音楽ナタリー Power Push - Perfume

私たちが進む道の先にあるもの

Perfumeがニューシングル「STAR TRAIN」をリリースした。この曲は彼女たちのドキュメンタリー映画「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」の主題歌として中田ヤスタカ(CAPSULE)が書き下ろしたナンバー。長年にわたって彼女たちのサウンドプロデュースを手がけてきた中田ヤスタカが、まるでメンバー3人の思いを代弁するように、結成から現在までの15年間のストーリーを楽曲化している。

結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎えた今も、ペースを緩めることなく新たな挑戦をし続けるPerfume。「いつだって今が 常にスタートライン」と歌う彼女たちが向かう先はどこなのか、メンバー3人に話を聞いた。

取材・文 / 橋本尚平

 
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あの曲からはもう逃げきれない

──アニバーサリーイヤーを飾るイベントとなった「Perfume Anniversary 10days 2015 PPPPPPPPPP」、改めて考えてもすごく濃厚な10日間でしたね。

Perfume

あ~ちゃん 「アニバーサリーの年には、お客さんにとっても心に残ることがしたい」っていう気持ちがあったので、取材などで「今年の抱負はなんですか?」って聞かれたときに「サーカスみたいなことがしたい」って答えてたんですよ。そのイメージで「いろんなことを同じ場所でやったらいいんじゃないか」って思ってたら、日本武道館さんから「Perfumeさんで10日間使いませんか?」って言っていただいたので、「ぜひやりたいです!」ってお返事して。「すごろくでセットリストを決めるライブをいつかやりたいよね」って話は2年くらい前からずっとしてたんですけど、ほかのイベントとギュッとまとめようってことになったのは今年の始めだったかな? 今まで定期的にやってきたイベントとか、アルバムが出るたびにやってるライブとかを一気にやっちゃおうって。でも、毎日違う内容だからスタッフさんたちはホントに大変だったと思います。ステージも変わるし、照明さんも日によってやることが違うし、監督さんもずっと働きっぱなしで。私たちは楽しいことばっかりで、最高の10日間でしたけどね。

──後半のワンマンライブ「LIVE 3:5:6:9」は近年のPerfumeのライブの中でも特に素晴らしい内容だったと思います。

のっち いろんなことをやらせていただいた密度の濃い日々の延長線上にあのライブがあったので、みんなと楽しく盛り上がるお祭り感が引き継がれてた気がします。

かしゆか 「アニバーサリーイヤーだからこそできるセットリスト」というのをすごく考えましたね。すごろくの曲も東京と広島では中身をちょっとだけ変えてるんです。すごろくに入れた曲は「せっかくなら普段は絶対やらないような曲を入れてみるのも楽しいよね」って言いながら選んだんですけど、やっぱり自分たちでは絶対に並べないような組み合わせになったので面白かったです。まさか「彼氏募集中」を1日に2回歌う日が来るなんて(笑)。

のっち 広島の2日間はカオスだったよね。1日目は「彼氏募集中」を2回歌ったし。最終日にはそれまで1度も出てこなかった曲が最後にまとめて2曲当たったんですよ。

かしゆか すごろくだからどの曲が出るかわからない中で、きれいに全部当たったんです(笑)。

のっち 奇跡でした。ホントによかったです。

かしゆか 「彼氏募集中」って最近のライブで全然やってなかったので、「当たったら面白いよね」っていう感覚ですごろくに入れたのに、あ~ちゃんが毎日当てるっていうすごい技を繰り出して(笑)。

あ~ちゃん 「彼氏募集中」を武道館とか広島グリーンアリーナでやるなんて、私たちも想像してなかったよね。今とは曲を作ってる人が違いますし、曲調も音質も違いますから、ほかとの落差がすごいんですよ(笑)。

かしゆか 振り付けもけっこうヤバいしね(笑)。

あ~ちゃん だから私たち的には、アレをやるのはすっごい恥ずかしいし、スルーしたいところではあったんですけどね。あの曲からはもう逃げきれないんでしょうね(笑)。

自分たちがやりたいことと観客が楽しいことがどんどん交わってる

──でも、それを観ることができたお客さんはうれしかったと思いますけどね(笑)。今回の「LIVE 3:5:6:9」はファンの反応もすごくよかった印象がありますが、やった本人としても手応えを感じましたか?

あ~ちゃん 超感じました。ライブって、自分たちには想像できないことが起きるところが楽しくて。だからあらかじめ全部決め込んで予定通りのことをやるライブよりも、曲順をその場で決めるライブのほうが新鮮な気持ちになれるんです。

──確かにそうでしょうね。

あ~ちゃん

あ~ちゃん 私たちの中には、お客さんの期待に応えてみんなが聴きたい曲をやってあげたいっていう気持ちと、それをいい意味で裏切ってサプライズしたいっていう気持ちがあって。でもみんなが歌ってほしい曲って、観てくれるお客さんによっても違うし、日によっても変わってくるじゃないですか。お客さんが増えれば増えるほどその違いはどんどん大きくなるんですよね。だけど今回のライブは、自分たちが一番やりたいと思っていることを実現させながら、お客さんもそれが一番楽しいと思ってくれたような気がしていて。自分たちとお客さんの気持ちが高まるポイントがどんどん交わってきたのをライブ中に実感したし、なんかもう、やりながら「このセットとっておいてください!」って気分になりました。

