ナタリー PowerPush - SAWA

1stフルアルバムはトンデモ小宇宙 秘境“Sa-World”の謎を徹底解明

“スージー・ブラウン”の存在

──アルバムのクライマックスとなる「Dream about...」はSAWAさんが作詞・作曲を手がけていますが、いわゆる“歌モノ”を作曲するのはこの曲が初めて?

はい。初めてだからアイデアもいっぱいあって、新鮮なものが書けたんじゃないかなーと思ってます。

──アルバムはこの曲のあと、物語のエンドロールにあたるような「Thank you for visiting ~My name is...~」で締めくくられます。「Dream about...」をクライマックスに持ってきたのは、やはりSAWAさんの描いていた“Sa-World”が「Dream about...」に集約されているということなのでしょうか。

そうですね。これこそまさに「一番都合のつく作曲家」に書いてもらった曲で。「このアルバムに何か足すとしたら」というのを考えながら、遊園地感を盛り込んだ感じ。歌詞はそこまで具体的な内容じゃないんですけど、ふわふわして掴みどころのない、温かくて柔らかいもの、みたいなイメージです。

──SAWAというアーティストが今一番出したい要素を、このアルバムにすべて込めることができましたか?

うん。自分の表現したかったものができていると思います。アルバム全編にナレーションを入れているのですが、私自身が演じているナレーターの「スージー・ブラウン」が、伝えたかったことをうまく伝えてくれてるかな。

──スージー・ブラウンは、自分の中のもうひとつの自分?

ひとりの人格として、日頃自分ができないことをやってもらう、みたいな。

──最終的にSAWAさん自身も、スージーに司られている?

司られちゃいましたねー。スージーの言葉のリズムでトラックを変えられる部分とかもあったし。曲先で歌詞を書いているときよりも、ずっと詞とトラックが密着したものが作れたんじゃないかなと思ってます。

──このアルバムを誰かに説明するとき、どう説明しますか?

「ワープ」のためのツールです。自分がどこか妄想の世界とか、新しい世界にワープするときのツールとしてお使いください。

──なるほど、ツールですか。確かに現実世界から逸れた道に入り込みたい人には、最適なアルバムかもしれないですね。

ふふふふ。妄想の時間に。友達とももちろん聴いてほしいけど、1人でもじっくり聴いてほしいです。エスケープ傾向がある人の補助になればいいかなと思っています。

──現実逃避を推奨してるわけですか(笑)。

そうです。みなさんの現実逃避に協力します。

目指すは「ブレンディ」

──初のフルアルバムが完成したことで、今後のビジョンや目標は見えてきましたか?

この先ですか? うーん、音楽的にはこれを裏切る形のものを作りたいなと思います。

──SAWAさん自身のプログラミング曲も、これからもっと増えてくる可能性がある?

もちろんありますけど「全部自分でやってやろう」という気持ちはないですね。基本は作家さんと一緒に作って、足りないところにちょっと入れるみたいな。

──アーティストとして目標にしてる位置ってありますか? 具体的に誰かを目標にしているとか、すべてを司ることができるように頂点に立ちたい(笑)とか。

頂点というよりも……あ、原田知世さんみたいになりたいですね。音楽もすてきだし「ブレンディ」のCMの雰囲気もいいなーと思ってます。エイジレスだし、個性もあって。原田知世さんは原田知世さん、みたいな。

──あー。知世さんは確かに、ちょっと不思議な国の先輩かもしれない。知世さんはデビューしたての頃はアイドル/女優のイメージが強かったけど、1990年代初めぐらいから、アーティストとしてプロデューサーと切磋琢磨していくスタイルにシフトチェンジしたんですよね。今のSAWAさんのスタイルの源流をたどると、その時期の知世さんに近いのかも。「ブレンディ」の後釜も狙えるかもしれないですよ。

アハハハ。誘いがあったらふたつ返事でやりますやります!

──それでは最後に、SAWAさんの考える“Sa-World”を、絵で表現していただけますでしょうか。ここまで話してみて、いったいどのようなものだと自分で考えますか?

結構じっくり考えてきて、新たに「こうなんじゃないかな」って思った部分もあるんですけど……(描きながら)いろんなアトラクションがあるんだけど、ちょっと危ない世界っていうか。“Sa-World”に入ったら帰ってこられないかもしれない。インタールードの節々にワープゾーンの音が流れるんですけど、例えば「MerryGoRound」に行く前ぐらいに落とし穴があって、ボーンって入ってボワワワワってワープして別世界に行くんです。

──ちょっと多元的な世界なわけですね。

はい。こんな感じですかねー。

SAWAによる直筆イラストを見る

1stフルアルバム「Welcome to Sa-World」 / 2010年7月7日発売 / Epic Records

  • 初回限定盤 [CD+DVD] 3465円(税込) / ESCL-3475~6 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤 [CD] 3059円(税込) / ESCL-3477 / Amazon.co.jpへ
  • 着うた®、着うたフル®全曲配信中!
CD収録曲
  1. Opening Ceremony ~Sa-Worldへようこそ~
  2. MerryGoRound
  3. Stars
  4. NightBus
  5. Chocolate Zone ~野生のSAWA~
  6. Throw him away!
  7. ManyColors
  8. I'm a President
  9. Danger Zone ~逃げろ!危うしSa-World!~
  10. Swimming Dancing
  11. Friday Night
  12. Planet-T
  13. Eat It All ~Live in Sa-World~
  14. I Can Fly
  15. あいにいくよ
  16. Dream about...
  17. Thank you for visiting ~My name is...~
初回盤DVD収録内容
  • 「I Can Fly」「Swimming Dancing」「あいにいくよ」PV
  • Sa-Worldの作り方(表ver.)
  • Sa-Worldの作り方(裏ver.)
5iVE STAR -summer tour 2010-

ファッション誌で活躍する人気読者モデルが多数参加するファッションイベントに今年もライブゲストとして参加!

  • 2010年7月3日(土)
    北海道 札幌Sound Lab Mole
  • 2010年7月11日(日)
    宮城県 仙台RIPPLE
  • 2010年7月17日(土)
    福岡県 福岡BEAT STATION
  • 2010年8月1日(日)
    東京都 LAFORET MUSEUM HARAJUKU
  • 2010年8月4日(水)
    愛知県 名古屋DIAMOND HALL
  • 2010年8月5日(木)
    大阪府 なんばHatch

LIVE GUEST:Astro / SAWA
出演モデル:青柳文子 / 池田泉 / 木野園子 / 瀬戸あゆみ / 武智志穂 / 田中里奈 / and more
※出演モデルは会場によって異なります。
※出演モデルは都合により変更となる場合があります。

SAWA(さわ)

2008年6月に半沢武志(FreeTEMPO)プロデュースのミニアルバム「COLORS」でインディーズデビュー。透明感のある歌声と独特のキャラクター、そして「元高校教師」という経歴が話題となり、クラブシーンを中心に大きな注目を集める。2009年7月には3rdミニアルバム「I Can Fly」でEPICRecordsよりメジャーデビューを果たし、2010年7月7日に初のフルアルバム「Welcome to Sa-World」を発表。また、ボーカリストとして多くの作品に参加しているほか、ファッションイベントへのライブ出演や、韓国での配信リリースなどさらに活動の幅を広げている。