音楽ナタリー PowerPush - 祝・開局25周年!ROY×サイトウ“JxJx”ジュン×川上洋平のスペシャ談義

音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」の開局25周年を記念して、同局と縁の深いアーティストであるサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、川上洋平([Alexandros])、ROY(THE BAWDIES)がスペシャルユニット「The Shower Club」を結成。開局25周年アニバーサリーソング「Are We Special?」を制作した。25周年キャンペーンのテーマ「俺たちは、スペシャルか?-NEW WORLDS, NEW PASSIONS.-」を表現したこの曲は、サイトウのプロデュースによる強烈なグルーヴを備えたサウンド、そして川上とROYのボーカルが気持ちよくぶつかり合う最高のパーティチューンに仕上がっている。

今回ナタリーでは、サイトウ、川上、ROYの3人にインタビュー。「Are We Special?」の制作秘話、スペースシャワーTVとの関わりなどについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 上山陽介

「この3人はいい組み合わせだな」

The Shower Clubのアーティスト写真。

──The Shower Clubは、まさにスペシャル感たっぷりのユニットですね。スペースシャワーTVからオファーを受けたときはどう思いました?

サイトウ“JxJx”ジュン 最初の印象は「これ、どうなるんだろう?」っていう感じでしたね(笑)。洋平くんのバンド([Alexandros])もROYのバンド(THE BAWDIES)も僕のバンド(YOUR SONG IS GOOD)も、方向性が違うじゃないですか。まあ、そこはそれぞれ見解が違うと思うんですけど。

川上洋平 僕は「楽しそうだな」って思いましたね。自分を含めて「この3人はいい組み合わせだな」って。

ROY 洋平くんと僕は(ボーカリストとして)対照的なスタイルじゃないですか。でも、真ん中にジュンさんがいてくれたら大丈夫だろうと思ってました。そこはもう、絶大な信頼がありますから。

──おお!

サイトウ ここ、笑うところですよ(笑)。

ROY (笑)。今回は「ジュンさんが作った土台に乗っかってみたい」って思ったんですよね。普段は自分が土台を作って、メンバーに乗ってもらうということが多いので。たぶん洋平くんもそうだと思うんだけど。

川上 うん。

──ROYさんも洋平さんもソングライターですからね。

サイトウ そうなんですよね。僕からは最初に「気を遣わないでほしい」って言ったんです。2人の持ち味を出してほしかったから、「先輩だから」みたいなことを気にしないで、思ったことがあったらどんどん言ってほしいって。

川上 そこはジュンさんのすごいところですよね。俺がジュンさんの立場だったら、「お前ら、こうやれ」って言っちゃう気がするので(笑)。そうじゃなくて、それぞれの持ち味を合わせて、いい感じでまとめてくれて。

サイトウ で、実際やってみたらフロントマン3人で曲を作るっていうのは、すごく面白かったですね。2人とも遠慮せず、どんどんアイデアを出してくれたし。

まずは世間話から……

──今回の楽曲「Are We Special?」の制作はどんなふうに進められたんですか?

サイトウ“JxJx”ジュン

サイトウ プロセスとしては、まず僕がベーシックを作りまして。それをもとに3人だけでスタジオに入って、あーだこーだ言いながら、それぞれのボーカルラインを乗せていくという感じですね。もちろん最初は未知数だったんですけど、思った以上にすぐに形になったんですよ。あれ、どれくらいだった?

川上 2時間くらいですね。

サイトウ それくらいでサビまでできちゃったんですよ。

──3人だけでスタジオに入ったのがよかったんでしょうね。

ROY そうなんですよね。この3人は初めて会ったわけではないし、もともと関係はあったので。譜面とかでやり取りするよりも、実際にスタジオに入ったのはすごくよかったと思います。

川上 楽しかったですね。セッションで作っていったんですけど、まずは世間話から入って……。

サイトウ そうね(笑)。

ROY 最近引っ越したとか、あとはハワイの話とか。

──ハワイ?

ROY 話してるうちに3人ともハワイが好きってことがわかったので(笑)。

川上 そうそう。で、ジュンさんがポロンと弾き始めて、だんだん音のある空間になっていって。

サイトウ ジワジワとね。

川上 「マイクもあるし、ちょっとやろうか」みたいな感じで。そのときすでにグルーヴが生まれてたと思うんですよ。その雰囲気もすごくよかったんですよね。「どんなことをやる?」っていうのを音で確かめ合えたというか。

サイトウ そうだね。スぺシャの25周年とは全然関係ない話をしてたんだけど、そこでバイブスの調整をしてたんじゃないかな、と。

川上 なるべく自然にやりたかったんですよね。スぺシャの皆さんも、そういう場所を作ってくれたと思うし。

サイトウ 「具体的にこういう曲にしてほしい」っていう話もなかったしね。もちろん、お祝いの曲っていう大前提はあったんだけど。

ROY 楽しい曲にしたいっていう。

サイトウ 個人的には「シンプルで、懐のデカいほうがいいんだろうな」ってのは、なんとなくあったんだけど、あとはもう好きなように作りましたね。で、僕自身、違うバンドのボーカリスト2人と一緒に曲を作るのは初めての経験ではあったんだけど、曲に対するアプローチが3人ともすごく近かったんですよ。

──楽曲を作るときのスタンスということですか?

