ナタリー PowerPush - mihimaru GT
高速ラップで限界に挑戦!? 充実ソロを経てアッパーに復活
震災後は、これからの曲作りについていろいろ悩んだ
──カップリング曲「始まりの一歩」は、「マスターピース」と曲調が大きく異なりますね。
hiroko はい、こっちはもう陽気でルンルン的な感じです。
miyake 再始動シングルのカップリングに入るということで、タイトルどおり「また新たな一歩を進み出そう」と初心に戻る気持ちで作っていきました。
──ちなみに、日本が今こういう状況だからこそ改めて伝えたかった思いもありました?
miyake そうなんですよね。まさしく震災後に制作したんですが、自分たちはこれからどういう曲を作ればいいのかってことをいろいろ悩んで……。でも、これからがんばっていかなきゃっていうところで、「やっぱり前向きになれる曲がいい」とhirokoが。
hiroko はい、そうなんです。
miyake それでこういう内容になって。でも別に日本の復興だけを歌っているわけじゃなく、自分たちと照らし合わせて、リンクするところを考えながら作っていったんです。
──具体的にはどういう部分が?
miyake 「始まり」という意味では、僕らもデビュー当時は右も左もわからない不安だらけの状態だったんですが、そんな中でも必死にチープなサウンドを作ってがんばってたなーっていうのを思い出したり(笑)。だから今回はサウンドもデビュー当時にちょっと近づける感じで、いい意味でチープな方向に。打ち込み感満載な感じで、デビュー当時よくhirokoが言ってた「おもちゃ箱から飛び出したような」っていうイメージで僕は作りましたね。
hiroko 私はとにかくライブで盛り上がりそうやなって思ってて。皆さんのかけ声をもらうことで、この曲のパワーが2倍にも3倍にもなっていく気がします。早くライブで披露して、みんなとパワーを交換したいですね。
ライブの出来具合で、その後のお酒の美味しさが変わる(笑)
──少し気が早いようですが、10月からは全国ツアーも決定。小さなハコを回る「Club ver.」と、Zeppクラスの会場を回る「年末ジャンボ宝イヴver.」が発表されていますね。
hiroko 今回は少し原点回帰という意味もあって、小さなライブハウスのような、皆さんにより近づける場所も回ってみようということになりました。
──2つのバージョンで内容は違ってくるんですか?
hiroko 詳しい内容は今練っているところなんですが、「Club ver.」はやっぱり私たちの“ヒップポップ”感を存分に出していけたらなと。「年末ジャンボ宝イヴver.」は毎年お祭りみたいな感じでやらせていただいてるライブなんですが、みんなでドカーンと盛り上がれたらと思います。
miyake 僕は今回のツアーに地元の岡山が初めて組み込まれたのがうれしくて。学園祭では行ったことがあるんですが、ツアーとしては今回が初なので楽しみですね。新曲も盛りだくさんな内容になると思います。
──2011年下半期はがっつりmihimaru GTですね。
hiroko そうですね。ツアー以外にも、夏は「a-nation」などフェスにもいくつか出させていただきますし。「マスターピース」はきっと披露すると思うんですが、さっきから何度も言ってるように、とにかく高速ラップをスムーズに乗り切れるように(笑)。歌ったあと、美味しいビールが飲めるようにしたいです。ライブの出来具合で、その後のお酒の美味しさが変わってくるんですよ!
──hirokoちゃんも、そんな大人な発言をするようになったんですねえ(笑)。
hiroko いやいや! 大人っていうか、ちょっとオッサン入ってるんで(笑)。やっぱりライブやフェスっていうのはみんなで一致団結して思い出を作る場なので、しょっぱい思い出にならないようがんばりたいですね。
CD収録曲
- マスターピース
- 始まりの一歩
- マスターピース (Instrumental)
- 始まりの一歩 (Instrumental)
DVD収録曲
- マスターピース -Music Clip-
- マスターピース -Making-
mihimaru GT(みひまるじーてぃー)
2003年1月、ボーカリストを目指して活動していたhirokoと、BoAやSMAPなどに楽曲提供していたクリエイターmiyakeが出会いユニットを結成。クラブやストリートでライブ活動を続け、7月にシングル「約束」でメジャーデビューを果たす。2006年5月発売の9thシングル「気分上々↑↑」が「日本レコード大賞」金賞を受賞し、その年の「NHK紅白歌合戦」にも出場。2008年には日本武道館ライブを成功させるなど、ヒップホップとJ-POPを融合させた「ヒップポップ」をキーワードにフレキシブルな活動を続けている。