ナタリー PowerPush - The Strypes×OKAMOTO'S

アイルランド×日本 同世代R&R対談実現

アイルランド出身の4人組バンド、The Strypesが10月に初のジャパンツアーを行った。ナタリーではこれを記念して、彼らのことを敬愛するOKAMOTO'Sとの対談を企画。世代が近い2組が一堂に会し、ロックンロールをテーマにじっくり語り合った。

対談の内容は音楽的ルーツやバンドを始めたきっかけから、ライブの客層、自慢のアナログレコード、The Strypesを連れていきたい日本のオススメスポットまで多岐にわたった。共通項の多い2組のディープなロックンロールトークを存分に堪能してほしい。

取材・文 / 西廣智一 撮影 / 佐藤類

第一印象は「渋いね! 俺らと趣味が一緒だ」

──OKAMOTO'Sの皆さんが最初にThe Strypesのことを知ったのはいつ頃ですか?

The Strypes、OKAMOTO'S。

オカモトレイジ(Dr) 僕はけっこう前ですね。いつ頃だろう……去年ぐらいかな?

ハマ・オカモト(B) 去年の冬ぐらい?

レイジ そうだね。THE NEATBEATSのMR. PAN(G, Vo)に「The Strypesって知ってる?」って聞かれて。それで教えてもらったのが最初です。

オカモトショウ(Vo) で、すぐYouTubeで調べて、みんなでライブ映像を観て。The Strypesの演奏しているカバー曲を聴いて「渋いね! 俺らと趣味が一緒だ」って話していました。

ジョシュ・マクローリー(G, Vo) 本当に?

ショウ 君たちがカバーした「You Can't Judge A Book By The Cover」(ウィリー・ディクソン作、ボ・ディドリーのカバー)なんて、本当に最高だよ。

The Strypes一同 ありがとう!

ショウ 日本でCDがリリースされたり「ミュージックステーション」に出演したりする前から知っていたので、やっとここで会えたって感じですね。俺たちも十代の頃からこのメンバーでバンドをやってきたから、一度話したら絶対に仲良くなれると確信してたし。

レイジ バンド自体は15歳のときからやってるしね。

ショウ 彼らが今回のツアーでも演奏している「Route 66」(ナット・キング・コール、チャック・ベリーのバージョンが有名)なんて、俺らもカバーしていた曲だし。以前はThe Strypesのようなバンドがなかなかいなかったから発見できてうれしかったし、いつかこうやって会える機会があったら絶対に面白いのになって思ってたんです。

レイジ 日本で連れていきたいところがたくさんあるしね。レコードショップとか。

The Strypes一同 Oh yeah!

ピート・オハンロン(B, Harmonica) バンドをやっててバイナル(アナログレコード)を聴かないなんてありえないからね。

OKAMOTO'S一同 うん、間違いない。

ロックのレコードを聴くかDVDを観るしかやることがなかった

──The Strypesの皆さんに聞きたいんですが、こういったルーツミュージックに根付いたガレージロックはアイルランドでも盛んなんですか? The Strypesのようなバンドが活動できる音楽シーンが存在するんでしょうか?

エヴァン・ウォルシュ(Dr)

エヴァン・ウォルシュ(Dr) アイルランドって国としての規模は小さいので、もともと音楽シーンが盛んなわけではないんだ。僕らみたいなバンドが活動するようなシーンはないけど、もし音楽が一番活気付いてるとしたらダブリンかな。

──なるほど。では皆さんはどうやってルーツミュージックにたどり着いたんですか?

ジョシュ 僕とピートとエヴァンはもともと家族ぐるみの付き合いで、小さい頃からエヴァンの家でつるんでたんだ。僕らの親もかなりの音楽好きだったから、気付いたら家の中でDr. FeelgoodやRockpile、Yardbirdsがずっと流れていて。で、そこから彼らが影響を受けたマディ・ウォーターズやチャック・ベリー、ハウリン・ウルフまでさかのぼって、さらに初期のロックンロールやブルースのほかに、The UndertonesやRamonesみたいなパンクも聴くようになった。

ショウ OKAMOTO'Sのメンバーはみんな“オカモト”っていうラストネーム(苗字)を付けているんだけど、それはRamonesからの影響なんだよ。

ジョシュ うん、わかるよ(笑)。

──OKAMOTO'Sの皆さんもThe Strypesと同じような感じでルーツミュージックと出会っていったんでしょうか?

オカモトレイジ(Dr)

レイジ たまたま観に行った映画(2004年公開の「69 sixty nine」)でいきなりCreamの「White Room」が流れたんですけど、それがめっちゃカッコよくて。そこからいきなり60年代の音楽にのめり込み始めたのがきっかけですね。たぶん14歳ぐらいのときかな。

The Strypes一同 Cool!

オカモトコウキ(G) そこからレコードを貸し借りしたり、レイジん家に行ってDr. FeelgoodのDVDをみんなで観たりしていたので、The Strypesのみんなと似てるかもしれないですね。

ジョシュ じゃあ僕らと一緒だね。

ショウ それしかやることがなかったし(笑)。

一同 あはははは(笑)。

──The StrypesもOKAMOTO'Sも、そこから自分たちでも音を鳴らしたいと思ってバンドを始めたんですか?

