ナタリー PowerPush - ももいろクローバー
アイドル戦国時代を駆ける全力少女 ももクロに今何が起きているのか!?
できないことは、できるようにすればいいんだ
──でも、みなさん自身は今のももクロのスタイルが好きなんですよね。
玉井 はい。次はどんなヘンことやるんだろうな? みたいな(笑)。
高城 最近は毎回アクロバットを取り入れてるから、次どうすればいいか悩むんですよ。前回よりもすごいものを取り入れたいけど、できることは限られてるし、新しい技を練習する時間もないし、って。
──アクロバットは自分たちでアイデアを出し合いながら?
有安 基本は自分でできるものを出し合ってます。ダンスの先生が持ってきてくれたアイデアにアレンジを加えながら。
早見 夏菜子が一番アクロバットがうまいから、自分にできない技も試してもらったり(笑)。何パターンも考えるから、結構時間かかるよね。
──あの目まぐるしく変わる6人のフォーメーションは、まさにももクロ独自の存在感を決定付けている要素だと思います。見えないところでマイクを渡し合ったり、曲の展開に合わせてポジションをどんどん移動したり。今のアイドルの中でもズバ抜けてせわしないフォーメーションですよね。
有安 せわしないですよね(笑)。マイクの受け渡しはかなり練習してます。
早見 自分だけでの持ち替えとかもあるし、練習はハンパなくやってるよね。慣れたけど。
有安 練習するときは「絶対できないよー」とか思うけど、先生に「できないことは、できるようにすればいいんだ」って言われると、意外とできちゃう。
早見 ダンスの先生がもう、天才だと思うんです。誰々はここ、ここ、ここって指示されたところに移動すると、一見バラバラなようだけど、自然と次のフォーメーションに移動できるんですよ。「わ、つながった!」みたいな。
普通逆ですよね
──ニューシンングル「ミライボウル」についてお訊きします。ももクロはこれまでもトリッキーな曲がたくさんありましたが、今回はことさらにトリッキーですよね。最初に曲をもらったときは、どう思いましたか?
早見 これは曲じゃない、って思いました。
有安 とうとうここまできたかって。
玉井 練習したいけど、どう練習すればいいのかわからないみたいな。
早見 初めてこの曲を聴いたファンのみなさんと同じ反応だと思います(笑)。
百田 仮歌を聴きこんでレコーディングに行ったのに「仮歌は無視していい」って言われてエーッ!! って。
全員 「え、あぁ、ハイ……」(笑)。
百田 「AメロBメロは歌じゃないから、勝手に考えてきて」って言われて。みんなで悩みました。
──レコーディングも大変だったでしょうけど、ライブで歌うのもかなり大変ですよね。
早見 最近は慣れてきたから大丈夫だけど、最初の頃は……ファンの方も「ん? んん?」ってどこでノッていいのかわからなかったみたいで。
佐々木 今までの曲なら、ここで「あーりん!」「しおりん!」ってくるのかな、って想像できたけど、この曲は全然わかんなかった。
──ももクロはいつも新曲ができると、CDがリリースされる前からどんどん披露したり、リリース前に全国をツアーで回っていますけど、それも今までのアイドルにはあまりなかったところですよね。CDが発売される頃には、ファンはすっかり新曲を覚え込んでいるという。
佐々木 発売したあとのほうが、ライブ数少ないもんね。
有安 発売前に毎週末いろんなところを回って、発売週は放課後に毎日。
早見 毎日ヒロインに変わりーの、そのあとはパタッとなくなる。普通逆ですよね(笑)。
高城 でも最近はインストアのツアーが終わっても、すぐに大きい会場のライブやイベントが控えてるから、あまり間が開かなくなりました。「ちゃんと活動してるな」って感覚がありますね。
──もう1曲の「Chai Maxx」も、メンバーのみなさんが元ネタを知らないであろうダンスが取り入れられてたり、こちらもまた斬新かつアッパーな曲に仕上がっています。
玉井 ノリはいいけど、歌うのが大変です。息継ぎができない……。
早見 踊りながらだと、すーごいことになっちゃう。
百田 舌が回んなくてペロペロペロペロってなっちゃうけど、覚えてしまえば楽しいし、ももクロっぽい曲だなって思います。
──「ももクロとかまってちゃん」では1曲目からこの曲でしたけど、この曲は勢いもあるしインパクトもあるから、オープニングナンバーにはピッタリかもしれないですね。
佐々木 ライブでやるとみんな踊ってくれたりかけ声をかけてくれたり、一緒に盛り上がれる曲だなって思います。
明日何をやるのかもわからない
──そもそも「ミライボウル」ってなんなんでしょうか?