サイトウ そうですね。すごく感覚的というか、頭の中で構築するというよりも、その場の空気で形を作っていく、掘り出していくみたいな感じで。3人ともそういうタイプだったから、「これはいいかもしれない」って思って。

ROY ボーカルのメロディも、お互いにソロを弾いて、それを合わせていくような作り方だったんですよ。

サイトウ あと、2人ともすごく勘がよくて、それは一緒にやっててすごく楽しかった。例えば構成を決めるときも「ここは半分でいいんじゃないですか?」みたいなアイデアがどんどん出てきて、やってみると「なるほど、しっくりくるね」って。そのスピード感もこの曲に反映されていると思いますね。

川上 そうですね。

サイトウ 自分のバンドのときは、何回も何回も繰り返しながら確認することが多いんですよ。そういうプロセスの違いもすごく面白くて。

──発見の多いセッションだったみたいですね。「絶対に成功させなくちゃいけない」というプレッシャーはなかったですか?

サイトウ ありましたよね、それは。スペシャには普段からお世話になってるわけだし。ただね、洋平くんが最初の段階で「いい曲にしましょう」ってシンプルに提案してくれたんですよ。それはずっと心の中にありましたね、曲を作ってるときも。

ROY そうですね。

サイトウ いろいろな大人の事情みたいなものもあるんだろうけど、僕らは音楽をやってるわけですからね。そこはシンプルに考えてました。

The Shower Club スペシャ25周年ソング「Are We Special?」 / 2014年11月27日発売 / SPACE SHOWER MUSIC / [CD+Tシャツ+グッズ] 各2700円
The Shower Club スペシャ25周年ソング「Are We Special?」
TシャツSサイズ / DDCZ-9044
TシャツMサイズ / DDCZ-9045
TシャツLサイズ / DDCZ-9046
収録曲
  1. Are We Special?
  2. Are We Special? (instrumental)
スペースシャワーTV「スペースシャワーTV開局25周年特別番組“25時間テレビ”」2014年11月29日(土) 23:30~11月30日(日)24:30
出演者(予定)

赤い公園 / [Alexandros] / いとうせいこう / 宇多丸(RHYMESTER) / KANA-BOON / ガリガリガリクソン / きゃりーぱみゅぱみゅ / K ダブ シャイン / キュウソネコカミ / 越野アンナ / サイプレス上野 / SAKANAMON / SHELLY / 鹿野淳 / 清水富美加 / ダースレイダー / ダイスケはん(マキシマム ザ ホルモン) / ナヲ(マキシマム ザ ホルモン) / 武井壮 / 千原ジュニア / チュートリアル / ちわきまゆみ / 蔦谷好位置 / ニコル /ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) / フラワーカンパニーズ / THE BAWDIES / 真心ブラザーズ / 三原勇希 / 村田シゲ / 森山直太朗 / YOUR SONG IS GOOD / ユースケ・サンタマリア / 渡辺祐 / and more(50音順)

YOUR SONG IS GOOD(ユアソングイズグッド)

1998年1月に結成。オルガン、トロンボーンを含む6人編成のパーティインストバンド。初期はエモやメロディックハードコアパンクなどからの影響が強く感じられたが、次第にブラックミュージックのテイストを強く感じさせるダンスサウンドへと移行していく。2002年にミニアルバム「COME ON」を、2004年にはフルアルバム「YOUR SONG IS GOOD」をインディーズレーベルから発表。2006年7月にはミニアルバム「FEVER」でメジャーデビューを果たし、2007年5月にメジャー1stフルアルバム「HOT!HOT!HOT!HOT!HOT!HOT!」をリリース。2011年10月には初のベストアルバム「BEST」を発表した。個々の活動にも精力的で、フロントマンのサイトウ“JxJx”ジュン(Organ, Vo)はDJやMCとしても活躍している。

[Alexandros](アレキサンドロス)

川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年より[Champagne]名義で本格的に活動を始める。2010年1月にRX-RECORDSから1stアルバム「Where's My Potato?」を発表。美メロとパワフルなバンドサウンドを武器に、さまざまなイベントやフェスに出演しファンを獲得する。2013年6月に4thアルバム「Me No Do Karate.」をリリース。2014年3月の東京・日本武道館公演でバンド名を[Champagne]から[Alexandros]に改名した。同年4月から東名阪2DAYSを含む全国Zeppツアー8公演を実施。同年6月に改名後初めての作品となるシングル「Adventure / Droshky!」と、武道館公演の様子を収めたライブDVD / Blu-ray「[Alexandros] Live at Budokan 2014」をリリース。

THE BAWDIES(ボウディーズ)

ROY(Vo, B)、TAXMAN(G, Vo)、JIM(G)、MARCY(Dr)によって2004年1月1日に結成。リズム&ブルースやロックンロールをルーツにした楽曲や熱いライブパフォーマンスが各地で噂を呼ぶ。2009年4月に発表したメジャー1stアルバム「THIS IS MY STORY」は「第2回CDショップ大賞」を受賞。2011年11月には初の日本武道館公演を成功に収めた。2013年1月に4thアルバム「1-2-3」をリリースし、同年2月より横浜アリーナ、大阪城ホール公演を含む59公演の全都道府県ツアーを開催。2014年1月に結成10周年を迎え、同年3月にカバーアルバム「GOING BACK HOME」を発表した。12月にはニューアルバム「Boys!」のリリースを控え、全国ツアーも開催。ツアーファイナルとして2度目の日本武道館公演を予定している。