音楽ナタリー PowerPush - 祝・開局25周年!ROY×サイトウ“JxJx”ジュン×川上洋平のスペシャ談義
スペシャから受けたもの
──スペースシャワーTVとの関わりについても聞かせてください。
サイトウ 洋平くんは中学生くらいからよく観てたらしいですよ。
川上 中学校3年生のときに、シリアから日本に帰ってきたんですけど、それまではずっと洋楽しか聴いてなかったんですよね。日本に戻ったんだから、邦楽も聴かないとなって思って、スペシャをずっと観てたんです。一番印象に残ってるのは「スぺ中」(熱血!スペシャ中学)ですね。いとうせいこうさんが先生役で、いろんなアーティストが生徒として出演してて。あの番組を通してアーティストの素顔がすごく見えてきたんですよ。NANANINE、Salyuさん、あとはNIRGILISとか……そう、俺、アッチュ(NIRGILISの岩田アッチュ)さんがすごく好きだったんです!
サイトウ ハハハハハ(笑)。
──(笑)。「かわいいな」って?
川上 惚れてましたねー。絶対、付き合おうって思ってましたから(笑)。
サイトウ モテモテだな、アッチュさん。
──ROYさんはどうですか?
ROY スペシャを観始めたのは大学に入ってからなんですけど、THE BAWDIESとして出演させてもらってからのほうが印象に残ってますね。ジュンさんと番組をやってたときもそうなんですけど、自分の自然体を引き出してもらえたんですよね。それまではどうやって自分を出せばいいかわからなかったんですよ。ROYと渡辺亮が別々に存在していたというか……。
──スペシャの番組に出演することで、素の自分を出せるようになった?
ROY そうですね。そのほうが伝わるんだなってこともわかったし。インディーズの途中くらいまで、ライブでもMCを一切やってなかったんですよね。僕は一言もしゃべらず、必要なことだけをTAXMANにしゃべらせるっていう。
サイトウ ハハハハハ!(笑)
ROY 「こいつ、自分たちの告知だけしてるな」って感じでお客さんに見られてるTAXMANを、俺も同じような目で見てましたから(笑)。
──今のライブのスタイルとは真逆ですね。
ROY もともとしゃべるのは好きなんですけど、さっき言ったようにステージでどうやって出せばいいかわからなかったので。それが変わってきたのは、やっぱりスペシャの番組に出るようになってからじゃないかな、と。
──なるほど。サイトウさんとスペシャの関わりは?
サイトウ 出させてもらうようになったのは2005年だから、ちょうど10年前ですね。ただ、25年前の開局したときのこともよく覚えてるんですよ。その頃はまだ神戸にいたんですけど、よくフリーペーパーを目にしてたんですよね。ちょうど中3と高1の間くらいの時期で、すごく興味があるんだけど、どうやって観ればいいかわからなくて(笑)。東京にいる人が録画したビデオがめぐりめぐって自分のところまで回ってきましたね。
川上 マジですか? いい話だな、それ。
サイトウ その頃のスペシャの印象は“カッコいいテレビ局”ですよね。音楽に特化していて、さらにエッジィな人たちが面白いことをやっちゃうっていう。スチャダラパーや、ROLLYさんがクイズ番組でシノギを削ってるヤツ、あれ面白かったな。そのバランスがすごくよかったんですよね。
川上 わかります。アーティストってもっとふてぶてしいのかと思ってたんだけど、スペシャを観ると「はい! オアシス!」って楽しそうにクイズをやってたり(笑)。「カッコいいアーティストって、やっぱりセンスがいいんだな」って思ったし、人間として好きになれたんですよね。
サイトウ そうそう。音楽への愛が前提なんだけど、その上で楽しいこともいっぱいやってるっていう。自分が出るようになってからも、そのイメージは頭の中にありましたね。
川上 音楽を深く掘り下げるのって、実はマニアックなことだったりするじゃないですか。周りにはなかなか話が合う人がいなかったから、スペシャを観て「ここが自分の居場所だな」くらいに思ってましたね。
最前列で激ノリしてるスペシャスタッフ
──スペースシャワーTVは開局以来、ライブイベントにも力を入れてますよね。
ROY 「SWEET LOVE SHOWER」にもずっと出させてもらってますからね。お客さんもたぶんスペシャを観てる人が多いだろうから、僕らの素の表情を知ってくれてると思うんですよね。人間性を理解してくれてるぶん、ライブもリラックスしてやれるというか。すごくやりやすいし、楽しいです。
川上 「SWEET LOVE SHOWER」に行くと、おいしい山梨のほうとうが食べれるんですよ。
サイトウ うまいよね(笑)。
川上 あと、山中湖も好きだし。イベントにもアットホーム感がありますね。
──あと皆さんは「スペースシャワー列伝」にも出演してますよね。
ROY はい。俺らはツアーに参加して、そのときはandymori、SISTER JET、avengers in sci-fiと一緒だったんですけど、最初はバチバチで……。
サイトウ まあ、そうだろうね(笑)。
──「負けねえぞ!」って?
ROY そうですね、やっぱり。でも、ツアーをやっていくうちに仲間意識が生まれるんですよ。その後、フェスで会ったときとかも“仲間”っていう感覚があるんですよね。
サイトウ 洋平くんのときは誰と一緒だったの?
