ナタリー PowerPush - More SQ

スクエニトリビュート発売記念! ゲーム好きアーティスト緊急座談会

ゲーム音楽はライブでやると同世代男性ファンが激アガりする

──自分たちが現在作っているオリジナル曲と、そういったゲームミュージックとで通じる部分は感じますか?

MELTEN 自分らではあんまり思わないんですけど、お客さんとかCD買ってくれた人たちの感想を見てたら、インストってこともあってか「ゲーム音楽っぽい」って捉えてる人もいるみたいですね。

インタビュー風景

HAYATO 俺らも同じく。ずっと聴いてたし、自然とそういう部分が出てくるんでしょうね。

HIRO 俺らはバトルの曲にイメージが近いって、ボス戦の曲っぽいっていうのはよく言われますね。

MELTEN そういえば今回「FF5」をやってみたら、自分たちにすごいハマってると思った。

YUKI ハマったし、リハも全然早かったもんね。

YOHEI できあがるまで速攻。自分らの曲より早かった(笑)。

YUKI いやホントに。ライブのセットリストに入れても全然浮かない。何回かライブでやったんですけど。

HAYATO めっちゃアガるでしょ?

YUKI はい。ウワーッ! この曲知ってる! みたいな人がステージから見ててわかるんです(笑)。

HIRO すごい勢いで食らいついてきたり。

YOHEI いたよね、激アガりしてる人が。30歳前後くらいの。

HIRO 俺らと同世代ぐらいの男性ファンが(笑)。

MELTEN →Pia-no-jaC←さんの「クロノ・トリガー」の曲は、すげえ→Pia-no-jaC←のオリジナルっぽく聴こえましたね。

HAYATO 「風の憧憬」って本当に原曲がいいんです。だから原曲の良さを生かしつつ、→Pia-no-jaC←の良さも入れていくっていうので、めっちゃ話し合って。ホンマはまたメドレーにしようかって言ってたんだけど……、

HIRO そう、いろんな曲やりたかったんですけどね、ホント言うと。「クロノ・トリガー」やるんやったら「魔王のテーマ」やろう、とか。

YUKI はいはいはい(笑)。

HIRO あと、現代のフィールドの曲と魔法王国の曲をちょっとつなげられへんかなとか、いろいろ考えたりしたんですけど、でもやっぱり「風の憧憬」がすごい曲なので、これだけで大丈夫やということになりましたね。遊び程度にちょびっとほかの曲を入れてるとこもあるんですけど、まぁそれは聴いてみてのお楽しみです。わかる人にはわかるように、崩してさりげなく入れてます。

HAYATO JABBERLOOPの「FF5 メインテーマ」カバー、ベースラインって、やっぱアレですよね?

YUKI そう! バトルの曲です。やっぱやるんならこれもやろうやって。

YOHEI イントロでね、アレも混ぜようって。

HIRO  JABBERLOOPのを聴いて、さりげなく入れるのも俺らと一緒なんやなって思った(笑)。

「カバー曲が良かったからゲームをやってみたくなった」って言われたい

──完成した「More SQ」を聴いてみた感想は?

インタビュー風景

HIRO 今回は打ち込みの方も多いですよね。以前参加した「Love SQ」は皆さん王道の選曲が多かったと思うんですけど、今回はあえて外してきた人が多いというか、「渋いね!」っていう選曲がすごく増えた気がしますね。でもそんな中で、僕ら2組は王道なんですよね(笑)。

YUKI そうですねえ!

──これは良かった! っていう曲はありましたか?

HIRO 俺はSPECIAL OTHERSさんのが好きっすね。「FF6」の「仲間を求めて」。これも王道モノですけど(笑)。

MELTEN あぁー、俺もあの曲が一番馴染みがあるな。

HIRO 原曲も本当に聴きこんでるので違いもはっきりわかるし、そのギャップも含めてすっごい良かったですね。

YUKI 全部いいなぁ……。

MELTEN 俺、「ライブ・ア・ライブ」やったことないし、カバーしてるIdiot Popさんのことも知らなかったんですけど、すごくカッコ良かったです。あれ聴いて「ライブ・ア・ライブ」やってみたくなりました。さっきの話と逆で、「More SQ」の音楽からゲームに興味を持つ、みたいな。

──そういう感想をもらうのは、カバー制作者からすればアーティスト冥利に尽きますよね。

MELTEN ぜひ言われてみたいですね(笑)。

──カバーする上で意識したことは?

