音楽ナタリー Power Push - SCOOBIE DO

人間じゃないぜバンドマン 21年目の“LIVE CHAMP”が挑むアウェイ戦

SCOOBIE DOがバンド結成20周年のアニバーサリーイヤーを経て、ニューアルバム「アウェイ」を完成させた。日本全国をくまなく回り、各地でファンキーなロックンロールを鳴らす彼らが新作に求めたのは「ライブでやってカッコいい曲」の1点のみ。自他ともに認める“LIVE CHAMP”の魅力をとことん追究した1枚だ。インタビューでは、アルバムと同時発売されるライブDVD「FILM DANCEHALL YAON」に収録される2015年10月の東京・日比谷野外大音楽堂での20周年公演「ダンスホール野音」から振り返りつつ、4人にアルバム完成までの過程を詳しく語ってもらった。なお今回のインタビューは、東京・新宿ロフトプラスワンでのイベント「チャンプレコード新春株主総会~新譜試聴会・東京編」内で公開インタビュー形式で行った。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 佐藤類

 
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「ダンスホール野音」の光景

──アルバム制作につながる流れとして、まずは昨年10月の結成20周年公演「ダンスホール野音」(参照:「愛があふれてしょうがねえ!」SCOOBIE DOが野音をダンスホールに)から振り返っていきましょう。

SCOOBIE DO

コヤマシュウ(Vo) 9年前に野音(東京・日比谷野外大音楽堂)でライブをやったときは埋まってなかったんで、ステージ側から満員になった野音の光景を見てなかったんですよ。ただ、前のときも入ってなかったとは言われたけど「そんなスカスカだったかな?」って印象だったので、満員になったらどんなもんなんだろうなと。当日ステージに上がって初めて……野音は扇形のすり鉢状だから、満員のお客さんの顔が全部見える。その光景を見たときはグッときましたね。その後の9年間、俺たちが音楽を鳴らして集まった仲間たちが全員集合したようなライブだなと。そこがとってもよかったと思います。

──時間の経過にあわせてグラデーションをかけるように周囲の風景も変わっていく、野外ステージならではのドラマチックな雰囲気もよかったです。セットリストの流れもそこは意識してあったのかなと思いますけど。

SCOOBIE DO「ダンスホール野音」の様子。(撮影:柴田恵理)

コヤマ うん。でもあの流れは1回再構築したんですよ。今回はとにかく「FUNKY 4 PLUS ONE MORE」(SCOOBIE DOと観客を指す呼び方)だけのライブにしたいという思いがあったんで、派手な演出は入れないほうがいいだろうと。でも「ダンスホール野音」なんで、「真夜中のダンスホール」でミラーボールを回すタイミングだけは外せんぞと。当初のセットリストでは「真夜中のダンスホール」をもっと前に置いてたんだけど、同じ時間帯に通しリハをやってみたら、まだ明るい時間帯で(笑)。「これじゃ唯一の派手な演出がもったいない感じになっちゃうぞ」っつって急遽曲順を入れ替えました。

マツキタイジロウ(G) でも大きく変わったのはそこだけ。「SCOOBIE DOの鉄板ライブを野音でやる」というのがテーマだったので、多少の入れ替わりはあったけど大筋は予定していた通り。あともう1つ、初めてやったのは特効ね。本編の最後に「新しい夜明け」をやるときにテープを噴射するのを初めてやりました。特効さんというと、どんないかつい男性がこーんなバズーカ砲みたいなのを背負ってくるのかと思ってたんだけど、それはまあ華奢な女性が1人でやって来て。あと、どんな大きい音がするんだろうと思って体をこわばらせてたら、スパッ、シャーッってだけだったから、終わったあとスタッフさんに「音、客席ではデカかったですかね?」って聞いたら「いや、特効で音を出そうと思ったら別途予算がかかります」と言われて「そうなんだ! だからこの華奢な女性が1人で来たのか」と。

コヤマシュウ(Vo)

コヤマ 今どきガタイがいい人でもボタン1つだと思いますけどね(笑)。

マツキ しかしまあ、意外と平常心だったね。もう少しね、感極まって泣いちゃうかなあとか思ってたんですけど。

ナガイケジョー(B) まあ感動はしてたけどね、演奏も一生懸命やんないといけないんで(笑)。

コヤマ 感慨にふけってる暇もなかったっつうかね。

──ことさらドラマチックに飾り立てるわけじゃなく、これだけの大人数と一緒にいつも通りの音を鳴らすというのがスクービーらしいドラマを生んだなと思います。

コヤマ そうだね。それは仲間のバンドも同じで、日本武道館でやった怒髪天やフラカン(フラワーカンパニーズ)もそうだった。

狙いは「ライブでやってカッコいい曲がやりたい」の1点のみ

──野音ではニューアルバムにも収録されている新曲「LIVE CHAMP」が初披露されました。20周年の区切りでとしてこれまでを総括しつつ、これから先のスクービーも見せるという意味合いがこの新曲披露にはあったのかなと思うのですが。

ナガイケ あの日はやっぱり1つの区切りということで「みんなが聴きたいであろうSCOOBIE DOのナンバーをやる」という意味合いでセットリストを組んだんですね。あの場所で自分たちの持ち味を一度全部出し切ったことは、次に進む上で大きかったと思います。

──スクービーのアルバム制作はいつも、まずマツキさんがそのときどきのバンドの方向性やムードを反映させた曲を作り、全員で肉付けをしていくという工程ですよね。今作でも同様に?

