4人で演奏するとすでに物足りなさを感じる

──「結婚」という名目でMONOBRIGHTにヒダカさんが加入してから約半年経ちました。どうでしょう、今の新婚生活は？

桃野陽介（Vo, G, Key）　5人でいるのが本当に自然ですね。たまにヒダカさんがリハーサルに遅刻するんですけど、そういうときに4人で演奏するとすでに物足りなさを感じたりしてますから。

ヒダカトオル（Vo, G, Key）　ちなみに、遅刻するときはいつも「遅れます」ってメールに息子のかわいい写真を添えて送ってるんだけど（笑）。

桃野　そう！ これがまた、怒るに怒れないかわいい写真なんですよ（笑）。

曲を書けば書くほど「もう1人欲しい」という気持ちがあった

──このアルバム「ACME」は、昨年10月の時点で完成していたんですよね。

桃野　そうですね。9月にBEAT CRUSADERSが“散開”してから、すぐにヒダカさんと一緒に制作に入ったんで。

──最初はプロデューサーとしてヒダカさんに参加してもらおうと思ったんですよね。でも「どうせならメンバーに」と誘ったという。

桃野　はい、そうです。

──もう1人メンバーを増やしたいと思った理由はなんだったんでしょう？

桃野　もともとMONOBRIGHTは1stの頃からキーボードとか4人以外の音を足してたんです。でも、やっぱりライブで再現するときには何かを捨てなければいけないし、曲を書けば書くほど「もう1人欲しい」という気持ちになって。それで「メンバーでどうですか？」ってヒダカさんに言ったんです。一緒にやれる機会はなかなかないだろうし、最初は「もしやれたらラッキーだな」って感じでしたけど。

ヒダカ　カトウ（タロウ）さんでもよかったんじゃないですか？ ケイタイモさんでも（笑）。

桃野　（笑）やっぱり全体を見渡すプロデューサー的な立ち位置が必要だったんで。

「もっとキャバクラに行け！」って（笑）

──ヒダカさんとしても、自分だったらこのバンドをもっとうまく見せられるという考えがあったわけですよね。

ヒダカ　加入する前から5～6年の付き合いなんですけど、ホントに田舎のいい子のままだったんですよ。だから、貪欲さの矛先が必要かなって思って。21世紀以降のメディアの状況に応じて、いろんなことを慎重にやってる気がしたんです。インターネットというのがすごく微に入り細に入る媒体だから、すごく気を遣いながらやってたというか。でも、そうやって「田舎のいい子」感が強調されればされるほど、ロックから乖離している気がして。笑いながら「悪い子です！」って言える要素はもっとあったほうがいいと思ったんですよね。実際バンドに入る前から、彼らにはそういうアドバイスを言っていて。「もっとキャバクラに行け！」って（笑）。

──エロと笑いを出していけ、と。

ヒダカ　そうそう。1stの時点から歌詞はエロいし、ユーモアもちゃんとあるし。そこの要素もうまく見せられてなかったなと思って。だから俺としては渡りに船だな、って思いましたね。