ジョシュ 僕らの場合は、そういう音楽を聴き始めたと同時に楽器も始めてたんだ。親も楽器を弾いてたから、物心ついたときには家にいろんな楽器があって、僕は5歳のときにベースを、エヴァンは3、4歳ぐらいからドラムを始めて。だから同時進行なんだよね。

ショウ 俺らは中学に入学して入った部活が「ジャムセッション研究部」っていう軽音楽部で(笑)。そこをアジトにして、いろんな音楽を聴きながらルーツを掘り下げていったんです。と同時に「まあせっかく部活にも入ってるし、楽器でも買ってみる?」程度の気持ちでバンドが始まっているので、俺らも同じようなものですよ。

The Strypes ニューアルバム「Snapshot」/ 2013年9月11日発売 / ユニバーサルインターナショナル
日本独自企画デラックス盤[SHM-CD+DVD] 3200円 / UICR-9035
通常盤[CD] 1980円 / UICR-9036
収録曲
  1. ミステリー・マン
  2. ブルー・カラー・ジェーン
  3. ホワット・ザ・ピープル・ドント・シー
  4. シーズ・ソー・ファイン
  5. アイ・キャン・テル
  6. エンジェル・アイズ
  7. パーフェクト・ストーム
  8. ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・ザ・カヴァー
  9. ホワット・ア・シェイム
  10. ホームタウン・ガールズ
  11. ハート・オブ・ザ・シティ
  12. ローリン&タンブリン
  13. アイム・ア・ホグ・フォー・ユー・ベイビー
  14. モンキー ※日本盤ボーナストラック
  15. ショット・ダウン ※日本盤ボーナストラック
  16. イット・エイント・ライト(Live) ※日本盤ボーナストラック
日本独自企画デラックス盤DVD 収録内容
  • ブルー・カラー・ジェーン(MusicVideo)
  • ホームタウン・ガールズ(MusicVideo)
  • ホワット・ア・シェイム(MusicVideo)
  • ミステリー・マン(MusicVideo)
  • ブルー・カラー・ジェーン(ライブ映像)
  • ホームタウン・ガールズ(ライブ映像)
  • ホワット・ザ・ピープル・ドント・シー(ライブ映像)
OKAMOTO'S ニューシングル「SEXY BODY」/ 2013年11月6日発売 / アリオラジャパン
初回限定盤[CD+DVD] 1600円 / BVCL-550~1
通常盤[CD] 1260円 / BVCL-552
収録曲
  1. SEXY BODY(Words Produced by いしわたり淳治)
  2. 恋のビート
[Bonus Track]
  1. I LOVE ROCK'N'ROLL -CM Version-
[おけいこ用Track]※初回限定盤のみ収録
  1. JOY JOY JOY -Guitarless Mix-
  2. JOY JOY JOY -Bassless Mix-
  3. JOY JOY JOY -Drumsless Mix-
  4. JOY JOY JOY -Vocalless Mix-
初回限定盤特典DVD
  • 「OKAMOTO'Sのおけいこ -JOY JOY JOY編-」
サイン入りポラロイドプレゼント
対談当日に撮影したサイン入りポラロイド写真を、ユニバーサルミュージックインターナショナルのオフィシャルTwitterでプレゼント中!! 各パートごとに撮った貴重な2ショット写真4組!!
The Strypes(すとらいぷす)
The Strypes

アイルランド出身のロス・ファレリー(Vo, Harmonica)、ジョシュ・マクローリー(G, Vo)、ピート・オハンロン(B, Harmonica)、エヴァン・ウォルシュ(Dr)により2011年に結成された、平均年齢17歳のロックバンド。Dr. FeelgoodやYardbirds、The Rolling Stones、チャック・ベリー、ボ・ディドリーなどから強い影響を受けたロックンロールサウンドが魅力で、地元アイルランドやイギリス、ヨーロッパのライブハウスやフェスティバルで精力的なライブ活動を展開する。その結果、英「NME」誌で「今一番観たいバンド」の1位に選出されたほか、ジェフ・ベック、ポール・ウェラー、エルトン・ジョンといった大御所アーティストからも絶賛される。日本では2013年4月にミニアルバム「Blue Collar Jane -日本デビューEP」でCDデビュー。同月に初来日公演を行ったほか、テレビ朝日系「ミュージックステーション」に出演し大きな反響を呼んだ。同年9月に1stアルバム「Snapshot」をリリース。翌10月には全公演ソールドアウトを記録した初のジャパンツアーを敢行した。

OKAMOTO'S(おかもとず)
OKAMOTO'S

オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)の4人からなるロックバンド。バンド名およびメンバー名は、彼らが敬愛する岡本太郎に由来する。抜群の演奏力とアグレッシブなライブパフォーマンスに定評があり、2010年3月にはアメリカのショーケースイベント「SXSW」に出演。続けて行われた全米ツアーでも高い評価を受けた。次世代のロックシーンを担うホープとして注目を集める中、2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビュー。2011年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL '11」に初出演を果たし、10月には初のアジアツアーを開催した。2013年1月にセルフタイトルを冠した4thアルバム「OKAMOTO'S」を発表。同年11月にはニューシングル「SEXY BODY」をリリースする。