左からナガイケジョー(B)、マツキタイジロウ(G)。

マツキ はい。でも今回は、去年の4月に20年分をまとめたベストアルバム(参照:SCOOBIE DO「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」インタビュー)を出しちゃったし、野音もやっちゃったし、どうしようかと。区切りを付けたあとの21年目は大事だぞと思ったら……まったくアイデアが浮かばなくて。それで1回みんなで打ち合わせをしようと集まったんですよ。「アルバムを出すには出すけど、どうしたい? 具体的なものじゃなく、漠然としててもいいから教えてよ」って。そうするとみんないろんなことを言うんですけど、総合すると「ライブでやってカッコいい曲がやりたい」という、この1点なんですよね。3人の言葉からとにかく「思いっきり鳴らしてえんだ」って気持ちを感じたから、いつもはある程度コンセプトを立ててそこに寄せていくやり方だったけど、今回はそういうのはひとまず置いといて「みんなで気持ちよく乗れるグルーヴがある曲を作っていこう」というところから始まりました。

──そこから先は、3人はリーダーのセンスに身を委ねて。

コヤマ うん。委ねたね。

ナガイケ  「『LIVE CHAMP』って曲を作ろう」と言い出したのはコヤマさんなんですよ。ギターウルフばりにタイトルから入って(笑)。「野音でやる新曲が『LIVE CHAMP』ってタイトルだったらよくね?」って。

マツキ 「うん。じゃあ作れば?」って答えたんだけど(笑)。

オカモト“MOBY”タクヤ(Dr) 「そこまでビジョンが見えてるんなら、シュウくん作んなよ」って(笑)。

マツキ でも待てど暮らせど曲は上がってこない。そうこうしてるうちに、なんとなく俺も「マツキバージョンの『LIVE CHAMP』を作ってみよう」と思って、スタジオに持ってったんですよ。「シュウくんより先に出しちゃって悪いけど、俺も書いちゃったから、一応候補としてどうかな?」って。そしたら「いいね。最高だね」って(笑)。

コヤマ 「タイちゃん、これだったよ。俺が夢に見てたのはこれだった」って。

マツキ 「これこれ!」って、すんげえ乗っかられて(笑)。

ニューアルバム「アウェイ」 / 2016年1月27日発売 / 2700円 / CHAMP RECORDS / HICC-4011
「アウェイ」
収録曲
  1. LIVE CHAMP
  2. It's A New Day
  3. アウェイ
  4. BUKI
  5. ファンキー獣道
  6. 踊れ激しく
  7. Na Na Na Na Na
  8. その輝きを抱きしめて
  9. 伸ばしたその手だけ
  10. また会いましょう
ライブDVD「FILM DANCEHALL YAON」 / 2016年1月27日発売 / 3500円 / CHAMP RECORDS / HIBH-4109
「FILM DANCEHALL YAON」
収録内容
  1. Introduction
  2. バンドワゴン・ア・ゴーゴー
  3. 結晶
  4. Get Up
  5. パレード
  6. PLUS ONE MORE
  7. What's Goin' On
  8. Beautiful Days
  9. アフィルグ
  10. Oh Yeah!
  11. ゆうべあのこが
  12. ミラクルズ
  13. ラストナンバー
  14. 茜色が燃えるとき
  15. ROPPONGI
  16. きまぐれ天使
  17. Steppin' Loud
  1. MIGHTY SWING
  2. MC
  3. 月光
  4. 最終列車
  5. イキガイ
  6. 真夜中のダンスホール
  7. LIVE CHAMP
  8. トラウマティック・ガール
  9. Disco Ride
  10. ロックンロールは未定
  11. Back On
  12. 新しい夜明け
  13. つづきのメロディー
  14. やっぱ音楽は素晴らしい
  15. Little Sweet Lover
  16. 夕焼けのメロディー
ツアー情報
SCOOBIE DO TOUR「Funk-a-lismo! vol.10」
  • 2016年2月26日(金)千葉県 千葉LOOK
  • 2016年3月5日(土)京都府 磔磔
  • 2016年3月6日(日)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
  • 2016年3月12日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2016年3月13日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2016年3月18日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2016年3月27日(日)静岡県 MESCALIN DRIVE
  • 2016年4月2日(土)新潟県 CLUB RIVERST
  • 2016年4月3日(日)福島県 Out Line
  • 2016年4月9日(土)岩手県 the five morioka
  • 2016年4月10日(日)秋田県 Club SWINDLE
  • 2016年4月17日(日)三重県 club chaos
  • 2016年4月23日(土)神奈川県 club Lizard YOKOHAMA
  • 2016年4月29日(金・祝)広島県 CAVE-BE
  • 2016年5月1日(日)福岡県 LIVE HOUSE CB
  • 2016年5月3日(火・祝)鹿児島県 SR HALL
  • 2016年5月5日(木・祝)大分県 club SPOT
  • 2016年5月7日(土)愛媛県 WStudioRED
  • 2016年5月8日(日)香川県 DIME
  • 2016年5月14日(土)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2016年5月15日(日)石川県 vanvan V4
  • 2016年5月21日(土)青森県 青森Quarter
  • 2016年5月22日(日)宮城県 enn 2nd
  • 2016年5月28日(土)大阪府 umeda AKASO
  • 2016年5月29日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2016年6月2日(木)北海道 cube garden
  • 2016年6月4日(土)北海道 CASINO DRIVE
  • 2016年6月5日(日)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2016年6月11日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
  • 2016年6月12日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
SCOOBIE DO(スクービードゥー)
SCOOBIE DO

1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にKOGA Recordsから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin' Our Scoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。バンド結成20周年を迎えた2015年は4月にベストアルバム「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」を発表。10月には東京・日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブ「ダンスホール野音」を行った。2016年1月にはCHAMP RECORDS通算8枚目となるオリジナルアルバム「アウェイ」をリリース。