HIRO ゲームの世界観が大好きなんで、そこは踏まえて崩さないように、ってのを大事にしました。

YOHEI 僕らはメンバーがみんなゲームをやってるし世界観を知ってるから、たぶんそれでアレンジが早くできたんじゃないかな。みんなの中でイメージが統一されてるんで。

HIRO 実際にカバーする曲が流れる場面だけじゃなく、なんならほかのシーンとかも全部踏まえた上でアレンジしてるし(笑)。俺らは今回フィールドの音楽がメインなんですけど、そうじゃなくて中世編が全体的にイメージできたらなぁと思って。なので1曲の中でいろんなリズムに変えてみたりしましたね。

──ちなみに今回カバーしたのは、何歳のころにやったゲームの曲ですか?

インタビュー風景

MELTEN 俺小学生。

YOHEI 俺も小学生やな、小6ぐらいちゃうかな。

HIRO たぶん小学校の中、高学年あたりで「FF5」「6」ぐらいが出て。

YOHEI ああ、ということは同い年くらいですね。

HIRO やっぱ、この時期にやったゲームが一番印象強いんだと思いますよ。

YOHEI だいぶゲームに時間かけてました、その時期に(笑)。

YUKI ゲーム屋で予約して発売日に並んだよねー。

HIRO あー、並んだ並んだ!(笑)

YOHEI 俺も「FF6」と「ロマサガ2」は並んだ。

HIRO 自分らが今回カバーした「クロノ・トリガー」は、当時「週刊少年ジャンプ」を読んで知ったんですけど、最初に「FF」の坂口博信、「ドラクエ(ドラゴンクエスト)」の堀井雄二と鳥山明が手を組んで1つのゲームを作るって書いてあって、「なんてすごいことを考えるんだ!」って思った。

一同 あはは(笑)。

YUKI ドリームチームですもんね。

MELTEN あのころの「ジャンプ」って毎週ゲームの情報をめっちゃ載せてましたよね。

HIRO そのときはまだスクウェアとエニックスは合併してませんから、会社の垣根を超えてこの3人が手え組むんかぁ! って、ものっすごいワクワクしたなー。

→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)

アーティスト写真

ピアノのHAYATO、カホンのHIROにより2005年4月に結成されたインストゥルメンタルユニット。鍵盤を中心にしたシンプルな楽器編成ながら、ジャズともクラシックとも異なるエネルギッシュでオリエンタルなサウンドが、リスナーに強烈なインパクトを与えている。2008年の1stアルバム「First Contact」を皮切りに2年間で5枚のアルバムを立て続けに発表し、合計で40万枚のセールスを突破。国内外のフェス出演を含む、年間250本以上のライブを精力的に敢行している。2010年夏にはDAISHI DANCEとのコラボアルバム「PIANO project.」をリリース。さらに、同年8月発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。2011年1月からは、CMクリエイター箭内道彦が手掛けるシューズブランド「ピーエフフライヤーズ」のCMソングに、アルバム「EAT A CLASSIC 3」の収録曲「ジ・エンターテイナー」を提供。現在、着実に知名度を高めているインストユニットのひとつだ。なおユニット名は、左からピアノ、右からカホンと読むことができる。

JABBERLOOP(じゃばるーぷ)

アーティスト写真

DAISUKE(Sax)、MAKOTO(Tp)、MELTEN(Key)、YUKI(B)、YOHEI(Dr)によるクラブジャズバンド。クラブやストリートでのライブ活動で腕を磨き、2007年5月にニック・ウェストンが主宰するロンドンのMukatsuku Recordsから12インチEP「UGETSU」をリリース。これが国内外のクラブジャズシーンで注目を集め、同年7月にアルバム「and infinite jazz」でコロムビアミュージックエンタテイメントよりメジャーデビューを果たす。その後さまざまなアーティストのプロデュースや楽曲提供などに携わり、リミックスアルバム、コンピレーションアルバムにも多数参加。2008年にはそうした参加楽曲を集めた作品集「INFINITE WORKS」をリリースした。2010年、3rdアルバム「攻め燃える」よりレーベルをVithmicに移籍。同作は2010年のiTunesベストジャズアルバムに選出された。