごと全部覚えるのは大変じゃないですか。

──佐々木さん、この例えどうですか？

佐々木　まぁ、そういうことにしておきましょう（笑）。

──実際やってみて、思ったところと違う部分ってありました？

永沢　いっぱいありましたよ。

佐々木　でも、正直もう覚えてないんですよね。今できないですよ、ほとんど覚えてないです。

永沢　全部新ネタで初下ろしなんで、もう探り探りやっていたから、あんま覚えてないですね、確かに。結構緊張してましたし。

──お2人は2009年から2人だけのトークライブを始められましたよね。どうして始めたのかなと。

永沢　いや、うちのマネージャーが「ダウンタウンさんみたいになるように」って。「ガキの使い」のフリートークみたいなことができるようになってほしいと。だから、トークライブはお客さんの反応とかも見ながら、フリートークを磨く場という感じですね。

──このDVDをこれから観る人に向けて、それぞれオススメのポイントを教えてもらえますか？

佐々木　僕は、特典映像ですね。

永沢　特典映像が見どころなの？（笑）

佐々木　僕はそうですね。地方の人はライブとかにも足を運べないと思うんで、ネタでの僕らしか知らないと思うんです。特典映像を見たら普段の僕らがわかるんで。結構2ちゃんねるとかに「磁石って、フリートークはどうなんだ？」みたいなの書かれてたりするんですよ（笑）。そういう人たちにも「フリートークもできるんだぞ」っていうことをわかってもらう意味でも、入れてよかったんじゃないかなと思います。

──永沢さんはいかがですか？

永沢　やっぱ、徐々に疲れていく僕を見てほしいなと（笑）。いやー、もうしんどかったですね。ちょっとネタは粗いんですけど、全部新ネタなんでね。面白いと思うんで、ぜひ1回観てほしいです。