佐々木 歌詞にも特に意味ないもんね?
百田 最初にもらったときから、あ、こうきたかと。
佐々木 こうきちゃいマックス?
全員 アハハハハハ!!
早見 なんで「ミライボウル」なのか、ちょうどみんなで考えてたんですよ、昨日。……わからないんです。ミラーボールと、ボウリングと……。
高城 「まわれギラギラ」?
有安 「運命のリズム」って何!?
佐々木 「恋のミライボウル」。恋なの? なんで!?
高城 そもそもいきなり「おじゃまします!」だよ?
早見 考えれば考えるほど、謎が深まる。
百田 楽屋での会話もいつもこんななんですよ。疑問ばっかり(笑)。
佐々木 なんでー? なんでー?
有安 なんでなんでマンなんですよ。
──意味もわからないまま突っ走っていくほうが、ももクロらしいといえばらしいのかも。疑問に思ったこともあまり考え込まずに突き進んだほうが、きっといいですよ。
高城 今後どうなっていくかもわかんないしね。
佐々木 まず明日何をやるのかもわからない(笑)。
百田 イベントに出演するときも、私たちが何をやるのか聞かされるのはだいたい本番の30分か1時間前ぐらいなんです。
玉井 ホントに何も考えずにやってるよね。
早見 がむしゃらなんだよ。
百田 そうなんですよ。とにかくがむしゃら。アイドルだからこうしなきゃ、っていう考えがももクロにはまったくなくて、スタッフさんもそういう考え方なんですよ。私たちが振り付けで「コマネチしたーい」って言っても「あ、いいよー」って(笑)。いい意味でアイドルらしくないアイドル。みんなが思うアイドルのイメージをぶち壊せたらいいなと思います。
CD収録曲
- ミライボウル
TVアニメ「ドラゴンクライシス!」ED主題歌 - Chai Maxx
テレビ朝日「お願い!ランキング」3月度エンディングテーマソング - ミライボウル (Instrumental)
- Chai Maxx (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- 「ミライボウル」PV
- FLASHアニメ「週末お届け!ももクロ便」Aタイプ
初回限定盤B DVD収録内容
- 「ミライボウル」PV
- FLASHアニメ「週末お届け!ももクロ便」Bタイプ
CD収録曲
- ミライボウル
TVアニメ「ドラゴンクライシス!」ED主題歌 - Chai Maxx
テレビ朝日「お願い!ランキング」3月度エンディングテーマソング - 全力少女
- ミライボウル (Instrumental)
- Chai Maxx (Instrumental)
- 全力少女 (Instrumental)
ももいろクローバー
スターダストプロモーションの次世代新人プロジェクトとして2008年に結成。数回のメンバーチェンジを経て、現在は高城れに、百田夏菜子、早見あかり、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果の6人で活動している。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。翌2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。その後スターチャイルドレーベルに移籍し、2010年11月にシングル「ピンキージョーンズ」、2011年3月9日に最新シングル「ミライボウル」を発表。なお、早見あかりは2011年4月10日に行われる中野サンプラザ公演を最後にグループを脱退する。