音楽ナタリー PowerPush - 大原櫻子

“オトナ”を開花

Interview

ようやく出会えた曲

──ニューシングルのアートワークはこれまでにない大人っぽい雰囲気になりましたね。

大原櫻子

はい。普段もこういったメイクはしないし、お芝居のほうでもここまでガッツリ大人っぽい感じはやったことがないのですごく新鮮でした。皆さんにも、「お、なんか新しいな」って思ってもらえたらうれしいですね。

──メイクが変わると気持ちも変化します?

なんかこうシャキッとしますよね(笑)。衣装も含めてちょっとアートっぽいというか、キレイでカッコいい女性の表情を見せないとなって。新しい引き出しが増えた気がします。

──今回はシングルに収録される楽曲でも新しい表情をたっぷり見せてくれていますね。タイトル曲の「キミを忘れないよ」は初のラブバラードです。

私はいろんなタイプの音楽を聴きますけど、一番心に残って感動しちゃうのがラブバラードなんですよ。なので、それを20歳目前の今歌えることがすごくうれしくて。ようやく出会えた曲だなって思いました。

──しかもこの曲は、12月公開の「映画ちびまる子ちゃん」の挿入歌になっていて、作詞は原作者であるさくらももこ先生が手がけているというトピックもあり。

日本を代表するアニメ「ちびまる子ちゃん」の映画挿入歌で歌わせていただけることだけでまずビックリだったのに、歌詞をさくら先生が書いてくださることになったので「うわ、どうしよう!」って思っちゃいましたね。ただ、同時に「やってやるぞ!」っていう気持ちも湧き上がってきました。

──歌詞が上がってきたときはどんな印象を持ちましたか?

第一印象は、すごく大人っぽいなって思いました。「ちびまる子ちゃん」の挿入歌としてはちょっと意外な感じがしたというか。でも、言葉にはできない本音の気持ちを描いている内容はすごく共感できるものでもあって。恋をしている人にとってはきっとすごく胸に突き刺さるだろうなって思いましたね。で、そこに亀田(誠治)さんのメロディが付いたことで切ない雰囲気がより増したので、歌のレコーディングにあたっては自分の中でかなり作り込んで臨みました。

ラブバラードを歌える喜び

──どんなことを意識して歌いましたか?

ボイストレーニングの先生に、「この曲は自分のイメージを膨らませながら目をつぶって歌ったほうが気持ちが入るんじゃない?」ってアドバイスをいただいたので、歌詞カードをあまり見ないで歌ってみたんですよ。主人公はどんな女の子なのかなとか、どんな景色の中にいるのかなとか、いろんなことを思い描きながら。あとは、例えば歌詞に登場する「歩道橋」は自分の知っている歩道橋を思い描いたり、「花火」は実際に自分が見た花火のことを思い出したりしましたね。

大原櫻子

──歌詞の世界観に自分の記憶を織り交ぜていったんですね。

そうですね。その上で、女の子らしい声を出そうとせず、ありのまま歌った感じでした。かわいらしさもあるメロディではあるけど、そこはあえて出さないように。

──ありのままで歌うとあんまり女の子っぽくはならないですか?

ならないです。たぶん私の性格がそこまで女の子っぽくないからだと思うんですけど(笑)。

──ラストの「キミの笑顔が ボクの宝物だから」というラインはものすごく感情がこもっていて、強く心に響きましたよ。

意識してそう歌ったわけではないんですけど、この曲は相手のことを思う気持ちが強ければ強いほど切ない曲になると思っていたので、身近な友達とか、私にとっての大切な人を思い浮かべながら歌ったところもあって。だからそういう声が出たのかもしれないです。

──今回、ラブバラードと向き合ってみて何か発見はありましたか?

そもそもバラードを聴くのも歌うのも好きなので、難しくはありましたがやっぱりすごく楽しいなって思いました。意外とレコーディングはサッと終わったんですけど、それはきっといつも以上に自分の中で作り込んで臨んだからだとも思うし、何よりもこれまでにいろんなタイプの曲を歌わせていただいてきたからこそなんだろうなって思いました。

──亀田さんのもとで表現力が鍛えられたところはあったでしょうし。

はい。そういう段階を経てラブバラードを歌えてよかったなって思います。

──この曲のミュージックビデオも素敵な仕上がりになっていますよね。

歌詞の内容に合わせて、「初恋の思い出を夢に見る」みたいなコンセプトで撮りました。CDジャケットのような大人な表情もあれば、逆にほぼすっぴんのような私も出てきます。私にとってMVは、毎回それこそ映画1本、ドラマ1本と変わらないくらいの思いを込めているものなんです。ぜひ今回のMVもたくさんの方に観てもらえればなって思います。

4thシングル「キミを忘れないよ」2015年11月4日発売 / Victor Entertainment
初回限定盤A [CD+DVD] 1620円 / VIZL-907
初回限定盤B [CD+DVD] 1620円 / VIZL-908
通常盤 [CD] 1296円 / VICL-37123
CD収録曲
  1. キミを忘れないよ
  2. Dear My Dream
  3. Special day
  4. キミを忘れないよ(instrumental)
  5. Dear My Dream(instrumental)
  6. Special day(instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
  • 「キミを忘れないよ」Music Video+メイキング収録
初回限定盤B DVD収録内容
  • 「Dear My Dream」Music Video+メイキング収録
大原櫻子(オオハラサクラコ)
大原櫻子

映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場した3人組バンドMUSH&Co.のボーカルとして、2013年12月に劇中から飛び出しデビューシングル「明日も」をリリース。2014年3月から3カ月間、ニッポン放送「大原櫻子のオールナイトニッポン0」でレギュラーパーソナリティを務めたほか、7月期のフジテレビ系ドラマ「水球ヤンキース」でヒロインを演じるなど女優としても活躍の場を広げる。同年11月にソロ名義の1stシングル「サンキュー。」を発表し、2015年1月発売の2ndシングル「瞳」の表題曲は「第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌」に採用された。同年3月に1stアルバム「HAPPY」、7月に3rdシングル「真夏の太陽」とライブDVD / Blu-ray「1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSOOOOM!!!~」、11月にシングル「キミを忘れないよ」をリリースした。