コミックナタリー PowerPush - ナタリー×「龍三と七人の子分たち」

ジジいいね! 龍三と七人の応援団

Dream / E-girls Aya 編

自分のおじいちゃんと重なった龍三親分

──ちなみにAyaさんご自身が一番好きなキャラクターは?

実は私、小さい頃はけっこうおじいちゃんっ子で。すごくかわいがってもらったんです。中学生のときに亡くなっちゃったんですけど、私の中でその祖父と龍三親分のイメージがけっこう重なって……。というのも昔、おじいちゃんもかなりヤンチャだったらしいんです。スナックを経営してたんですが、無口で、ルックスも渋くて、どんなワルそうなお客さんが来てもビクともしなかったみたい。でも、本当は優しくて。家でお酒を飲むとよくひざの上に乗せてくれました。ちなみにおじいちゃんのそのお店、「ミナミの帝王」の撮影で使われたこともあるんですよ。

──へええ、そうなんだ! 渋いお祖父さんだったんですね。

「龍三と七人の子分たち」より。

はい。それもあって、一番感情移入したのは龍三親分。カッコいいし、やっぱりセクシーですもんね。あれなら萬田久子さんが演じるキャバクラのママさんに慕われるのもわかる気がします。あの2人のシーン、藤竜也さんの表情も素敵でした。娘くらい年下の女性を前に「いやあ、俺はどっちでもいいんだよ」みたいな顔をしつつ、実はママさんの言うことを素直に聞いているという……男の人はいくつになってもかわいいなあと。

──Ayaさん世代から見ても、魅力を感じます?

「龍三と七人の子分たち」より。

もちろん! 私たちは普段、いろんなジャンルのプロフェッショナルな男性とお仕事をさせていただく機会も多いので、たぶん同年代の女の子に比べて年齢に対する先入観は薄い気がするんですね。しかも藤竜也さんは、大人の男性の中でもとびきりダンディな方ですから! E-girlsのメンバーはかなり年齢層が広いんですけど、おそらく全員メロメロになると思いますよ(笑)。ただ、個人的な注目度ということでは、私は断然「早撃ちのマック」推し。革ジャンのファッションもブッ飛んでますし、ピストルを持った手が常にプルプルしているのがもう、おかしくておかしくて……8人がバーンと勢ぞろいするシーンでは一番に目が行きました。

HIROさんが私たちの絶対的“親分”

──Ayaさん自身も20名からなるグループを束ねる立場ですが、リーダー像としての龍三親分はいかがでした?

Aya

そうですね……。同じリーダーでも、私とはかなりタイプが違う気がしますね。龍三さんってほら、“男が惚れる男”って感じがするじゃないですか。細かい理屈じゃなく、背中で語ってるような大きさがある。あの魅力的な存在感って、自分たちに当てはめるとEXILE HIROさんだと思うんです。もちろん内容はまるで別モノですけど、やっぱりHIROさんが「LDH」という大きな船を引っ張る絶対的“親分”で。私たちE-girlsのメンバーはその背中を見つつ、1つひとつの言葉や行動を吸収しようとしているので。だからこそ、すんなり物語に入っていけたのかもしれませんね。

──もともとAyaさんは、それほど親分肌じゃないとか?

「龍三と七人の子分たち」より。

違いますね(笑)。むしろ私のほうがメンバーに支えられてる気がします。私がリーダーとして大事にしてることがあるとしたら、自分の経験を無理に押し付けないことかな。今のメンバーはかなり年齢層が広くて、私から見てひと回りくらい下の子もいるんですね。だからなるべく相手の立場になってベストなアドバイスをしてあげたい。E-girlsは先輩後輩の関係もすごく大事にしてますけど、だからといって若い子が物を言いにくいのはグループ全体にもマイナスだと思うんです。誰もが発言できる雰囲気を作るのも、私の役割。龍三親分みたいなカリスマにちょっぴり憧れはありますけど、私にはそのやり方が一番合っているのかなって(笑)。

──そう考えると、グループを統率するAyaさんにとっては、いろんな意味でリアルな映画でもあったんですね。

そう思います。ギャグに笑ったり呆れたりしながら、自分でも驚くくらい身につまされたというか……。映画を観ながらこんなに自分について考えたのは、初めての経験かもしれません。

本気で生きた記憶はいくつになっても消えない

──じゃあ最後に、これから映画を観るメンバーたちにリーダーとして魅力を伝えるとしたら、どんな言葉をかけますか?