川上 モーモールルギャバン、plenty、cinema staffですね。ウチらはデビューが遅かったから、みんな年下だと思ってたんです。でも、モーモールルギャバンはわりと上で。
サイトウ そうかもしれない(笑)。
川上 で、列伝ツアー中にユコ・カティさんに恋をするっていう。
──惚れっぽいですね(笑)。
サイトウ いいね、楽しんでて(笑)。
──バンド同士の出会いの場所というか(笑)。ユアソンはどうでした?
サイトウ 僕らのときは列伝ツアーではなくて、確か月イチのイベントだったような。しかもオールナイトイベントで。印象的だったのは、自分たちのライブの最中にスペシャのスタッフの人が異常に盛り上がってたんですよね。しかも最前列で。
川上 ハハハハハ!(笑) いいですねー。
サイトウ やたら激ノリしてるヤツがいるなと思ったら、さっきまで現場を仕切ってる人だったっていう(笑)。たぶんあとですごく怒られたと思うんだけど、ミュージシャン側としては「スペシャはホントに音楽を好きな人がやってるんだな」って信頼度が増すわけですよ。
ROY そうですよね。
サイトウ こういう人が現場をやってるんだから、間違いないなって。そういう意味では、すごくいい思い出になってますね。あれは最高だったな。
次のページ » バンドを組んだときの感覚に戻れた
- The Shower Club スペシャ25周年ソング「Are We Special?」 / 2014年11月27日発売 / SPACE SHOWER MUSIC / [CD+Tシャツ+グッズ] 各2700円
- The Shower Club スペシャ25周年ソング「Are We Special?」
- TシャツSサイズ / DDCZ-9044
- TシャツMサイズ / DDCZ-9045
- TシャツLサイズ / DDCZ-9046
収録曲
- Are We Special?
- Are We Special? (instrumental)
出演者(予定)
赤い公園 / [Alexandros] / いとうせいこう / 宇多丸(RHYMESTER) / KANA-BOON / ガリガリガリクソン / きゃりーぱみゅぱみゅ / K ダブ シャイン / キュウソネコカミ / 越野アンナ / サイプレス上野 / SAKANAMON / SHELLY / 鹿野淳 / 清水富美加 / ダースレイダー / ダイスケはん(マキシマム ザ ホルモン) / ナヲ(マキシマム ザ ホルモン) / 武井壮 / 千原ジュニア / チュートリアル / ちわきまゆみ / 蔦谷好位置 / ニコル /ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) / フラワーカンパニーズ / THE BAWDIES / 真心ブラザーズ / 三原勇希 / 村田シゲ / 森山直太朗 / YOUR SONG IS GOOD / ユースケ・サンタマリア / 渡辺祐 / and more(50音順)
YOUR SONG IS GOOD(ユアソングイズグッド)
1998年1月に結成。オルガン、トロンボーンを含む6人編成のパーティインストバンド。初期はエモやメロディックハードコアパンクなどからの影響が強く感じられたが、次第にブラックミュージックのテイストを強く感じさせるダンスサウンドへと移行していく。2002年にミニアルバム「COME ON」を、2004年にはフルアルバム「YOUR SONG IS GOOD」をインディーズレーベルから発表。2006年7月にはミニアルバム「FEVER」でメジャーデビューを果たし、2007年5月にメジャー1stフルアルバム「HOT!HOT!HOT!HOT!HOT!HOT!」をリリース。2011年10月には初のベストアルバム「BEST」を発表した。個々の活動にも精力的で、フロントマンのサイトウ“JxJx”ジュン(Organ, Vo)はDJやMCとしても活躍している。
[Alexandros](アレキサンドロス)
川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年より[Champagne]名義で本格的に活動を始める。2010年1月にRX-RECORDSから1stアルバム「Where's My Potato?」を発表。美メロとパワフルなバンドサウンドを武器に、さまざまなイベントやフェスに出演しファンを獲得する。2013年6月に4thアルバム「Me No Do Karate.」をリリース。2014年3月の東京・日本武道館公演でバンド名を[Champagne]から[Alexandros]に改名した。同年4月から東名阪2DAYSを含む全国Zeppツアー8公演を実施。同年6月に改名後初めての作品となるシングル「Adventure / Droshky!」と、武道館公演の様子を収めたライブDVD / Blu-ray「[Alexandros] Live at Budokan 2014」をリリース。
THE BAWDIES(ボウディーズ)
ROY(Vo, B)、TAXMAN(G, Vo)、JIM(G)、MARCY(Dr)によって2004年1月1日に結成。リズム&ブルースやロックンロールをルーツにした楽曲や熱いライブパフォーマンスが各地で噂を呼ぶ。2009年4月に発表したメジャー1stアルバム「THIS IS MY STORY」は「第2回CDショップ大賞」を受賞。2011年11月には初の日本武道館公演を成功に収めた。2013年1月に4thアルバム「1-2-3」をリリースし、同年2月より横浜アリーナ、大阪城ホール公演を含む59公演の全都道府県ツアーを開催。2014年1月に結成10周年を迎え、同年3月にカバーアルバム「GOING BACK HOME」を発表した。12月にはニューアルバム「Boys!」のリリースを控え、全国ツアーも開催。ツアーファイナルとして2度目の日本武道館公演を予定している。