ナタリー PowerPush - SAWA
1stフルアルバムはトンデモ小宇宙 秘境“Sa-World”の謎を徹底解明
SAWAちゃん先生「ちょっと充電器貸して~」
──高校卒業後はすぐに音楽の道に進まず、大学へ行ってそこから教師になられたんですよね。それはどういうきっかけがあったのでしょうか。
特に大きなきっかけもなかったんですけど、大学で教職免許を取りまして。それで中学校に実習に行ったとき、赴任先の校長先生に「お前は本気で教員になる気があるのか?」って訊かれたんです。みんな「ハイ」って答えると思ってたんですけど、4人いた実習生のうち、なぜか私しか「ハイ」って言わなかったんですよ(笑)。それで「じゃああなたは届け出を出しておきますね」って。それで、あれよあれよと高校に赴任することになったんです。
──ちなみに教科は?
英語です。ここで「アポー」が活きてくるんですよ。
──知育玩具に夢中になったおかげで! じゃあ最初から英語希望だったんですね。
英語しか興味がなかったんですよね。理科・社会はもう全然ダメだし。
──SAWA先生に対する生徒たちの反応はどうでした?
私も今より若かったですから、まぁ同化しますよねー。生徒たちと一緒になってキャッキャと。「SAWAちゃん!」みたいな。私も私で「ちょっと充電器貸して~」みたいな感じだったし(笑)。
──それ、生徒はきっと幸せだったでしょう。先生と言っても、そんなに威厳のある雰囲気ではないですもんね。
そうそう。威厳を見せるのは無理だなって最初にわかったんで、逆に「ナメられてるふりをして操作していこう」って思ったんですよね(笑)。
──さっきから言葉の端々に「みんなを司って頂点に立ちたい」というニュアンスを感るんですけど……(笑)。そういえば、先日のライブを当時の生徒さんたちが観に来られてたそうで。自分の先生がスポットライトを浴びているのは、生徒たちにとっては貴重な体験ですよね。
うん。やっぱりみんなビックリしてたみたい。でも、こっちだってビックリしましたよ。みんながいつの間にか大人になってて。
森に棲む「プーラリー」の謎
──ちなみに、大学の卒業論文はどういうテーマで書きましたか?
「沖縄戦争の情報操作について」です。
──沖縄戦争!? なぜそれを?
本当は私、国際文化学科だったし英語を専攻してたから、ヨーロッパやアメリカの文化学を選択できるはずだったんですけど、単位が足りなくて。それで誰でも取れる情報学を選択することになったんです。
──……なるほど(笑)。
え? おかしいですか?
──いや、ちょっとイメージから大きくかけ離れたハードコアな単語が出たので(笑)。では、これまでの人生で、なにか大きな悩みにぶつかったことはありますか? 自分のその後を左右したかもしれない、大きな分岐点となるような。
なんだろう? 何かあったかなぁ。あ、森の中に何かいるんじゃないかとか思った時期はありましたけどね。私の家、森が近いんですよ。“自宅兼森”みたいな感じで。だから森をこう、ずっと見てたんですけど、何か来てるんじゃないかとか、本当に何かいるのかなとか。そういう思いにかられたことはありました。友達にもそれを感じるか訊いてみたら「うん、感じる」って。その友達と話しているうちに、森にいるものに「プーラリー」という名前が付いたんですけど。
──プーラリー……ごめんなさい、ちょっとわからないので、これも描いてもらっていいですか?
私の中ではこういう感じの(描き出す)生きものだったんですけど。
──フワフワ浮くタイプの生きものですね。このプーラリーがどうやら森を支配しているらしいと。
私たちの思ったことと反対のことが起こると思ってました。だから「明日は雨が降る」って思ったら、降らないんじゃないかって。プーラリーが私のことを反対してんじゃないかなって悩んでたことがありましたね。
──そのプーラリーの悩みはもう今は解消してるんですか?