わー、難しいなあ(笑)。たぶんE-girlsのメンバーに限らず、今の若い子たちは世の中にこういう面白い作品があること自体、想像もしてないと思うんですね。私もそうですが、映画といえばまず恋愛モノやSFなど、わかりやすいエンタテインメントを思い浮かべてしまう。だからまずは先入観を持たず、「龍三」の世界を体験してみてって言いたいですね。日本映画でここまで冒険してる作品って、そう出会えない気がする。クライマックスのカーチェイスなんて、「スタッフさん、いったいどうやって作ったんだろう」と驚いてしまうほどスリリングでしたし。年配の方はもちろん、若い世代が観ても絶対に面白いと思います。

──中高年世代に独占させるのはもったいない(笑)。

Aya

心にモヤモヤを抱えてたり、夢に向かって一歩踏み出せずにいる人には、特にぴったりじゃないかなあ。私自身、この作品を観ることができて「目の前の目標にもっと打ち込もう」って心から感じました。本気で生きた記憶は、きっといくつになっても消えないと思うんです。そんな時間を共有した仲間と再会すれば、いつでもパワフルな自分に戻れる。それこそ龍三親分みたいに、弱い者イジメしてる若者たちに「お前ら、ふざけんじゃねえっ!」って堂々と言える、カッコいいジジババになれる気がします。全力で生きる気持ちよさ、仲間の大切さを教えてくれ、しかも年齢を重ねる憂鬱をワクワクに変えてくれた作品──。「龍三と七人の子分たち」は、私にとってはそんな映画になりました。

「龍三と七人の子分たち」 2015年4月25日 全国公開

「龍三と七人の子分たち」

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、「鬼の龍三」と呼ばれおそれられていた元ヤクザの組長。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族で構成される「京浜連合」と因縁めいた関係になる。詐欺や悪徳商法を繰り返す「京浜連合」にお灸を据えるため、博打好きの兄弟分「若頭のマサ」(近藤正臣)や寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、戦争に行ったこともないのに今でも軍服に身を包む「神風のヤス」(小野寺昭)、ほかにも「早撃ちのマック」「ステッキのイチゾウ」「五寸釘のヒデ」「カミソリのタカ」という異名を持つ仲間たちと「一龍会」を結成。次々に「京浜連合」の活動を妨害していくが……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一

キャスト

龍三親分:藤竜也
若頭のマサ:近藤正臣
はばかりのモキチ:中尾彬
神風のヤス:小野寺昭
早撃ちのマック:品川徹
ステッキのイチゾウ:樋浦勉
五寸釘のヒデ:伊藤幸純
カミソリのタカ:吉澤健
京浜連合ボス・西:安田顕
京浜連合・北条:矢島健一
京浜連合・徳永:下條アトム
龍三の息子・龍平:勝村政信
キャバクラのママ:萬田久子
マル暴の刑事・村上:ビートたけし

毎週更新!カウントダウン・インタビュー

「龍三と七人の子分たち」オフィシャルサイトにて掲載中
芸人 松村邦洋
モデル 今井華
タレント 武井壮
ナタリー×「龍三と七人の子分たち」
EXILE / 三代目 J Soul Brothers NAOTO
芸人 大久保佳代子
マンガ家 清野とおる
Dream / E-girls Aya
監督 北野武
Dream / E-girls(ドリーム / イーガールズ)
Aya(アヤ)

1987年生まれ大阪府出身。2002年7月にガールズエンタテインメントグループ・Dreamのメンバーとして加入し、ほかのメンバーの加入や脱退を経て、2012年より現在の4人組体制に。起伏に富んだ道を歩みながらも2014年11月にリリースしたシングル「ダーリン」は、グループ結成14年目にして最高位となるオリコンウィークリーランキング4位を記録した。また、2011年からLDH所属の女性グループのメンバーを中心に構成されたE-girlsとしても活動しており、Ayaはリーダーを務めている。