かしゆか すごい気に入っちゃったね。

あ~ちゃん うん、またすぐあのステージでライブやりたいなって(笑)。

──センターステージでのライブというのも、Perfumeとの相性がすごくよかったと思いました。

かしゆか 本当は私たちのダンスって前から観てほしいんですよ。真正面、それも真ん中から観てもらうようにフォーメーションや振り付けを作ってるので。だからお客さんに360°囲まれるっていうのはけっこう挑戦で。後ろから観られることってなかなかないし、本当は真正面から観てほしいものをどの角度からも観られるようにするって、なかなか難しいことで。でも、スタッフさんたちが素敵に見せてくれたおかげで、なんの心配もなくパフォーマンスできましたね。

──最終日の広島グリーンアリーナで、あ~ちゃんさんが最後に「いろんなものを見て、自分の人生の夢もできて、やりたいことはまだまだあるし、見たい景色もまだまだある。その兼ね合いをどうやっていこうかって迷っていましたが、これからもPerfumeをやっていくと決めました」と挨拶したのが印象に残っているんですが、これはどういう意味だったんでしょうか。もしかしたら、当初はPerfumeを一段落させる気持ちがあったけど、このアニバーサリーイベントを通して考えが変わった、ということなのかなと。

あ~ちゃん 東京ドームで結成10周年ライブをやった頃、次のアニバーサリーイヤーにはPerfumeがここまで第一線で走り続けられてるとは思ってなかったんですよ。時代はどんどん変化していって、流行もどんどん変わっていく中で、自分たちがここまで活動していられるなんてホントに想像してなかった。私たちは今、誰も想像できなかった未来を生きてるっていう感覚なんです。そういうこともあって、そろそろ一度自分の行く末についてちゃんと考えてみるべきなのかもしれない、っていう気持ちが生まれたんです。記念の年が終わったときにちょうど27歳になるし、それくらいのタイミングで考えようかなって。でも、ドキュメンタリー映画(「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」)の最後で話をしてるんですが、Perfumeに新しい目標ができたんです。大切な人が新しい大きな夢をくれたから、その人が生きているうちに夢を叶えたい、素晴らしい景色を見せてあげたい、そのためにもっともっとPerfumeを続けさせてもらいたい、って思いました。

かしゆか たくさんの人に必要としていただいて、いつも自分の想像を超えることばかりをさせていただいて、結成から15年も経ったのにまだ次の新しい目標が見えているっていうのが、すごくうれしいです。何かが終わったときに、すぐに「次はこうしたい」っていう気持ちが生まれてるので、それはとても幸せなことだと思ってます。

Perfume ニューシングル「STAR TRAIN」/ 2015年10月28日発売 / UNIVERSAL J
初回限定盤 [CD+DVD] / 1998円 / UPCP-9012
通常盤 [CD] / 1000円 / UPCP-5008
CD収録曲
  1. STAR TRAIN
  2. TOKIMEKI LIGHTS
  3. イミテーションワールド
  4. STAR TRAIN -Original Instrumental-
  5. TOKIMEKI LIGHTS -Original Instrumental-
  6. イミテーションワールド -Original Instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
  • STAR TRAIN - Video Clip -
  • Perfume View
映画「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」
10月31日より東京・TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー

2014年にアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地で開催されたツアー「Perfume WORLD TOUR 3rd」、および今年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで開催されたフェスティバル「SXSW 2015」でのPerfumeに完全密着したドキュメンタリー映画。総撮影時間500時間におよぶ映像で、最新テクノロジーを駆使したライブパフォーマンスと、その裏側にあるメンバー3人の喜び、苦悩、葛藤を記録している。

スタッフ
監督:佐渡岳利
音楽:中田ヤスタカ(CAPSULE)

キャスト
Perfume(あ~ちゃん、かしゆか、のっち)

主題歌:Perfume「STAR TRAIN」

Perfume(パフューム)
Perfume

あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香)、のっち(大本彩乃)により2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsule(現:CAPSULE)の中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、近未来的な世界観のサウンドとダンスで耳の肥えた音楽ファンの間でも高い評価を獲得する。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを成功させる。

2011年にはピクサー映画「カーズ2」の挿入歌&日本語吹き替え版エンディングテーマに、アメリカのスタッフによる指名で「ポリリズム」が抜擢。2012年にユニバーサルJに移籍してアルバム「JPN」のiTunes Store世界配信を実施し、同年4月に「キリンチューハイ 氷結」のCMソング「Spring of Life」のCDシングルをリリースする。10月にアジア4カ国で行われた初の海外ツアーは大成功のうち終了し、翌2013年にはヨーロッパ3カ国での単独公演を実施。フランス・カンヌで開催された世界最大の広告祭「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に日本人アーティストとして初めてゲストとして招待され、プロジェクションマッピングを駆使したパフォーマンスで喝采を浴びる。同年10月にアルバム「LEVEL3」をリリースし、12月に東京ドーム、大阪・京セラドーム大阪にて計4日間の単独公演を敢行。2015年にはアメリカ・テキサス州オースティンで開催されたの世界最大規模のフェスティバル「SXSW 2015」に出演し、インタラクティブメディアの祭典「SXSW Interactive」のヘッドライナーを務めた。同年9月からはメジャーデビュー10周年を記念して、東京・日本武道館や広島・広島グリーンアリーナでのライブを含む計10日間のイベント「Perfume Anniversary 10days 2015 PPPPPPPPPP」を開催。ワールドツアーの様子を追った初のドキュメンタリー映画 「WE ARE Perfume-WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」が10月に日米同時公開され、さらに同映画の主題歌「STAR TRAIN」をシングルとしてリリースした。