さすがに今はもういないんじゃないかなって思ってます(笑)。
超常現象研究サークルでクラブミュージックに出会った
──楽曲プロデュースで参加してるm-floやFreeTEMPOは、もともとSAWAさん自身が熱心なファンだったんですよね。
はい。反抗期、思春期、青年期に分けると、反抗期がSPEEDで、思春期がm-flo、青年期がFreeTEMPOみたいな。
──最初からダンスミュージック、クラブミュージックに傾倒していたということでしょうか。
そうですね。SPEEDを聴いてた頃は、ヒップホップを取り入れたJ-POPはあっても、今みたいなクラブミュージックと融合したものってほとんどなかったですよね。だからダンスミュージックが好き、というより「ロックはピンとこないから、私はヒップホップが好きなんだ」ぐらいにしか考えてなくて。そのあと、大学生の頃にm-floに出会って「私は四つ打ちのクラブミュージックが好きなんだ」って気付いたんです。大学のときは超常現象研究サークルに入ってたんですけど、そのサークルは全然研究をしてなくて、みんなDJだったんですよ。そのサークル主催のイベントに参加してるうちに「私はダンスミュージックが好きだ」って改めて思ったんです。
──じゃあ大学時代からクラブ文化にはなじんでたんですね。
そうですね。この頃に出会った音楽が今につながっていると思います。
アーティストSAWAの誕生
──2008年に、憧れのFreeTEMPO半沢武志さんがプロデュースを手がけたミニアルバム「COLORS」がリリースされるわけですが、これはどのような経緯で?
もう単純に好きだったから、自分からオファーしました。デモを聴いてもらったら、半沢さんには面白いと思ってもらえたみたいで。
──「COLORS」の頃はどこか妖精的というか、素性の知れないミステリアスな女性アーティストというイメージがあったように思います。“元教師”という肩書きも謎めいてたし。それが、mixi日記などを通してだんだんと……。リリースが進むにつれ、アートワークもどんどん面白くなっていきましたが、このへんのアイデアは?
アートディレクションには、デビューのときから結構参加させてもらっていて。私が絵を描き溜めてるスケッチブックの中に「ミラーボールスポーツ」っていう絵のコーナーがあったんで「これはどうでしょう?」みたいな。「ミラーボールバスケ」とかいろいろあるんですけど、そのまとまりを監督に見ていただいたときに「じゃあビジュアルコンセプトは“ミラーボールスポーツ”でいこう」みたいな話になって。
──ちょっと話が前後しますが、子供の頃のエピソードに絵を描く話は出なかったですよね? やはり絵にも子供の頃から興味があったんですか?
絵はね……私、昔は几帳面だったんですよ。小学校の頃は自分で時間割を組んで、そのローテーションをしてたんですよね。絵を描いたり、小説を書いたり、自分のやりたいことを書いて、スケジュールどおりに。絵は昔から描いてたんですけど、最近描いてるのはこんなのばっかりですけどね。子供の頃は夕日とか描いてました。なんか芸術性に富んだ子供だったようです(笑)。
CD収録曲
- Opening Ceremony ~Sa-Worldへようこそ~
- MerryGoRound
- Stars
- NightBus
- Chocolate Zone ~野生のSAWA~
- Throw him away!
- ManyColors
- I'm a President
- Danger Zone ~逃げろ!危うしSa-World!~
- Swimming Dancing
- Friday Night
- Planet-T
- Eat It All ~Live in Sa-World~
- I Can Fly
- あいにいくよ
- Dream about...
- Thank you for visiting ~My name is...~
初回盤DVD収録内容
- 「I Can Fly」「Swimming Dancing」「あいにいくよ」PV
- Sa-Worldの作り方(表ver.)
- Sa-Worldの作り方(裏ver.)
5iVE STAR -summer tour 2010-
ファッション誌で活躍する人気読者モデルが多数参加するファッションイベントに今年もライブゲストとして参加!
- 2010年7月3日(土)
北海道 札幌Sound Lab Mole - 2010年7月11日(日)
宮城県 仙台RIPPLE - 2010年7月17日(土)
福岡県 福岡BEAT STATION - 2010年8月1日(日)
東京都 LAFORET MUSEUM HARAJUKU - 2010年8月4日(水)
愛知県 名古屋DIAMOND HALL - 2010年8月5日(木)
大阪府 なんばHatch
LIVE GUEST:Astro / SAWA
出演モデル:青柳文子 / 池田泉 / 木野園子 / 瀬戸あゆみ / 武智志穂 / 田中里奈 / and more
※出演モデルは会場によって異なります。
※出演モデルは都合により変更となる場合があります。
SAWA(さわ)
2008年6月に半沢武志(FreeTEMPO)プロデュースのミニアルバム「COLORS」でインディーズデビュー。透明感のある歌声と独特のキャラクター、そして「元高校教師」という経歴が話題となり、クラブシーンを中心に大きな注目を集める。2009年7月には3rdミニアルバム「I Can Fly」でEPICRecordsよりメジャーデビューを果たし、2010年7月7日に初のフルアルバム「Welcome to Sa-World」を発表。また、ボーカリストとして多くの作品に参加しているほか、ファッションイベントへのライブ出演や、韓国での配信リリースなどさらに活動の幅を広げている。